オーストラリア・バレエ団「くるみ割り人形」

2021年6月20日


先日の「白鳥の湖」がすごく気に入って、くるみ割りはどんなかな~?と、ワクワクドキドキでした。

正直なところ、古典的な「くるみ割り人形」のバレエは、ちょっと退屈なところがあるんですよね。
チャイコフスキーの曲は、それはもう大好き!!なのにもかかわらず、バレエのほうはどーもいまひとつ、お子様ランチ的な感じがなじめないというか。

なので、今回、実は行くつもりなかったんだけど先日「白鳥の湖」を観てあまりにも気に入ったので、即、今日のチケットを入手。意外にも良席が手に入り、幸運でした。

「くるみ割り人形」、感動しまくりでした!
クリエイティヴな舞台に、かなり刺激をうけました。
まるで、映画を観るようで、ビジュアル面でも様々な工夫やアイディアがいっぱいで、本当に楽しかった。

これも「白鳥の湖」同様、グレアム・マーフィーの振り付け。
ストーリーも、古典のものとはまるで違うお話なんですね~。
クララというひとりのバレリーナの一生を描いたもので、なんだかとても深いものがあってじわ~っと泣けました。。。
チャイコフスキーの音楽が素晴らしいので、内容の深さをさらに効果的に盛り上げていたように思いました。演奏もすごく良かったと思います。

年老いたクララの、クリスマスの日から物語は始まります。
1幕のクララの家のシーン、好きですねえ・・・。
同世代の友人たちが訪ねてきて、にぎやかに踊るシーンがすごく素敵でした・・・。
この作品を通してみて、冒頭の、おじいさんとおばあさん達が躍るシーンが一番好きでした!
なんて素敵な人達、なんて素敵なシーンなんだろう、と思いながら、作品に引き込まれてしまいました。

最も印象的だったのは、年老いたクララを演じたマリリン・ジョーンズ。素敵でした~。
彼女の存在が、この作品全体の価値や深みを支えているように思えました。

全盛期のクララ役はルシンダ・ダンで、友人の観た日の「白鳥の湖」のロットバルト男爵夫人が彼女だったそうで、役の雰囲気や性格はガラっと変わるけど、やはりクララの芯の強さ、みたいなものはしっかりと彼女の中にあるなあと思いました。

あと、クララの恋人の将校役がロバート・カランで、友人の観た「白鳥の湖」では王子役だったけど、王子らしくなかったようで、、、でも、今回の将校役には結構あってたかも?なんて思いました。

それから、セットのデザイン、大胆な展開に演出に、ワクワクしっぱなしでした。
まるでマジック・ショーのような演出もいくつかあって、楽しかった。
ベッド上での入れかわりや、鏡を使ったのや、大きなマトリョーショカから人が出てきたり・・・。
衣装や照明の色彩感もすごくセンス良くて、刺激になりました。

すごいな!と思ったのは戦場のシーンと、バレエの舞台を裏側から見ているという設定のシーン!これは素晴らしかったです。
いや~本当にDVD欲しい!!

こんなにもオーストラリアバレエが楽しかったなんて!

思わず「白鳥の湖」のDVD購入しました。
「くるみ割り人形」はまだ出てないようで、残念。出たら絶対に買いです。

ちょっとだけツッコミ:場面展開が、ややめまぐるしいかなと感じましたが、そうしたテンポの早さは現代的な作風なのでしょう。
それとクララの少女期を演じるのが日本人の子で、やや違和感ありでした(^^;)。
大人になると人種が変わるのか~って・・・。
最後の、3人の時代のクララがベッドの上で重なるシーンとか、やはりね・・・。
でも、少女クララ、頑張っていましたね。

オーストラリアバレエと、マーフィの振り付け、大好きになりました!
本当に感動的で素晴らしい舞台でした!!!!!!!