マニュエル・ルグリの新しき世界 B

2021年6月20日


3日のAプロの時は2階席だったので、小さいホールとはいえ、少々舞台が遠く感じました。
オペラグラス離せなかったし。
しかし今日は1階席の前から4列目という良席で、オペラグラスもいらずで臨場感のある舞台が楽しめました。
でも、前の席だと今度はダンサーの足元が見えづらいという難点があるのですね~。
特に、ダンサーが横たわったり座ったりしてしまうと、見えなくなってしまいます。
どの辺で観るかというのはいつも悩むところです。

今日のゲストは超豪華でした。
パトリック・ド・バナ、オレリー・デュポン、フリーデマン・フォーゲル、シルヴィ・ギエム・・・、

ルグリとギエムの2人が「優しい嘘」と「三人姉妹」を踊り、まさに溜息ものでした。
何と素敵な組み合わせ。特に「三人姉妹」の時のルグリは深い緑色の軍服姿。
ギエムは赤い髪にピンクのドレスで。
キチッと決める踊りの中に込められた情熱と、あふれる愛、観ていて胸が熱くなるようなお2人の踊りと高い芸術性に感動しっぱなし。
終わった時は、ええ、もう終わってしまうのか・・・もっと観たいなあ~と思ったのでした。
ルグリの踊りは本当に美しくてキリッとしてて、観ていると気分が清々として気持ち良いのです。

バナ氏振付で自身も踊る「マリー・アントワネット」やはりというか、すごく斬新なシースルーの衣装と表現。
最後の”断頭台”の表現、ドキッとするような刺激的な感覚。
赤い照明がドーンと心に残りました。

ギョーム・コテとデヴィッド・ホールバーグの踊る「失われた時と求めて」、美しい男性2人の退廃的な雰囲気に眩暈がしそうな感じ。
この2人でこの作品踊って、と決めたのはルグリさんなのですよね、きっと。
2人ともあまりにもハマり役でした。雰囲気もあるし、演技も素晴らしくて。

フリーデマン・フォーゲルが首を痛めたとかで、予定していた「アザーダンス」を踊らず、残念でしたがソロで踊った「モペイ」がすごく良くて、観ている私は、ずーっと笑顔になっていました。
終わって拍手する時も自然に笑顔になっていて、これって凄い!と、フォーゲルの持つ癒しの力に感動しました。

大変上質で良いものを観れて、幸せな夜でした。

カーテンコールの時、花束OK、そして、ギエムさんがファンに握手を求められていました。
バレエでそういう光景は今まで見たことなかったので、すごく驚きました。