ルジマトフとレニングラード国立バレエのソリスト

2023年6月22日

ルジマトフの踊りが観れて、とても幸せでした。

ルジマトフは「阿修羅」と「シェヘラザード」を踊りました。

「阿修羅」はかなり貴重だったのではないでしょうか。
観れてよかった~!素晴らしかったです!!!

振付けがなんとあのボリショイの岩田守弘さん。
解説によると
『静と動、仏像である彼の内面が動き出す。怒り、悲しみ、愛、忠誠心、運命。闘争し続けるように定められた戦いの神。(岩田守弘)』
とあり、暗く照明を落とした舞台の中央には「阿修羅」と書かれた書が飾られて、ルジマトフが、まさに彫刻が動きだすかのごとく、静かに踊り出すのです……。

ルジマトフが踊り始め、鼓の音が鳴り響くと、
うわ、難解そう……ついていけるかしら……
……と、一瞬思ったのですが、彼の踊る阿修羅の世界にぐいぐいとひきずりこまれていきました。

魂を揺さぶられる踊りでした。
表現している内容は重い感じなのに、強烈な創造的エネルギーと美によって魂が浄化されて、癒されていくような感覚。

これを踊れるのは、彼しかいないでしょう。
特に、顔の表情が素晴らしく、そして、手の表情!
手のかたちや動きがそれはそれは美しくて、ひたすらため息。
興福寺の阿修羅像の、手のかたちを思い出していました。
ああ、本当にあの阿修羅像が動いているみたいでした。

何かものすっごいものを見せていただいたという感じで、日本文化の精神性の深さに感動しました。
いや、というか、国とか宗教とかそういう境界は消えていて、もっともっと高い領域のところを表しているような気がしました。
それに、振りつけをされた岩田さんには恐れ入ったというか、ますますファンになりました!凄い!

誠にすばらしい作品でした。

あとはわりといつもの「白鳥」や「ドンキホーテ」や「海賊」などを、レニングラード国立バレエのダンサーたちが踊ってくれました。皆さんとても素晴らしかったけど、「阿修羅」でトリップしちゃった(笑)私はそのあとほとんど覚えてません~

だけどミハイル・シヴァコフは素敵でしたね~
さらに素敵になってた気がします。

フィナーレも賑やかで楽しかった。
例によって、最後の花束贈呈の大勢の女性たちが凄かったです。
多すぎて、渡せない人もいたみたい……