レッスン!
興行成績なんかとは無縁の作品を立て続けに観に行きました。
「レッスン!」、娘と行ってきました。彼女は大変に感動していました。
なんでも、映画で心から感動したのは数ヶ月ぶりだとかいうことですので、かなり気に入った様子。
私自身も、と~~っても気に入りました♪
なんといっても、アントニオ・バンデラスが最高に、素晴しく、カッコイイので、
それだけで大満足でした。
他のキャストも、皆さん非常に役にぴったりハマッていて、
それぞれの個性ある役柄をとても魅力的に演じていて、とても楽しかったです。
冒頭の導入部分は「プラダを着た悪魔」みたいだったね、と終わってから娘と話しておりました。
服を着替えてドレスアップして、女は化粧をして、出かけるシーン。
衣装とか、靴やアクセサリーなどの小道具がアップになり、手元とかディティールによってそのシーンのイメージを演出していく手法で、わりとよく使われるパターンではあるけれど、好きな演出方法です。
「ゾディアック」の導入部分もちょっと似た感じがあって、スピード感と流れるような場面のつなぎかたがいいんですね。
そこには必ず、印象的な音楽も不可欠。
さて、この作品の主人公であるピエール・デュレイン氏は、実在の人物であり、実際にダンスの指導者をされている方なのですね。
スラム街で社交ダンスを教えているところをTVのドキュメンタリー番組で観たプロデューサーが、映画の企画をたてたそうで、実際には小学校だったのを映画では高校に仕立てて、今回の作品となったわけです。
シンプルで、難解なところはない作品ですが、かえってそれが良かったですね。
そう、このシンプルさがいいのね。
人間にとってとても大切なこと、相手を思いやりながら共同作業をする、ということを社交ダンスを通して体験し、学ぶことで癒されていく学生たちの姿は感動的です。
そしてまた、ダンスは芸術的な自己表現でもあるわけで、自己と正面から向き合うということが必要になってくるんですね。
癒しというのは結局、自己の内面にあるものなのです。
そして、自分を信じていないと、うまく踊ることができない。相手にまかせたりすることもできないんですね。
自分を信じることができないと、癒されることもないのです。
監督のリズ・フリードランダーは、ミュージックビデオを手がけてきた人だそうで、なるほど、音楽と映像の表現がとてもスタイリッシュで観ていて新鮮でした。
セットなどの美術表現もとても素晴しくて、目に心地よかったです。
音楽の使い方が本当に上手くて、特に面白かったのは、古典的な曲と、若者たちの象徴でもある現代的な曲をリミックスするシーン。
ダンスにも、学生たちの感覚を自由に取り入れていき、ピエールが彼らの可能性を上手に引き出していくところなども、大変興味深いものがありました。
人にはそれぞれの個性があって、表現方法も様々。
その違いに気付き、そしてそれを楽しむ。
他者に興味を持って、違いを確認したり、あるいは共感したりすることで、自分自身をよりよく知る手助けともなるのです。
まーそれにしても、バンデラスさんはじめ、学生さんたちも、ダンスが素晴しくお上手です。
ところで!「マイアミ・バイス」で悪役だったジョン・オーティスさんが、お堅い教師役で出てきまして、思わず吹き出してしまいました(笑)。
ほとんど、マイアミ・バイスのイエロと同じような雰囲気だったのがおかしくって。
なのに、今回の役にもなぜかぴったりでした!おもしろすぎる・・・
↑この方ね。