『インセプション』2回目鑑賞
『インセプション』2回目観ました。
やっと2回目ですよ。。。
もっと行きたいなあ……
2回目だと、当然ながら何が起こるかわかっているので落ち着いて観ていられます。
が、やはり終盤はすっかり引き込まれて観ていました。
1回目の時にもハッとしたのは、冒頭の和風建築のシーン。
老人が後ろを向いて食事をしている……ふと、顔を少しだけこちらに向ける。
あの瞬間、私は『2001年宇宙の旅』の終盤で出てくる老人の食事シーンを思い出していました。
スタンリー・キューブリックの、知的で、そして高い美意識によって作られた映像美と、ノーラン監督の目指すものの方向性との類似というか一致というのか、なにかそのあたりに妙に反応してしまいました。
実際、ノーラン監督はキューブリック監督に影響を受けていると、あとで知りました。
それで1回目を観たあとにわかってものすごく驚いたことは、この撮影にブルースクリーンが使われていないこと。
夢の中の、現実離れしたシーンでも、限界まで現実的な撮影にこだわって作られているそうです。
CGは補足としてしか使われていないとのこと。
機関車が道に飛び込んでくるシーンも、水の中のシーンも、無重力のシーンも、街角での爆発シーンも、なにもかも、実際に現場で撮影したりセットを組んで撮影されたりしているなんて、本当に驚きました。
ノーラン監督は、そういうリアルな映像作りにこだわっているようで、前作「ダークナイト」での、大型トラックがひっくり返るシーンも、実際にやっていたのだそうです。
どうりで、映像に重みというか現実味のある凄みのようなものが感じられて、観ているこちらにズシンと衝撃を与えるんですね。
カッコイイ建築がいろいろ登場するのも楽しかったですね。
この和風建築のデザイン、すごく面白かった。外観はちょっと奇妙でしたが。
二条城など参考にしたとか。
障壁画もステキ♪でも、シンメトリーはあまりやりませんよね……日本では。
夢の中では、今いる場所が現実。
でも、やっぱり夢だから現実ではない。と、いう視点から見ると、ちょっと奇妙なインテリアでもあり得る、なんて考えればOKか。
あと、渡辺謙さんの衣装が素敵でした。
着物風の襟に、ジャケットはタキシードになっていて。
この階段も面白い……。
これもシンメトリーになっております。
このシーンは、巨大なセットを360度回しながら、俳優さんはワイヤーアクション。
すっごいです!
ここでも『2001年宇宙の旅』を思い出しますね~。
終盤に出てくる、ロバートの父が寝ている部屋も『2001年宇宙の旅』のオマージュか?!と思いました。
キリアン・マーフィが、今回出番も大かったし重要な役だったし、それになんといっても美しかった!
飛行機の中で手を組んだ時カフスボタンがキラリン☆と光っていて、お金持ちのおぼっちゃま風キリアン、とてもよく似合っていました。
ハンス・ジマーの曲が、もう曲というより効果音になっているというか、ドーン、ドーン、という体感的な感じの音響効果が凄くて、それとノーラン監督の完璧な映像とで、実に刺激的で想像力を大いにかきたててくれ、楽しくてしかたがありませんでした。
夢の中の夢、そしてまたその中の夢……。
と、階層になっている構造とその表現のしかたがとても興味深かったです。
ディカプリオの演じる主人公コブの内面、心の闇の描写も、面白くて、そういえば『ダークナイト』や『プレステージ』などでも人の心の闇を描く達人だったなと、再び過去作品を観たくなりました。
ノーラン監督は凄い人です。きっと、次の作品もその次も、凄いだろうなあと期待して、すでに次回作が待ち遠しいです。
その前に『インセプション』また行きたいです。