クラッシュ

2018年3月8日

ポール・ハギス監督自身、「僕は楽観的な皮肉屋なんだ」
との言葉どおり!

現実は過酷だ。だけどそこから逃げては前に進めない。
そして、希望を常に忘れるな!

こんな感じでしょうかね。

なにしろ、脚本が抜群にいいですね。本当にうまいなー!!!!っと感心しまくってました。
最初のほうは、かなり罵詈雑言とか多く、嫌悪感を感じる場面などから入っていって、それがどんどんどんどん、人々がぶつかりあったりしていくうちに、最終的には強烈でHOTなパワーとなって、心に響きます。
一生懸命、目をこらして観ていたんですが、終わってすぐにあちこちが気になってしまい
「あああ!もう1回観て確認しないとだめだ!」という気持ちになりました(笑)。
だって、人間関係って複雑なのよね~。
チラっと映る小道具なんかも見逃さずにしないと、ダメなの。
監督自身ロス在住であり、実際にカージャックされた経験もあるという生々しい現実が
いやでも伝わってきますね。
それに、はたから見てると「え、そんなことで殺人事件に?!」というシーンがありますが、銃社会の現実は本当に過酷です。
ポケットに手を突っ込む=銃という感覚自体、私達の国では考えてもみないことだけど、ロスでは常識なわけです。
もうひとつは、車社会の弊害。
人と話し合うことが少ない、ということでさらに問題が別の問題へと発展したりする。
これって、小さな日常でもありがちですよね。

ただ、話し合えばすむことだったりする。

「プライドと偏見」じゃないけど・・・。
勝手な思い込みで事態を悪い方向へ導いていることってありますね。
というか、大抵のマイナス要因はそれが原因か?と思うこともしばしば。
人と人、国と国。
なんだか「LOST」にもかぶるところがありました。
あのドラマにも、人種問題や、コミニュケーションの問題がしょっちゅう出てくる。
あの島もそうだけど、ロスという街も、地球を小さくひとまとめにした感覚があるのかもしれない。
ジン役の、ダニエル・ディ・キムがチョイ役で出てるし!
アジア人の描き方も強烈だったなあ~(笑)。
悪い人が悪い、とは言い切れず、じゃあ良い人って??
とか、人間を多面的に表現してくるところなんか、本当に面白い。

見終わって思ったこと。
もっと「ありがとう」って言おう。
もっと「愛してる」って言おう。
一日一膳(?)
そんな気分でした。

ハギス氏、「007 カジノ・ロワイヤル」の脚本担当なんですよね~。
楽しみです!!

クラッシュ [DVD]
サンドラ・ブロック (出演),‎ ドン・チードル (出演),‎ ポール・ハギス (監督)