ほっこりするゲイのクリスマス映画『シングル・オール・ザ・ウェイ』

作品情報

時間:101分
原題:single all the way
製作:2021年アメリカ
監督:マイケル・メイヤー
キャスト:
マイケル・ユーリー(内田夕夜)
フィレモン・チェンバース(興津和幸)
ルーク・マクファーレン(津田健次郎)
キャシー・ナジミー(加藤有生子)
バリー・ボストウィック(三瓶雄樹)
ジェニファー・クーリッジ(勝生真沙子)

『シングル・オール・ザ・ウェイ』予告編

『シングル・オール・ザ・ウェイ』あらすじ

現代クリスマスが舞台。ロサンゼルス(西)から故郷のニューハンプシャー(北東)へ帰省するオープンゲイのピーターの問題は、長続きする恋人がいないこと。いつも友だちや家族に心配されている。
そこで同居中の親友ニックに、恋人だとウソをついて欲しいと頼み、実家へ帰るが、ママは息子を心配するあまりサプライズでブラインドデートを計画していた!
会うだけならと、ジムのトレーナーをやっているマッチョ系爽やかイケメンのジェームズに会うと、なんだか気が合うし優しいし、大当たりであることは間違いない。
でもピーターの本当の気持ちは……。

笑えて、ロマンスもあって、家族愛にほっこりするハッピーな映画です。

『シングル・オール・ザ・ウェイ』の感想

「この冬いちばんの胸キュン♡ホリデー!」って感じの映画。
良い人しか出てこない(笑)。セクシーなシーンや暴力シーンも無く、安心して見れる映画です。
ママもパパも妹たちも叔母さんも、悪く言えばおせっかい焼きの家族なんだけど、この映画ではそれが大成功する。
LGBTQの家族を持つということは、とても難しいけれど、ピーターの家族は皆、前向きに理解しようという姿勢で、協力的です。
理想の家族という感じ。

ゲイ役の俳優たちは(おそらくほぼ全員)自分もゲイであることをオープンにしているところも、ポイントが高いですね。
以前はゲイでない俳優が”ゲイを演じている”ことが当たり前でしたが、最近はゲイがゲイ役を演じるのが当たり前になってきました。

ピーター役のマイケル・ユーリーは、『アグリー・ベティ』でずっと見ていたので、親しみがありました。
女王系上司のウィルミナの秘書であるマークは、オネエ口調でいつもベティをいじめるのだけど、なんだか憎めないんですよね。マイケル・ユーリーのキュートさのせいでしょうか。
マークはカミングアウトして家族に拒否されるという悲しい面もありました。アグリー・ベティはとっても面白いドラマなので、必見です。

さて『シングル・オール・ザ・ウェイ』では、ピーターの家族のキャラがみんな個性的で面白い!
演出も相まって、めちゃめちゃ笑いました。
ママは超陽キャの天然だし、パパは物静かで俯瞰しているかと思いきや結構ちゃっかりしてるし……。
妹たちが一番アクティブで、おせっかいでしたね。なんだかんだで皆んな正直なんだなあ。

叔母のサンディはざっくばらんで派手派手なスタイルの歌手。ヒョウ柄のカットソーにヒョウ柄のジャケットって……(笑)
演じるジェニファー・クーリッジは『ホワイトロータス』で有名な女優です。
この時はヘビ柄にヒョウ柄(笑)

 

 

『シングル・オール・ザ・ウェイ』の見どころポイント

★ゲイのロマンス映画
今まで、“クリスマスのロマンス映画”というカテゴリは、ほぼ100%異性愛でした。
そして“ゲイ映画”というカテゴリは、カミングアウトに悩む姿や、家族の理解を得られず苦しむ姿が描かれました。
驚くべきことに『シングル・オール・ザ・ウェイ』はどちらも含みません!
いや~時代が変わったことを感じますね。
映画の中だけでなく、ピーターの家族のように、温かい家庭がたくさんだと良いなと思います。

★吹き替えも見逃せない!
ピーターは内田夕夜さん。この時点でだいぶ耳が癒やされます。
ニックは興津和幸さん。頼りがいのある落ち着いた声が温かく包み込んでくれます。
そしてジェームズは津田健次郎さん。穏やかで優しいツダケンボイスをずっと聴けます。なんのボーナス?
本当に、どこのBLコミックを実写化したのか???という状態。

★演出やインテリアが素敵
アメリカの田舎の風景、クリスマスの飾り付け、家もインテリアもとてもかわいい。

★除雪車のおじさん
最後に出てきたこともあって、インパクトがすごい(笑)
彼は俳優兼プロデューサーのようですが、『ハング・オーバー』でもウェディング・シンガーを演じてたりして、歌がめちゃめちゃ上手い。

『シングル・オール・ザ・ウェイ』の関連作品おすすめ

★同監督
『イノセント・ラブ』→コリン・ファレル

★同俳優
『アグリー・ベティ』