ルネッサンス

大人のためのアニメ。
全編モノクロの、光と影の世界。
素晴しいフィルム・ノワール・アートです。


物語としては、よくありがちな?不老不死がテーマで、
そんなに新しい感じはしなかったのですが、でもやっぱり、永遠のテーマなのかな。
この作品の場合には、映像をアート作品として楽しむ、という雰囲気でした。

美しく、完成度の高い映像にはいちいち驚かされました。


まず、背景に感動。
古いパリの街並みの上に、ガラスの付属物をのっける、と、ちょっと乱暴な感じの近未来的都市デザインが非常に斬新でした。
人が歩く部分もガラスになっていたり、石造りのどっしりと重厚な建築の中にガラスという、はなかげで冷たいイメージがミックスされる感じは、現在のパリの街でも見かける光景ではあります。
古いものと新しいものの融合。
アンバランスでありながらも共存することへの意識と、美の追求。
それを拡大して誇張しているといった感じでしょうか。


構図も、抑えた光の雰囲気もとても美しくて、
とにかく感覚をビシビシと刺激してくれて、ビジュアル人間の私としては、大変楽しかったです。
ストーリーを追う観方をする人だと、かなりキツイ作品かもしれませんね。

雨のシーンなどは、「シン・シティ」を思わせます。
特に私が反応したのは、光の表現ですね。
照明効果が大変優れており、お見事でした。

人物はモーションキャプチャーを使用していて、声の俳優さんとはまた別の俳優さんが演じています。
アクションもすごくカッコイイ!

自動車とかメカや小道具のデザインなども、きれいで、見入ってしまいました。
まあとにかく、いちいち感心するばかり、でした。

一緒に観た娘と話していたのですが、観てるとなぜだかジェームズ・ボンドのイメージが思い浮かぶんですね。
それで、主演のダニエル・クレイグさんの声のせいなのかしらねえ、と話していました。
そうしたら、音楽担当がニコラス・ドットで、007シリーズに参加していた人でした。
音楽の効果だったのか~!あらためて音楽ってスゴイね、と娘と話しておりました。

ダニエルさんの他に、イアン・ホルム(レミーにも出てましたね~ひっぱりだこ!)や、POCでエリザベスの父、ジョナサン・プライスなども声の出演をしており、楽しかったです。


この、地下鉄(かな?)に乗るシーン、とても好きでした。

DVDは絶対買いますね~。
メイキングとか、すっごく楽しそう~~