ロンドン・コーリング/ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー

「ジョー・ストラマーロンドン・コーリング ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー」を観ました。

最近、クラッシュ熱が再燃していて、なんか嬉しいですね。
マルイとかラフォーレなどのお店でも、よくかかっていますね。

the CLASH SINGLES ’77~’85

以前紙ジャケのLPバージョンのセットを購入し、シングルのボックスセットも購入してしまいました。
でも、シングルのセットは持ってて眺めているのは嬉しいんだけど、聴くのは面倒臭いですねー。
すぐに終わっちゃうから(笑)。
でもこれ、すっごく可愛い。
アナログ盤でも出てるんですよね。
こんなのが出るのはクラッシュぐらいだろうって。

そうなんです。
私がティーンズだった1970年代というのは、ロックの全盛期ですよね。
その時代に、私はクラシックと映画音楽に明け暮れていました。
ロックバンドのメンバーにキャーキャー騒いでいる女の子たちのノリについていくことができずに’70年代を終わってしまい、
気がつくとパンク時代に突入していて、遅ればせながら1980年ごろからクラッシュに目覚めました。
ピストルズではなく、クラッシュがツボにはまりましたね。
初めて見た彼らのモノクロ写真が、まるで映画の中のマフィアみたいに黒い帽子、黒づくめでそれはそれは格好良かったんです。
私がレコードを購入してまで聴いたロックというと、クラッシュとU2(初期)くらいのものでした。
その後また、クラシックに戻ってしまいましたのでね。
(今は両方聴いてる)
たぶん私は、彼らがほとんど女の子達に媚びていない硬派なところが好きだったのだと思います。
私としても、彼らに対して擬似恋愛的な感情はまったくなくって、カッコイイお兄さんとして憧れていました。
音楽もすごくシンプルでクールだったし、あと、とってもオシャレな感じがしました。
ファッションがとにかくイカシてた。
社会の矛盾を代弁してくれてるところなんかも、大好きでした。
ちゃんと来日コンサートにも行ったんですよね。
男ばっかでしたね。
キャーとか言ってなくて、低い男の声で「ジョー!!!」とか、そういう感じでした。

ちなみに私、男性が
「♪君がナントカカントカしてた頃~~~♪あの頃の君はナントカだったね~~♪」
とか歌ってるのを聴くと、ゾゾゾゾゾッと鳥肌が立ってしまうんですよねー(笑)
どうも肌に合わないっていうか・・・

まあ、そんなわけでクラッシュはちょうど、色んな意味でとんがってた時代の自分に合ってたのかもしれません。
その数年後は娘を産んだ為ほのぼのムードな生活になっていったわけで(笑)、パンクな私の時代は終わったのでした。


ジョーは、面倒見のいい皆のアニキっていう感じでした。
実際、他人の食事とか寝る場所の心配とかしてる人でした。
最高にかっこよくてそのカリスマ性や影響力はすごくて、そして私たちにたくさんの大切なことを教えてくれました。
政治や、社会情勢のことなどわからない当時の若者たちに、ステージの上からジョーは語りかけ、いろいろな知らないことを教えてくれたのでした。

ジョーは問いかけます。「それでいいのか?」と。
そしてこうも言う・・・「ひとつ言っておくが、人は何でも変えられる。世界中の何でもだ」

ところで、今回のドキュメント映画はとても楽しめました。
ジョーの生い立ちや、未公開だった部分とか、人となりを知ることができましたし、
スクリーンで彼らの演奏を観たりできて、涙なくしては観れませんでしたね・・・
特に、2002年の消防士チャリティーのコンサートで、ミックが飛び入りし、ジョーと演奏するとこなんか本当に感動でした。
その後わずか1ヶ月でジョーはこの世を去ったのです。

ニコニコしながらジョーの話をするトッパーやミックの姿には非常になごみました。
トッパーもミックも、すっかりオジサンになってとんがった角が取れて。
ジョニー・デップやスティーブ・ブシェミ、U2のボノなどが自分の言葉で語ってくれるクラッシュは、とても心に響くものがありました。
そして、なんだか嬉しかったですね。彼らと仲間みたいな感じがしてね。

ドキュメント映画としても、面白い作り方で、楽しめました。
おそらくジョージ・オーウェル原作の「動物農場」のアニメが何度も入ってくるのは面白かったですね。
監督はジョーと親しかったようで、それが作品にただのドキュメントではない、とても深い親しみと温かさをもたらしていたのかもしれません。

商業的成功と、アーチストとしての生き方、それに、人間としての生き方と。
常にその狭間で戦っていかなければならなかったのですね。

ちょっと話がそれますが・・・
先日自宅で「リベリオン」を娘と一緒に観賞しておりました。
私はすでに何回か観ているのですが、誰かが観たいというと、一緒になってまた観てしまうのです。
で、娘が
「なんかこういう話って多いね?」

と言うので、
「ああ・・・たぶんそれは、私が”こういった”話が好きだからだと思うな。」
と答えたのです。

それで、そういえばそうだな、と自覚した次第なのです。

いわゆる、反社会的、社会批判的な雰囲気を持った作品、そういうことを題材にした作品に惹かれるのは、
今に始まったことではなく、私のベーシックな部分にずっと長い間存在し続けているのです。

ジョーの「人は何でも変えられる」という言葉に、とても励まされました。