エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜

最近、尊敬している方の子供時代のお話を聞く機会があって、その壮絶な過去に衝撃を受けました。
そして、天才とか、成功者の人たちって、
皆さん例外なく人には言えない努力をしていて、さらにまた、ものすごい困難、苦難を乗り越えているんですよね。
共通しているのは、愚痴を言わないこと。
愚痴って恥ずかしい。
愚痴は人間を駄目にする。
プライドのない人のすることですね。
愚痴を言うより先に何か行動している、私はそういう人たちを崇高で美しいと思います。


さて私はどちらかといえばフィクションよりもノンフィクションが好きです。
著名な人の一生を映画化したものは好きなジャンルなので、結構いろいろ観ていますけれども、当たりはずれもあるんですよね。
やはり、監督のセンスなのでしょうか、ただその人の人生をなぞっただけに終わってしまうと、どんなにその人物が素晴らしい人であっても・・・たとえばベートーヴェンやマザー・テレサのような偉大な人であっても・・・、
映画としては面白くないわけです。感覚的なほうがいいですね。映画なんだから。
何度かそういう退屈な思いをしただけに、観る前はちょっとばかり身構えてしまう。
でも!今回の作品は、かなりの上出来でした!素晴らしい!
監督も理論よりも感覚と語っておりましたが、そのとおり感覚的に仕上げている点に、非常に感激でした。そう、そのほうが「わかりやすい」しね。
2回観てしまいました。2回とも泣いた。

シャンソンって、普段はあえてCDを買って聴くというジャンルではないので、詳しくはありません。
だけどこういう土着的というか民族的というか、日常の生活のなかから自然発生的に出てきたような音楽には、生命力が宿っています。パワフルです。

マリオン・コティヤールさん大好きで、楽しみにしていたのになかなか行かれず、やっと行けて・・・感動の嵐でした。
すでに冒頭から泣きまくりで、とにかく何度も泣きました。
エディット・ピアフさんの人生があまりにも壮絶すぎて・・・。
なんでどうして、ひとりの人にこんなにたくさんの困難があるんでしょうか。
一番泣けたのは恋人マルセルのエピソードでしょうか。
絶対嘘だ・・・って、信じたくない気持ちになりました。
あのときの、トーストとコーヒーを嬉しそうに運ぶピアフの姿、部屋を出たり入ったりする動きに表われる不安な心情、そしてそのあとステージへと続く演出に感動でした。
(このあたりは、観た人ならわかっていただけるでしょう)
ボクサーに惹かれるエディットって、すごく理解できる気がしました。
エディットは歌手だけれども、常に自分自身と戦い続けているから、やはり戦うことに命をかけ人生を捧げているマルセルのような強い男でないと支えきれないんだろうなあと思います。
(つくづく陽性な人だなあ~と思って観ていました)

何かあったとき、天を仰ぐエディットの表情が、忘れられません。

マリオンさんはほんとーに凄まじいくらいに熱演でした!
ピアフご自身の人生にももちろん感動の連続でしたが、マリオンさんにもすっごい感動しました!!!
彼女は30歳だそうですが、10代のエディットから47歳までの年齢を、本当に完璧に演じていました。
トランス状態になって演技したとか。ますます好きになりました。
ちなみに「TAXI」シリーズに娘とはまって、1~3まで観てたんだけど4はとうとう見逃しました・・マリオンさんがかっわいいーんですよね。
つい最近観た「プロヴァンスの贈り物」の時の、気丈な彼女も実に似合っていて素敵でした。

時代がポンポン飛ぶので、ピアフさんが若返ったりいきなり年取ったり、慣れないうちは少々混乱しつつ観ておりました。
でも、あの手法には意味があるんですね。人間の記憶の機能のしかたは、決して順番どおりでなく、また断片的であると、だからこの作品のように過去と現在が行ったり来たりするわけなんですね。
これでわかりにくいとか言ってるレビューなんか読むと、気の毒にな・・と思います。

最初、眉毛ボサボサなのに。
だんだん細くなって、最後のほうは眉毛なくなってて・・・
亡くなったのはわずか47歳というのに、老婆のように衰えきっていて、マリオンさんがほんとに別人のようでした。凄すぎる・・・

ディートリッヒが出てきたシーンではとても感動しました。
ピアフと一緒になって感激してしまいました。憧れの人に褒められるのって、なにより嬉しいことですよね。
ディートリッヒのカロリーヌ・シロルさんて、すごく似合っていました。素敵な人です。

あと個人的には濃いめのイケメンさんのマルセル役のジャン=ピエール・マルタンス、素敵だったなー!
ちょっとクライヴ・オーウェン似?な感じで。
それに、マネージャー役のパスカル・グレゴリーが嬉しかった!
「ルパン」の時に素敵!と思っていたのですが、今回ずっと出ていてピアフを見守る姿が良かった。
父役のルイ・ガジョンさんも素敵な人でした。
レトロなパリのファッションなんかも、とっても素敵でした。
20歳くらいのときの、エディットのファッションやパリの風景が素敵でした。
親友のモモーヌもかわいい!
特にピアフの子供時代のファッションが可愛くって。
あの子役の女の子もメチャクチャ可愛い!!
ティティーヌじゃなくたって、メロメロになりますね♪