バレエの神髄

2018年3月29日

チケット購入した時には、こんな状況になってるなんて微塵も考えていなかった。
しばらくの間、引きこもりになっていてすっかり外出嫌いになっており、この日も行く前は出かけるのにちょっと気が重かった。
けれども、生命力溢れるダンサー達の踊りのエネルギーを直接受けることで、帰る頃にはかなり元気になっていました。
行って良かったです。

なんといっても、ダンサーでは一番好きな、コルプがゲスト登場というので、チケット購入時の数ヶ月前からかなり興奮していました。
それで、張り切って3日間通うつもりでチケット購入していたのに、震災の影響で新宿文化センターの大ホールが使えなくなってしまい、2公演が中止、払い戻しに。
文京シビックホールは無事で、結局東京は1日だけの公演となってしまったのです。
すごく残念ではあったけれども、1日でも観ることができて本当に良かったです。




さて・・・もう日にちが経ってしまっているので
記憶が薄れてきているけれど・・・、頑張って感想書いてみます。

第1部
「マルキタンカ」よりパ・ド・シス

「瀕死の白鳥」

「ライモンダ」

「ラ・シルフィード」

「シャコンヌ」

第2部
「パヤデルカ」第2幕より パ・ダクシオン

「扉」

「白鳥の湖」より 黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ

「ボレロ」

第3部
「カルメン組曲」

といった演目でした。
とてもバリエーション豊かで楽しかったです。

「マルキタンカ」では、シドルスキーの軽やかさと華やかさに魅了された。
短い間にアクロバチックな技も盛り込まれた振り付けと、そして甘いロマンチックさと。
オープニングにぴったりの一品でした。

「瀕死の白鳥」は衝撃的でした。
白河直子さんは以前ルジマトフと共演し、絶賛されたようだが、私は初めて彼女の踊りを観た。
オリジナルの振り付けということで、貴重な作品。そして独特な魅力にあふれる白河さんの踊り。
思わず引き込まれてしまった。
客席も同じように、白河さんの踊りに引き込まれているのを感じた。
ブラボー!!の声援があがっていた。

「扉」はコルプのソロだったのですが。
おもむろに舞台の端から・・・モゾモゾと(なんとなくこういう表現になってしまう雰囲気だった)うごめく・・・というか。肌色パンツのみ着用のコルプ登場。
なんだか奇妙な~・・・。
でもコルプだから。
この奇妙さ加減もステキ・・・なんて思いながら観ていました。
けど、なぜ肌色のパンツだけなのか——–。
第2部終了後、2部の出演者が全員出てきて挨拶していたのだけど、コルプだけ出て来なかった。3部の闘牛士用のメイクで忙しかったのか?それとも?と、あれこれ考えてしまったけど、肌色パンツでカーテンコールはものすごく変だったと思われるので、出て来なくて良かったかも。。。

ルジマトフの「ボレロ」、すごく素敵で印象的でした。
この作品は最初はプログラムになく、追加されたもので、世界初演とか。
日本における大震災への思いをこめて、今回の公演のためにルジマトフが振付家N.アンドローソフに依頼し、創られた作品だそうです。
「シャコンヌ」もヴァイオリンの生ソロとルジマトフの踊りに思わず溜息ものでした。ただ、ヴァイオリンにマイクはつけないでほしかったなあ。必要ないと思うのだけど。生の音は機械を通さずに聴きたい。
どちらもルジマトフの精神世界を堪能させてくれました。

そうそう、映画の「ブラックスワン」を観たあとだったので、本物の黒鳥が観れたのも嬉しかった。映画のシーンも思い出しながら観ていました。
あの映画観賞後、DVDやYOUTUBEで色々な黒鳥を観たけど、やはり本物はいいなあ。

岩田守弘さんは「ラ・シルフィード」だけだったのがやや残念ではありました。
もっと彼の踊り、観たかったー。キルトスカート可愛かったです。男っぽい人が赤いキルトって、ギャップがあるんだけど、なぜか似合ってたと思う。

今回は幕の”アクシデント”が数回。
幕の係の人が慣れていなかったのか?
まず、始まるや幕が上がると、開演前に舞台で練習していたダンサーたちがわらわらと慌てふためいて、舞台袖に走り去るという、今まで見たことないアクシデント。
客席は、和やかな笑いに包まれた。
赤いキルトスカート姿の岩田さんがアタフタと立ち去るうしろ姿も目撃。

次に、「カルメン組曲」のとき。
いったん踊りが終わってダンサーがポーズをキメ、幕が下り、もう一度幕が上がった際、立ち去ろうとしていたコルプがあわてて途中で止まってポーズしなおし。
まるで「だるまさんが転んだ」状態に思わず苦笑な場面。
男女4人で2人ずつがそれぞれ組んでポーズしていたところ、コルプだけズレた場所になってしまい、何か間抜けな感じが可愛くて仕方がなかった。

ラストのカーテンコールはいつものことだけど花束贈呈がなかなかスンナリいかなくてヤキモキする。いつ渡せるのか?
タイミングが難しいのね。
コルプも2つ受け取っていたけど、”闘牛士の役に入ったままの状態を維持”していたため、笑わず「キッ」としている演技で花束を受け取るのでそれがおかしくて……。
ルジマトフは10人くらいいっぺんに舞台にズラ~ッと、すごーく高そーな花束を持った女性たちが並びました。ルジ様はひとつひとつ、丁寧に、笑顔で受け取っていました。

ボリショイ、マリインスキー、キエフからのダンサーを迎え、大変豪華なガラでした。

私はもうとにかくコルプの闘牛士が強烈な印象で、翌日の大阪まで追いかけて行きたいくらいでした。
「闘牛士追いかけちゃあ逆でしょう~」と、娘からのツッコミが。
まず登場シーンで思わず心の中で「おお!!」と叫んでました。感動です。
キリッとした男っぽさに溢れる素晴らしく素敵な闘牛士。
「うーん、ここはバリトンで歌うところね~」
思わずオペラの「カルメン」、ドミトリー・ホロストフスキーのバリトンを想い出してしまいました。
本当に申し訳ないけど、ほとんどコルプしか観ていなくて・・・。
すごい存在感なのでした。

というわけで、コルプ様のおかげでこの日はかなり元気になれたのでした。
コルプさん、またお会いしたいです~。早く来てくださることを祈ります。