ヘルプ~心がつなぐストーリー~


「ヘルプ~心がつなぐストーリー」の試写会に行ってきました。

とても良い作品でした。

終了後、拍手起こっていました。我々も拍手しました。
上映前に時間を聞いた時、え、そんなに長いの?!参ったなあ~なんて思っていたのだけれど、観ている間ずっと全然長さを感じませんでした。


アメリカ南部の美しい景色、それに’60年代のファッションやインテリアや小道具も素敵でした。
キャストはほとんどが女性たちで、衣装のほとんどがワンピースなのだけど、これが皆、すっごく可愛い!
皆がバービー人形みたいでした。
カラフルでポップで、そしてまた南部らしい素朴さがあって。
スカートは、タイトかフワーッとたくさんギャザーがあるタイプかで、とにかくウエストはギューッと細く見せる。そして靴は必ずハイヒール。
髪はヘアスプレーで固めてあるんですね~。

ちょうど今、AXNで放送中の「マッドメン」も同じ時代を描いているので、同じ時代の違う街のお話、という感覚で楽しんでしまいました。

それにしてもこの時代って男も女も皆、よく煙草吸ってますね~~~。

スキーターが面接に行って採用された新聞社の編集長さんが珍しく嫌煙家だったので、へえ、ああいう人もいたんだ?と思いました。
「健康に悪いことがいずれ証明されるぞ」っていうセリフは、今の時代からこの時代の人達へ、ついツッコミたくなってしまったという感じのセリフでした。


ジェシカ・チャスティン。この前「ツリー・オブ・ライフ」でお見かけした時は、すごくナチュラルなお母さんだったので、この派手なメイクとファッションで別人になっていました。でも、癒し系なところは同じだった。
意地悪な奥様だらけ、そして人種差別で命も危険にさらされるという街で、唯一、ホッとさせられる存在となっていました。だんなさんもいい人で良かったな。
お隣は、アカデミー助演女優賞のオクタヴィア・スペンサー。
アカデミー賞受賞式のとき、パイのことがネタにされていても私はなんだかわからなかったのですが、映画観てその謎がハッキリしましたよ。


ブライス・ダラス・ハワード。いつも癒し系なイメージだった彼女ですが、今回はまったくそれとは逆の、悪魔の心を持つ人物。
彼女たちは同級生だったけど、友達ではないんですよね、決して。
意地悪っぷりが本当に上手いなーと思って観ていました。
カラフルな花柄のドレスが可愛かった。


メイドさん達は、ブルーのワンピースに白いエプロン。スッキリしたパステルカラーが素敵です。このブルーは、劇中で出版された本のカバー色にもなっている。
主演女優賞にノミネートされていた(メリル・ストリープがいたのでは無理ですね…)ヴィオラ・デイヴィスもすごく良かったなあ。


主人公のスキーターは、少年ぽい感じで、くるくるの巻き毛が可愛い。
チェックの綿ワンピースとか、彼女の着る服はどれもスッキリしてて素朴でなんともいえず可愛かった。
自分でも作れてしまいそうなデザインのシンプルな服ばかりで、なんかもう作りたくなって・・・困ってしまいました。
ファッションに、そのキャラクターの性格や生き方がとてもよく表現されていて面白く観ていました。
インテリアも楽しい。キッチンがミントグリーンだったりとか。
食器や調理道具などなど・・・。登場するあらゆるものが観ていて楽しくてたまらなかった。

スキーターが取材しているところや本ができていく様子はすごくワクワクしました。
小さなことから革命がおきていくんだな、と勇気づけられた。

この映画での「ヘルプ」という言葉の中に、色々な意味を考えました。
ストレートに、家事を助ける。
知恵を与える。
愛する。
そして、癒す。

母性という根源的なものをカラフルでポップな’60年代の風俗で飾ってみせて。
大地みたいなおおらかで温かい映画だなあと思いました。