アバターロボットだらけの世界『サロゲート』

2023年6月6日

とっても面白いSF作品でした!

藤子不二雄先生の「パーマン」や「どらえもん」に出てくる、コピーロボット。
あれは色々なアイテムの中でも、特に欲しいな~と思っていました。
鼻のボタンを押すと、押した人物そっくりになり変わり、留守番をしてくれたりするんですね。

このサロゲートは、コピーロボットとはちょっと違うんですね。
サロゲートの場合は、本体である人間が自宅で眠っている間に、ロボットが外で本人と同じように動いたりして、そのデータは同時に本体に送られるという仕組み。
サロゲートを自分と全く同じデザインにする人もいれば、本人は男性なのにサロゲートは女性とか、老人なのに子供になったり、なんてこともできてしまうんですね。
もちろん、複数のサロゲートを交代で使うことも可能。
壊れたら、修理したり取り換えたりすればいいのです。

というわけで、楽しく便利に使っているうちは、人生の可能性が飛躍的に広がり、夢のような世界です。
特に危険な仕事をやる場合などはすごく便利。
戦争をやっているシーンもありましたが、あれではまるっきりTVゲームをしているのと同じで、皮肉だな~と思わず笑いました。

ロボット社会の描写は色々と楽しくって、笑えるシーンが沢山ありました。
サロゲートを売っている店が、安っぽい量販店みたいな雰囲気だったり、店員さんのすすめかたとかも、いかにも、って感じでおかしくってしかたがなかったです。
この作品、”いかにも”っていう感じの、誇張した表現が多くて、それがとっても面白く観ていました。
預言者も、ほんとにわざとらしいというかいかにも、って感じの髪と髭と衣装とアクセサリーと表情とポーズで、登場した瞬間「うわ~胡散臭~」と思いましたね(笑)。

このポスター、まるで「ターミネーター/サラ・コナークロニクルズ」みたい。
書体も似ています。

アンジェリーナ・ジョリー似なサロゲートですね。

監督は「ターミネーター3」を作った人なので、ターミネーターのパロディっぽいところがあるのも納得。

ちなみにこちらは「サラ・コナークロニクルズ」。

イメージ似てますね。

サロゲートに戻ります。

こちらはイケメンタイプでございます。
ベッカム似?
タトゥーなしですが(笑)。

つるつるなお肌に髪ふさふさのブルース・ウィルス。
初めて観た時は、爆笑してしまいました。
隣はラダ・ミッチェルのサロゲート。
サロゲートの髪は、いかにも人工的な感じにサラ~っとした感じになっているんですね。
あと、身体も金属だから、固そうな感じに演技していました。
人間ソックリなんだけど、なんか、どっか変だなあ?という感じに作ってあって、そういった表現の細やかさに感心しました。

こちらはロザムンド・パイクのサロゲート。
彼女は、あまりメイクをしていない素のほうがサロゲートで、人間のほうになると老けメイクでした。
彼女はサロゲート向けの美容サロンみたいな店で働いていて、面白かったです。

右端に映っているサロゲートは、充電中なのかな?

日常的には、街の中を歩いて活動しているのは、ほぼ皆サロゲートなんですね。
人間はみんな、フツーに引きこもり状態になってる。
そういう状態の生活に慣れきってしまっているわけですが、やはり身体的な接触は絶対的に必要なのが人間です。
サロゲートを、今の現実社会でのPCなどに置き換えれば、すでに今、起こっていることなんだなと思いました。オンラインゲームでも、似たような感じのものがありますね。
直接的な接触を嫌い、避けていても、人は触れ合わないと生きていけないものなんですね。
人間同士の”オフ会”とかはないのかな?と思ったり(笑)。

さて私としては、人の顔のシワを愛してやみません。
特に男性の顔って、年齢とともに皺が増えて深みを増していくほどに魅力的なのです。
イーストウッドなんか、若い頃から結構シワっぽくて、そこがすごく素敵でしたね~。
なので、この映画での、人間のほうのブルースの(特に顔のシワが)何とカッコイイことかとしみじみ眺めてしまいました。
最近は、シワ取りの美容なんかが流行っているようですが、そこまで執拗に外見の、しかも表層部分にこだわるのは、美の追求の仕方として方向性が違うのではないかと思うのです。

監督はブルースのことをとてもよくわかっていて、その魅力を存分に引き出していると思いました。

この作品のテーマだというジョナサン・モストウ監督の言葉が心に残りました。
「身体的接触がどんどん希少になっていく世界で、愛の観念はその意味を失うのではないだろうか?」

そして、こうしたロボットの研究開発は、かなりのところまで進んでいるんだそうです。
本当にこの映画のような未来が来るのでしょうか。

SF

Posted by miniaten