ジョン・カーター
不評という噂を少々耳にしていたのですが、それに反して意外にも面白く、すっかりこの映画の世界観にはまってしまいました。
それにしても、めちゃくちゃお金かかりすぎなんじゃ……と思いました。
ウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品とあって、とにかく力入っていて、やたらスケールの大きなシーンに驚きました。
テイラー・キッチュのファンにとっては、バトルシップ以上に楽しかった。
「ウルヴァリン X-MEN ZERO」で、華麗にトランプを使っていたガンビットの時から、映画友の間では要注目人物で、私もすごく気になっていた俳優さんでしたから、このところの大作映画主演続きには驚いているとともに嬉しい限りです。
サム・ワーシントンもテイラー・キッチュも、どこか共通の自然体な魅力がある俳優さんだなと思います。
今までのハリウッド俳優の、作られた感じが一切なくて、その人自身の魅力がそのままスクリーンに投影されている感じなんですよね。そこがいいんです。
今回は奴隷風のお衣装で、ちょっと汚れているかんじでした。それがまたカッコイイな~なんて。
が、ステキな紳士のお姿(ラストの黒いロングジャケット♪)も披露してくれて、それがもう大変麗しく、思わず見とれてしまう美形ぶりでした。
冒頭の1881年ニューヨークが素敵で、おおーと感嘆しておりました。
SF作品と思っていたので、クラシックな雰囲気で始まったのが意外でよかった。
テイラー・キッチュは大作に次々と出て、あっという間にすっかり大スターになって、驚かされました。
ちょっと小柄だけど画面で映えるし、動きも良くて、アクションシーンの98%をスタントなしでこなしたと公式サイトにも書いてありました。98ってほぼ100%じゃないですか~やけに細かい表現ですね。2%やってないって、誰がツッコむというのか。
マーク・ストロングさんの登場シーンで思わず笑ってしまいました。
また悪役ですか~と思いましたけど、クールでとっても素敵でした。
マタイ・シャンはジョン・カーターのことを密かに気に入っているようでしたね。
キアラン・ハインズ、ジェイムズ・ピュアフォイのコンビが楽しくて、二人が出てくるとドラマ「ROME」と思い出します。
衣装も似てるので、カエサルとアントニウスだわ…なんて、つい思い出していました。
ジェイムズさんのキャラがいつもの女たらしの感じですが、お茶目でよく似合っていました。
ドミニク・ウェストの悪役っぷりも、「ジョニー・イングリッシュ」の時と似たような感じでありながらも、マタイ・シャン(マーク・ストロング)にダメ出しされつつ、頑張っておりました。
好きな俳優さん達がたくさん出ていて嬉しかったのだけど、皆さん本当に「いつもの感じ」だったので、嬉しいような意外性がないような、複雑な気持ちでした。
火星のプリンセス・デジャー役のリン・コリンズ、とっても綺麗な方で、どっかで見たな~と思ったら「ウルヴァリン X-MEN ZERO」の冒頭で兄に殺されてしまう彼女役の方でした。
あの時も、綺麗な目が印象的な美しい人だなと思っていて気になっていました。
今回は、ちょっとレトロ感も漂うSFファンタジー調な、セクシーな衣装がよくお似合いでした。
SF好きな男子の方々にはツボなんじゃないでしょうか。
昔のものと思われるイラストを見たら、もっと露出度が高かったですが。
「スター・ウォーズ」のレイア姫がジャバに着せられていた露出度の高い衣装を思い出しました。SFファンタジーのヒロインの衣装=露出度高め、というのはここがルーツだったのか?と思いました。
火星に大気と水があったり、食べ物は何食べているのか?……などなど、細かい点が気になりました。
ツッコんじゃいけないところですが。
あと、犬のウーラが可愛かった。
メカデザインが古いような新しいような、という絶妙なところで、当時のイラストなどを元にしてデザインしているのか、古代と未来をミックスしたような感じで、逆に今は新鮮だなと思いました。
お話もはいかにも古典SFという感じで、それがかえって新鮮でとても楽しかった。
スターウォーズ、アバターに多大な影響を与えたという、SF作品すべての原点なんですね。
「ジョン・カーター」はエドガー・ライス・バローズの書いたシリーズで11作あり、1960年ごろヒットしたSF小説らしいですが、書かれたのは何と1912年!
「火星のプリンセス」はジョン・カーター・シリーズの1作目ですから、今後続編はあるのでしょうか?
ピクサーで「ファイティング・ニモ」や「ウォーリー」を創ったアンドリュー・スタントン監督ですから、その手腕は一流です。
そういえばニモに出ていたウイレム・デフォー、今回はタルス・タルカス役でご登場です。
デイヴィ・ジョーンズのようにすっかり加工されたお姿なので、元のお顔はわかりませんが、声は聴けます。
テイラー・キッチュの次回作はオリヴァー・ストーン監督の「SAVAGES(原題)」。
こちらは超豪華キャストの大作のよう。期待大です!