300 スリーハンドレッド

すっごく気に入りました!
戦う男たちの世界、いいです!こういう男っぽい映画って大好きですねえ。
何度も観たい作品です。
実は、「オペラ座の怪人」のジェラルド・バトラー、ブラジルの美形ロドリゴ・サントロ、「ロード・オブ・ザ・リング」のデイビッド・ウェナムが出る歴史モノということで、もう去年あたりから裏ではさんざん話題になっていて、公開されてからすでにまたさんざん友人たちとは熱く語りまくっていました。
で、やっとこちらにも感想を。


娯楽性の高い作品ですが、まず、映像美が非常~に素晴しいです。
それだけで観ていて飽きないし、感覚刺激には最高です。
監督は今回とは違いますが同じフランク・ミラー原作の「シン・シティ」を観たときにはすごく新鮮な感覚で、その斬新なビジュアル感覚に大変刺激を受けました。
今回はあの「シン・シティ」からさらにパワー・アップしたという感じです。
動き出すギリシア彫刻のような、美しい肉体美。
ワンシーンごとに、絵画のようで、陰影とか色彩、質感、また、動きも芸術的で、感性をビシバシ刺激してくれまして、大変満足です。
とっても勉強になりましたね。


音楽の使い方もものすごくセンスいいですね。
さすがにミュージックビデオやCMなどの最先端の映像世界を手がけていたザック・スナイダー監督らしく、いちいちカッコイイ映像と音の見せ方の連続で感心しました。

歌舞伎の大見得をきる、みたいなキメのシーンの連続であり、また、ハイテンションなアクションシーンの連続に、こちらもテンションあがりっぱなしです。
構図など、原作に本当に忠実で、原作を絵コンテに使ったようにそのまんま!というシーンばかり。
平面の絵の世界が、そのまんま立体化したような面白さ。


レオニダスが槍で敵を倒しながらずんずん進んでいくところなんか最高でしたね。
途中で槍を投げて~剣に持ち替えて!
ジェラルド・バトラーもあのシーンはお気に入りだと語っていました。
ストーリーも、シンプルで、きれいにまとまっていて良かったです。
単純、という見方が多いようなのですが、私としては、デザインぽく考えると単純化=シンプル、というとらえ方です。
この作品は、いろんな意味で単純なのです。
でも、その単純さは、ある意味、極限まで要素を取り去り、シンプルを追求していくデザインの考え方に通じるものがあって、非常におもしろいなと思いました。

出血については、量はそれほどではなかったと思いますが、やはり武器が武器だけに、キツイ描写はありますね。
しかしそれを、あえてきれいに表現していると思いました。
気持ち悪いとか、不気味さの方向での表現はさけていたように思いました。
余談ですが、POC3でもあれだけザクザク人切ってるのに、血が全然でないっていうのもどうなの?って思いますけどね。

デイビッド・ウェナムのナレーションから始まって素敵な声に感激し、また脇役の俳優さんたちもそれぞれカッコイイ!「ハンニバル・ライジング」で警視役だったドミニク・ウエスト、ステリオス役のマイケル・ファスベンダーも隊長の息子アスティノス役のトム・ウィズダムと、皆さんものすごくかっこよくって、チェックに忙しい作品です(笑)。
アスティノスのサイのシーンは何度も繰り返し観たいくらい気に入りました。


ジェラルドさん、今回は怪人とはまた違いますが、男の色気はかなり出てたと思います。
あれはやはり演技ではなく、ご本人から湧き出ているものではとお見受けしました。
特に、目がかなり大きくアップになって、目だけで演技するシーン、すごく印象に残っています。
あと、レオニダスの男気に惚れました♡

ロドリゴ様はもう、すごい楽しませてくれました~っていうか、デカイ!!(爆)。
いちいちあの階段状の輿を奴隷に運ばせて・・常に見下ろしてないと落ち着かないのかしら・・声も変だし。
しかし、あの大きさの表現は「神」っていう意味で使われることがありますね。
黒目が可愛い。じい~~っとレオニダスを見つめる目線がなんともいえませんね。
あの妙なメイクを取れば、とっても爽やかなハンサムさんなのですが。
「LOST」で3シーズンにレギュラー参加で、またまた話題になっていますね。

それにしても、ペルシア軍はずいぶんデフォルメされていましたね。
人間とは思えない人(?)とか、動物とか、とにかく各種取り揃えております、といった感じで、次々登場するのは、ほとんどクリーチャーでした。

「トロイ」や「アレサンダー」で使用した武器を、経費節約のために一部流用していると、友人から教えてもらったのですが、予算的にはかなり厳しかったようで、監督はそんな厳しい条件下でほんとうに頑張ったんですね。
裏話とか、メイキングも楽しそうで、今からDVD特典を楽しみにしています。


こちらはデイビッド・ウェナムさん。
かっこいい~♪

の戦いは、300人の戦士が自ら犠牲になることで、あとに続くものへ勇気を与えたんですね。
いろいろな背景はあるけれど、結局そういうことなんだなと思いました。
今でもギリシアのテルモピュレには、レオニダスのブロンズ像があるんですね(甲冑をつけていて、裸じゃなかったけど ^^;)

おそらくは、常にリスクを負い先頭をきっている者こそが、真にこの本質を理解できるのでしょう。
それにしてもレオニダス、友人も熱く語っておりましたけども、はい、もうどこまでもついていきます!(笑)っていう王の風格がしっかりとありました。
そのような素晴しい演技をされたジェラルド・バトラーさんには敬意を表します。

2回目は1回目よりも感動しました。
映像の完成度にいちいち感心しながら、単純化しているとはいえ、物語りもとてもいいですね。
すっかりその世界に入り込んで観てしまいました。
最後のほうでは泣けました。
レオニダスの、
「・・・・My Wife ・・・・My Love.」
のセリフに泣けた、と友人が語っていたのですが、
私も今回、あのジェラルドさんの思いのこもった演技と、声と、そしてそのセリフには泣けました。
しっかり聞いたよーーー!

1回目でも感激した、デイビッド・ウェナムさんのナレーション、そして最後の演説には再び感動でした。ちょっと個性的な声が、とても良かったですね。

娘はやはり、映像の美しさとか、構図の素晴しさに感動していました。
ロドリゴのことも「かわいい」と言って、結構気に入っていました(笑)。

また行きたいです。

地形を利用した戦略も、興味深かったです。
盾の使い方とか、守りの攻撃のしかたも細かく表現していて、なかなか楽しめました。

結局このお話も、「七人の侍」なのかなあと思いました。守りと犠牲の美学。
そう考えると妙にこの作品のツボがくっきりしました。
実際フランク・ミラー氏もかなりの日本贔屓のようです。
サムライの精神世界にも、つうじるものがあるんですね。
赤と黒の色使いなんかも、日本を意識しているように思えました。
フランク・ミラーさんは、結構カメオ出演大好きな人なのですが、今回は出ていらっしゃらないみたい。
次回作に「シン・シティ2」をひかえているとのことで、とても楽しみにしています。