ボーン・アルティメイタム

2023年7月15日

このシリーズは、なぜか映画館で観る機会を逃していて、信頼のおける友人たちに勧められてDVDで前2作を観ました。
そうしたらもう、めっちゃくちゃ好きな傾向の作品で、すっかりハマってしまいました!

非の打ち所がない、というか、実に完成度の高いスパイもの。
もー、こういうクールなアクション映画大好きです!
特に、ストイックで寡黙な男っぽい雰囲気がたまらなくいい☆

マット・デイモンは、本当にボーン本人なのではというほどハマリ役ですね。
知性と冷静さと、鍛え抜かれた精神力と、さらに人間味のある温かな心を併せ持った理想的ともいえるキャラクター。

クールでカッコイイシーンの連続、研ぎ澄まされたセリフと無駄のない演出。
どこをとってもよくできてるなあ~と感心するばかりでした。
しかも、さんざんやりつくされた感のあるハリウッド大作調のアクションシーンを、
きっちり新鮮で観たことがないようにと作っていて、感心します。
たとえばカークラッシュにしても、どういう角度でどう転がって、とかいろいろ細かく研究してるんだなーと思ったり。
建物から建物へと、ボーンが飛んだり走り抜けたりするシーンにしても、撮り方が実に達者で、めまぐるしく動くのだけれども、安定感と品がある映像がさすが。
グリーングラス監督の感性って、知性があふれていて、キリリとしたドライな印象の映像感覚ね、大好きです。
手持ちカメラを使いまくっていて、ライティングはほとんどやらないで撮っているらしく、非常にドキュメントタッチで、臨場感があります。
手持ちカメラを下手な人が使うと、なんとも気持の悪い映像になってしまうものですが、ここまで使いこなしているとさすがだ~と唸るばかりでした。

さて登場人物のカッコよさも見どころですね。
撮り方がいいのもあるけど、皆さんほんとうにかっこいい人ばかりです。
ボーンはもちろん、ジュリア・スタイルズも素敵。
特に、彼女の髪の染め方がお洒落で、行きつけのサロンの美容師さんに「絶対チェックしてね」とお願いしておいたくらい。

それと、いつも殺し屋さんがカッコイイんですよねー。
前回はエオメル……じゃなくてカール・アーバンが良かった。
今回のエドガー・ラミレスもとてもかっこ良かった!

ボーンのキャラクターも、親しみやすく作られていて、とてもいいんですね。
ストイックで、クールに淡々と戦って敵は倒すけれども、
実は優しくて人間味のあるところが親近感をもたせてくれる。

CIAのデヴィッド・ストラザーンも大好きな俳優さんです。
彼が画面に出てくると、知的に引き締まった画になって素晴らしく格調高い雰囲気のお方。素敵です~
あと、ちょっとしか登場しませんが、ダニエル・ブリュールが出るよ~と友人に教えてもらっていて、出てきたときは嬉しかったなあ~。
セリフはほとんどなくて、目で語る演技には感動でした。
また、「ブライアンジョーンズ ストーンズから消えた男」で建築やさんの役がとても印象的だった、パディ・コンシダインの参加も嬉しかったですね。
ダニエルにしてもパディにしても、こういった味のあるヨーロッパの雰囲気の俳優がハリウッド大作映画にちょこっと顔出してます、みたいなのって、独特のスパイスをチョイっときかせてみましたよ~って感じがあって、楽しいし、心憎いですね。

それにしても、この映画に出てくる技術的なことって、もしもほとんど現実だとすると、ああいうこととかこういうこととかは、当然あーなってこうだったんだろうなあ~とか、いろいろと現実と重ねて想像してしまいましたね。

そしてラストシーンのカッコ良さには、やられた!まいった!
よくあんなカッコイイシーンを考えるなあ~と、ここでもまた感心してしまいました。
うーん、とにかくすごい完成度の映画だ~。
グリーングラス監督、恐れ入りました。
DVDは絶対買いますね~。

前作のメイキングもとってもおもしろかったです。
「ええ~そうやってたんですか!」てな感じで(笑)。
CGなどにできるだけ頼らないという作り方がまたいいですね。

ところでこのポスターって、マグリットの絵みたいでおもしろいですね。