現代の情報戦争で苦労するスパイたち『ワールド・オブ・ライズ』

2023年6月22日

現代の諜報活動最前線、という内容で、とても勉強になりました。
難しくなくて、かなりわかりやすく作ってくれてるのも助かります(笑)。
しかしこれ観てると、本当に現代は情報戦争というか、いかに情報を早く正確に伝えるかが勝負になってるんですね。
だから、騙し合いもその情報戦争の戦略のひとつになっているのです。
また、最先端のテクノロジーも色々見せてくださり、それらはすべてリアルなのだそうで、大体知ってはいるものの、ビジュアルで見せられると臨場感ありますし、やっぱり衝撃もかなりありますね。
うーん、ここまで鮮明なのか~とか、うわあ、そうやって簡単に拡大できるんだあ~とかね。

それで、世の中は善悪がめちゃくちゃというか、混合しているというか。
『007・慰めの報酬』の中でも、現代社会は善と悪がからみあっていて、そして両者はお互いを利用しあっているといったシーンがあったことを思い出しました。
何にしても、物事には必ず裏があって裏の裏もあって……。
簡単には決着をつけられないし、判断を下すのも大変。

それはさておき、さすがに巨匠リドリー・スコット監督ですね。
毎年のように映画撮ってますけれどもいつでも完成度高くて素晴らしいです。
映像の上質感を味わっているだけでもかなりのものです。
そして、脚本もよく出来ているので、緊張感にあふれ、見応えじゅうぶんな作品でした。
スコット監督によれば「政治的メッセージはない」のだそうで、なんでも彼は「モロッコで撮影したかった」のと、観客には純粋にスパイ映画を楽しんでくれれば良いのだとインタビューで語っていました。

主演のレオナルド・ディカプリオはCIA工作員役。
かなりの熱演ぶりでした。
現場担当の役なので常に汚れまくっていて、怪我もするし何度も死にそうな目に合うしで、なかなかワイルドな味を出していました。
この役は彼にとても似あっていたし、演技も良かったし、今回はかなりレオのことを見直しました。『ブラッドダイヤモンド』の時とイメージが似てるかも。
看護師アイシャに「男は仕事でなく本質よ」と言われるシーンがあって印象に残りました。大納得。
確かにそうなんだけど、男の口からは言わないし、それにかえって説得力がなくなってしまうのかもしれないなあ。

さて大好きなラッセル・クロウ。
役作りとはいえ、レオに劇中でデブよばわりされていた……。
「ダイエットくらいしろ」とか言われて(笑)。
最後のほうで寿司を食べていましたが、あれはダイエットのつもりなのだろうか……。
しかし太るとクマのぬいぐるみっぽくなるんですよね~♪
現場で動き回るレオの役とは対称的に、あまり動かず、指示を出す役なので、彼のファンとしては次回はもっと動きのあるラッセルを観たいものだなあ、などと思ってしまうのでした。
とはいえ、今回のラッセルはカッコイイ系ではなく、リビングのソファに置いてあるテディ・ベア系でした(笑)。なんとも可愛い人です。

主役の2人の影が薄れるほどに素敵だったのは、マーク・ストロング!ヨルダン総合情報総局局長役です。
とにかく彼のスーツの着こなしは必見。
登場するたびに違う高級スーツをビシーっと着こなしていて、それはそれはダンディで優雅でカッコイイこと!
シャツやネクタイ、カフス、チーフなどのコーディネートもめちゃくちゃオシャレでした!!
彼を観るだけでもこの作品の価値がありますよ、なーんてマーク好きの友人にも話していたくらいでしたね。

ところで原題は『BODY OF LIES』。そのままで良かったのに。またもや謎の邦題なのでした。

 

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Posted by miniaten