ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男

2023年7月15日

原題:Stoned
監督 スティーヴン・ウーリー
脚本 ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
音楽 デヴィッド・アーノルド
撮影 ジョン・マシソン
編集 サム・スニード
上映時間 103分
製作国 イギリスの旗 イギリス

ブライアン・ジョーンズ レオ・グレゴリー 三木眞一郎
フランク・ソログッド パディ・コンシダイン 諸角憲一
トム・キーロック デヴィッド・モリッシー 中多和宏
キース・リチャーズ ベン・ウィショー 津田英佑

ブライアン・ジョーンズのことは、人に聞いただけでほとんど知識なし。

そんな私でも、この作品、大変感動しました。
終わって、心に深く刻まれた熱い思いがありました。
泣いてる女の子もいました・・・。
数日前に、夫がブライアン追悼コンサートのDVDを借りてきてくれて、観ていました。
ミックが、ブライアンのために詩を朗読するんですよね。泣けました。。。
それとは別に、ミックやキースの若々しい王子様ファッションがかわいかったですね~。
フリフリブラウス、流行だったんですね~。

最後のブライアンのセリフ・・・
「ぼくはそれなりに幸せだったんだ。でも、幸せって退屈なんだよ」
このニュアンスはもしかして、
「ありきたりの幸せは退屈なんだよね」
っていうことなんじゃないのかなあ・・・?って終わってからずっとあのセリフが心に残って、考え続けていました。
そして、そのセリフがすごくすごく、心に響きました・・・。

ブライアンがとても好きになれました。

かなり、ブライアンの視点から描いたストーンズであり、また、彼のアーティストとしての生きかたや思考が、きっとここに全てがあるわけではないと理解しながらも、とても共感できるところが多かったのです。

芸術家や、思想家などの人生を描いた作品にはとても興味があります。
何を考え、どう行動し、生きて、死んでいくのか。
そこには必ず、確かに何かを信じた人たちの重さがある。

芸術と商業との兼ね合い、どちらを選択していくのか、それともその合い反する方向性に、どうやって折り合いをつけていくのか・・・。
その問題はいつも私の気になる部分なのです。
先日、ジョナサン・リース・マイヤースの「エルヴィス」を観て、同じことを思いました。
あれはエルヴィスが痛々しくて、胸がしめつけられるのですが・・・。

ジョナサンがかなりカッコイイです!
ロカビリー最高♪

さて、話をブライアン・ジョーンズにもどしまして、
今回、監督を務めたスティーブン・ウィーリー氏は、これがデビュー作だとのことでした。
それまでは製作にかかわってかなりの名作を生み出してきており、キャリアはある方なんですねー。
その映像センスは個人的にかなり気に入りました。
特に、すごく良かったのは、ブライアンが死ぬところで、過去のブライアンの人生の、いろいろなシーンをうつしだす映像。
最高にカッコイイ映像でした。

古い家のインテリアのクラシックな雰囲気と、ちょっとサイケな’60年代メイクやファッションとの組み合わせはすごくオシャレでした。
音楽の挿入のしかたも、とってもいい感じで、主人公のブライアンの思考や心情などがどう変化し、また、どう変化しなかったのかという内面的な演出効果なのではと思われました。

とにかく、衣装を見るのがなによりも好きな私としては、この作品は本当に楽しかった!!
DVDを購入したら、じっくりと観察したいものです。
なにしろ、衣装担当はWorld’s Endのデザインにも参加し、実際にミック・ジャガーやストーンズやカルチャー・クラブなどのミュージシャンたちの衣装を手がけているロジャー・バートンです。
「炎のランナー」にも参加と、キャリアを積んでいる人のようです。
炎のランナーの衣装は、いまでも最高にオシャレだな~と思います!

あとはなんといっても、レオ・グレゴリーの演技が際立っておりましたね。
「フーリガン」のときも、繊細でガラス細工のようなはかなげな演技が印象的でした。
今回も、結構似た雰囲気を持ったキャラクターで、はまり役でしたね。
ただ演技をやってる、というのではなくって、彼の持つ本質的な個性が、ブライアンの天才的な芸術家というキャラクターにぴったりはまっていた気がしました。
きっとファンの方にはいろいろご意見もあるのでしょうけれど・・・。
太いストライプのスーツをクールに着こなすのはかなり難易度高し。
しかしカッコイイですね~~♪

レオ・グレゴリー、かなり気に入りました。
次回はどんな表情を魅せてくれるのか!
すっごい楽しみ♪
「トリスタンとイゾルデ」に出てるらしいので、絶対観なくっちゃ!