映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の時系列順ネタバレ感想
後半は考察大会。いやはやすごい集大成の終盤でした。
でも本当の終わり、そして新たな始まりは、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』なんですよね。楽しみです……。
エンドゲームとは、チェスで大詰めになった、終盤の大局のことを言うようです。
『インフィニティ・ウォー』でのトニーとストレンジ先生の会話でも出てきました。
予告編、初期のものはAのロゴが粉々になって消えていくもの。しかし後で公開されたものは、その粉々になった破片が再び集まってAのロゴを作るというもので、その時点でもうめちゃくちゃに胸アツでした。
そもそも、新宿TOHOシネマズは26日朝の時点で月曜日の午後まで完売。
最寄りのシネコンですら、真ん中は真っ黒になっていました。ヤバイ。
何となく心が半分無くなった状態でこれを書いていますが、まとめるのに苦労するのは明白なので、とりあえず頭の整理のためにも時系列を書き出します。話はそれからだ……。
時系列の整理
・ホークアイと家族……ここからもう泣けてしまった。
[OP]
・宇宙を漂うトニーとネビュラ。感染症もネビュラのおかげで治ったらしい
かれこれ22日経っている。手近にあるもので三角のピースを作って遊んでいる。かわいい。
食料をネビュラにあげようとしたトニー、そっと押し返される。
食料も酸素も尽き、もうダメか、と思ったところに強烈な光――我らがキャロルが来て、そのまま船ごと地球へ着地。パねえ。知ってた。
・サノスが現れて23日が経った。彼は時空のドアを開けてどっか行ってしまい、見つからない。
手がかりはゼロ。トニーも座標などのデータは分からない。ここでスティーブと『シビル・ウォー』を引きずっている諍い。「君はいなかっただろう」リアクターを自ら外すトニー。
ネビュラが、父であるサノスの居る場所を知っていると言う。
調べると、その惑星でストーンを使った形跡がある。確実だ。
・トニー抜きでワープ。サノスが居るという惑星へ。キャロルが偵察に行くが、サノス一人だという。
農園で一人、素朴な暮らしをしているサノス。なんかの実を集め、小屋で料理をしている。まるでテレンス・マリックみたいな映像。もしくはトルストイの小説みたいな雰囲気。
そこへ突っ込むキャロルたち。羽交い締めにしたサノスの腕を、ソーが切り落とす。しかしストーンは無い。ストーンを使ってストーンを壊し、原子へ戻したらしい。ネビュラ「父はウソだけはつかない」
キレたソーが首をはねて出て行く。何の意味も無いと分かっていながら。
・5年後 静かなNYC。残った者たちのグループカウンセリングを行っているスティーブ。
「進むしかない。それが生を与えられた者の使命」
・サンフランシスコのトランクルーム
ボロボロのバン。たまたまネズミがスイッチを押したおかげで、アントマンが出て来れた。
・沢山の慰霊碑がある。スコットは自分の名前を見つけ、驚愕。急いで家へ行くと、成長した娘と再会。
・ナターシャは他のメンバーたちとホログラム通話。他の星でも同じことが起きているので、忙しいキャロルはしばらく地球へ戻れない。
映像を切って、しかしローディが残る。麻薬組織を壊滅させたり、暗殺をしている者がいる。クリントじゃないか? 涙を流すナターシャの元へ、スティーブが現れる。懐かしむやりとり。
そこへスコットが来る。量子物理学って知ってる? 時間の流れがまるで違う
タイムマシンを作れるんじゃないかと思う、誰に相談したらいい?
・田舎で暮らすトニーの元へ。絶対に無理だろと撥ね付けるトニー。「家族ができて怖いんだ」「当然だろう」「もっとデカい脳みそを頼ろう」
・ブルースの元へ。でかいボウルに山盛りのスクランブルエッグ。
とうとうハルクと一体化したブルース。眼鏡。子供たちに大人気。スコットのことは知らない子供たちと写真を撮らせようと気を遣うブルース。必死に断るスコット。痛かわいい。
・モヤモヤしているトニーの家。洗い物をしていると、棚にピーターをアベンジャーズとして迎えた時の写真が。フライデーを起動し、新しい装置でタイムマシンの計算をするトニー。完成。
暖炉の前でペッパーに告げる。全て分かっているペッパー。
・量子物理学バンを使って実験しているブルースたち。どうもおかしい。
そこへ猛スピードでスポーツカーが。時空を超えるGPSを完成させ、持って来たトニー。
「なるべく死ぬな」スティーブと握手して仲直り。ピカピカのシールドをもらう。「これは父が君に作ったものだ」
・ネビュラとロケットが戻ってくる。タコスを食べようとしていたスコット、タコスの中身が風圧で吹っ飛ぶ。変な人扱い。ブルースが食べてないタコスをくれる。かわいい。
・ニューアスガルド。(どこだよ/ノルウェーです)
ヴァルキリーがいる。ビールを取りに月イチしか出て来ないらしい。訪ねに行くと家の中は酷い悪臭。
オンラインゲームとビールの飲み過ぎ、運動しないニート生活のソーと友達(『ラグナロク』から連れてきた岩とちっこいの)。いかにも北欧っぽい編み込みのニットがかわいいソー。
ブルースとロケットに説得されるソー。ブルースが見下ろすとソーが小さく見える。お坊ちゃん育ちだから、一度強敵にやられると、ことごとくへこんじゃうのね。これまでも色々ありすぎたしね……。
・TOKYO(!) 夜の繁華街らしき場所で(カラオケ……?どう見ても日本ではない(笑))ヤクザと闘う暗殺者。どんどん斬っていく。日本刀を構えるヤクザのボス、真田広之!!かっけえ!!!チャンバラのち、無残に散るボス。かっけえ。ローニンと名乗り暗殺しまくっていたのはクリントだった。日本語聞き取れないよクリント。ローニンって何だよクリント。
真田さんめちゃくちゃ一瞬だったけどここだけめちゃくちゃかっこよかった。何だったんだ。しかもAkihikoって……?ヤクザの名前ではない。(笑)
皆を救う方法を見つけたと言うナターシャ「もっと早く来ていれば…」手を取り合う二人。
・アベンジャーズ施設。本作でタイムパラドックスなどの失敗が起きない理由の説明。(※詳しく後述)
ピム粒子は一人一回分しかない。今までの歴史に戻ってサノスの先回りをし、ストーンを集めることに。
ストーンは必ず元の場所に戻す。そうすれば過去は改変されないため未来も変わらない。
・一個目“リアリティ・ストーン(エーテル)”の説明。『マイティ・ソー ダーク・ワールド(2013)』で恋人だったジェーンが体に取り込んでしまったエーテル。ダーク・エルフから追われる彼女をアスガルドへ連れて行き治療した。しかし精神不安定なソー。大丈夫か。
・二個目“スペース・ストーン”はコズミック・キューブというテッセラクトの中に封印され、ノルウェーの寺院に保管されていたが、レッド・スカル(ヒューゴ・ウィーヴィング)に奪われ、1945年頃からシールド(つまりヒドラ)の管理下に。その後ロキに持ち出され、2012年にはNYCにあった。『アベンジャーズ(2012)』
・三個目“タイム・ストーン”は代々魔道師たちが守り続け、ドクター・ストレンジに渡る前は、師匠であるエンシェント・ワンが管理していた。
・四個目“マインド・ストーン”は亡きヴィジョンの額にあった。元はロキの杖の中にあったもので、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でいろいろあってヴィジョンの姿になった。
『アベンジャーズ(2012)』では、 NYCにロキの杖として存在していた。
・五個目“パワー・ストーン”は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でオーブとして出てきた。ロナンが悪用したが結局サノスの手に。とある惑星に厳重保管されている。
・六個目“ソウル・ストーン”は惑星ヴォーミアに保管されており、その場で対価として愛する者を失わなければ手に入れることができない。
・2012年NYCへ向かうチーム、2013年アスガルドへ向かうチーム、2014年モラグへ向かうチームに別れてタイムトラベルをすることに。
・2014モラグへ向かうネビュラとローディ。
一人で歌いながら踊っているクイルを茂みから覗き見「アホか?」「ええ」
ネビュラが同じ時代に二人現れたことで、二人の意識がコネクトし、ネビュラの目から映像が流れてしまう。それを見たサノスはアベンジャーズの未来を目撃する。
・2012NYC。目の前をさんざん暴れまわって通り過ぎていく過去ハルクを見た面々、スティーブが「とりあえず暴れておくか?」と言うが、ブルースはちょっと停まっていた無人のタクシーを凹ませる程度。かわいい。
ロキいじめのシーンを裏から。セプターとキューブを狙うトニーとスコット、待機するスティーブ。
トニー「君の衣装はケツがダサい」「アメリカのケツか」どこ見てんの??
・屋上でエンシェント・ワンと話すブルース。「ワックスかけたてなので滑りますよ」
ストーンを元に戻すからと説得。Dr.ストレンジは考えがあってわざとストーンをサノスの手に差し出したはず。そう聞くとエンシェント・ワンはタイム・ストーンをブルースに託す。
・サノスに、2014モルグにもう一人ネビュラがいることがバレる。
・2013アスガルド。ジェーンを守護しつつ、ダーク・エルフたちの襲撃を警戒している。
ロケット「あのクソ美人、誰?」 ソー「母上……」
作戦を話すロケットと、まるで話にならないソー。大丈夫かこのチーム。何とかなだめすかしてソーをやる気にさせるロケット。「俺はできる。俺はできる。俺は……できない!」逃げるソー。おいぃ。
亡き母の姿を見つけ、後をつけるソー。変わり果てても一瞬で息子の姿に気づき、未来から来たことも悩んでいることも分かってしまう母上パねえ。「ヒーローとは、ありのままの自分を受け入れること」「野菜サラダも食べるのよ」
ジェーン(ナタリー・ポートマン)ゲスト出演。ジェーンからパワー・ストーン(エーテル)を抜き出すことに成功するロケット。
・2012NYC。シールド(実はヒドラ)の作業員、エージェントたちと一緒にエレベーターに乗るスティーブ。セプターが入っているケースを持つ男に、「それは自分が預かる」と言うが、信用されないので、耳元で「ハイルヒドラ(イケボ)」とささやき、事なきを得る。
スティーブVSスティーブが胸アツだった。しかも「バッキーが生きている」と言われ、動揺して隙を与えてしまう過去スティーブ。それを知っている現在スティーブ。うーん尊い……。しかもこれ、ラストシーンへの伏線にもなっている。過去の自分を打ち倒す。
「アメリカのケツか……」どこ見てんの。
いろいろあって(多分ハルクをハブって階段で下ろしたせい)ロキがキューブを奪って消えたため、作戦は失敗。もっと遡ることに。しかしピム粒子は戻る分しかない……。
・1970ニュージャージー(ヒッピーのスタン・リー!奥様と一緒に)
シールドの施設へ侵入するスティーブとトニー。地下でキューブを持ち出すトニー、ハワードと出会う。
若い頃のピム博士を電話で騙し、ピム粒子を奪うスティーブ。
逃げる途中、たまたま身を隠した部屋で、ガラスとブラインド越しにエージェント・カーターを目撃するスティーブ。
・ハワードと話し、別れるトニー。「ありがとう、(僕)国のために尽くしてくれて」
執事がジャーヴィスという名だった(ジェームズ・ダーシー!!!)
・ネビュラVSネビュラ。殺さずに現在ネビュラのふりをする過去ネビュラ。
・2014惑星ヴォーミア。ナターシャとクリント、ソウル・ストーンを求めて山登り。
死神のような案内人ストーン・キーパーがいる。
ストーンを入手したサノスは、ガモーラと共に訪れたが、帰る時はサノス一人だった。ソウルにはソウルを。愛する者を失わなければ、ストーンは手に入らない。
自己犠牲精神の戦いの結果、飛び降りたクリントのベルトにロープをくぐらせておいたナターシャが後を追う。「Let’s me go.」重さと反動で手を放させるナターシャ、落ちる。
ストーンを手にして目覚めるクリント。
・タイムトラベルから戻るメンバーたち。ナターシャだけがいない。何も言わないクリント。悲しむブルース、スティーブ、仲間たち。
・トニーのアイアンマンの技術で、インフィニティ・ガントレットを制作。ストーンをはめ込む。
誰が着けて指パッチンする?→ソーが「俺が一番強いから俺だ」と言うがトニーが必死に止める。
石はガンマ線のパワーだから、ブルースが身に着ければ一番耐えられるだろうと言う。
いざ試す段階になり、トニーが『バーンドア・プロトコル』と言うと、部屋が鋼鉄の扉に守られ、さらに施設全体の窓ガラスも鋼鉄の扉に覆われる。どんなパワーが何を起こすか分からない。ブルースを中心に、それぞれ庇い合うポーズを取り、身構える。
試みは何とか成功し、ブルースの右腕と引き換えに世界の半分の生命が元に戻った。鳥たちがさえずり、クリントのスマホに妻ローラから電話が。
しかし時空を超えてやって来たサノスの急襲に遭い、施設は爆発、壊滅する。
・がれきの下から這い出すスティーブたち。サノスは空いた場所にどっかりと腰を据え、煽るように待ち構えている。スティーブ、トニー、ソーが立ち向かっていく。
ソーは雷のパワーを身にまとい、武装。鎧着るとちょっとシュッとするね……?
・サノスの宇宙船で、過去ネビュラはスパイ活動に出かけた為いない。捕らえた現在ネビュラの監禁部屋へ忍び込むガモーラ。サノスが自分に何をするのか、ネビュラの態度からうっすらと感じ取る。ネビュラを解放するガモーラ。
・ストーン付きガントレットを見つけたクリント、宇宙生物に追われながら何とかガントレットを守り逃げる。使いたいけど使わない、ここですごい葛藤があっただろうなと……。
宇宙生物を弓矢で何とか倒し、逃げ延びるクリント。気付くと目の前にネビュラが立っている。
良かったと思いきや、ガントレットを拾い上げたネビュラはサノスに確保したことを通信で伝えているらしい。様子がおかしいと気付いた時、ガモーラと現在ネビュラがやって来る。ガントレットを手にしたのは過去ネビュラだった。現在ネビュラが「変われる」と言うが、過去ネビュラは信じられない。「父が許さない」過去ネビュラが撃つより一瞬早く、現在ネビュラが過去の自分を撃っていた。
ここ、自分で自分の過去(闇)を打ち倒したという意味だと思いました。すごくかっこいい。
・スティーブ、トニー、ソーがサノスと苦戦している。サノスはガモーラを失う前なので、『インフィニティ・ウォー』のサノスよりも冷酷で傲慢な感じ。
ソー、そんなメタボのアル中でもすごい強いね!?過去から持って来たムジョルニアと二刀流でハンマーと雷を駆使。ずるい。
・盾が半壊してもなお、立ち上がろうとするスティーブ。しかもムジョルニアを使ってみせる。
「やっぱりな!」と言うソー。
しかしサノスは軍勢を呼び出し、力の差を見せつける。
そこへストレンジの作る時空の輪が出現し、ワカンダ軍と魔術師たち、仲間たちが現れる!
「アベンジャーズ、アッセンブル」超かっこいい。
・ペッパーとトニーの背中合わせ!!
そして再会するピーターとトニー。マシンガントークがかわいいピーターを、しっかりとハグするトニー。ハグは嫌いだって『ホームカミング』で言ってたのにね。もう。泣けます。
・過去ガモーラとクイル……愛するガモーラに再び会えて嬉しいクイル、股間を蹴り飛ばされてもんどり打っていました。可哀想に。でもジョークを飛ばすくらいには元気みたい。呆れるガモーラと、淡々とした現在ネビュラ。いい感じに関係が築かれているw
・スカーレット・ウィッチVSサノス。愛する者を失ったパワーは、めちゃくちゃ強い。
・リレー形式でインフィニティ・ガントレットを死守。
クリント→ブラックパンサー→スパイダーマン→キャプテンマーベル
ピーターが頑張っている時、サノスの宇宙船から砲撃されまくってヤバかった。しかしその宇宙船を突破して撃墜した宇宙最強の光!フォトンブラストを纏ったキャロル!もっと早く来て!!
それを見ていたロケット、思わず「たまんねえな」と呟く。これ、字幕なんですけど、英語は確か「Oh Yeah.」だったと思うんですよね。林宗治さんとブラッドリー・クーパーに拍手。ほんと「たまんねえな」って感じだった。
ドヤ顔キャロルおねえさんに「それ私が運ぼうか?」とか言われる涙目のピーター可愛かった。
・女性部隊集結!!圧巻。
・しかしサノスは強い。キャロルでさえふっ飛ばされてしまい、ガントレットがまたもやサノスの手に。
Dr.ストレンジが津波を止めながら人さし指を一本立てる。(目で会話するホームズ組、かっこいいやめて)
それを見たトニーは、サノスに向かっていき、組み合った隙に右手をガントレットと入れ替える。そういえばアイアンマンの技術だった。
わざわざソーをメタボのアル中にして、キャロルに「しばらく来ない」と言わせ、ハルクを理系にして、太い腕に装着するシーンをじっくり見せたのはこのためだったのか。衝撃。
・トニーが指パッチン。「I’am Ironman.」
サノスとサノスが連れてきた敵たちが消えていく。サノスは黙って、静かに腰を下ろす。そして最後にゆっくりと消えていく。最期まで渋い……さすがジョシュ・ブローリン。
焼けた右腕を垂らしぐったりとがれきに寄りかかるトニー。駆け寄るローディ、ピーター。
「勝ったよ!スタークさん!あなたが勝ったんです!!」叫ぶピーター……
ゆっくりと近づき、「眠って」と微笑むペッパー。消えるリアクターの光。
トニーが逝ってから泣き崩れるペッパー。映画館も水を打ったように静まり返り、BGMが静かに復活。
暖炉の前での「(このままでは)眠れないでしょ?」というセリフの、答えがこれではあまりにもつらい。どうしてアイアンマンは死ななければならなかったのか。ブルースと同じように引退でもいいじゃん。天才的な頭脳を持っているのだから、まだまだ居てもらわなくちゃ困る。あれほど子供のためにと考えていた人が、娘を置いて……ここまでしなくてはいけないのか……。
しかし葬式追悼シーンで顔アップになるべき長官が、後ろの方にひっそりと立っていたので、なんか含みがある……?コールソンのパターン……?それはそれでやめて……??
・クリントとスカーレット・ウィッチの会話。「ナターシャに伝えたかった」「きっと知ってるわ。彼も知っている」身を寄せ合う二人。
・「トニー・スタークにも心があった」と書かれたリアクターが花輪に乗って流れていく。それを見送る喪服の面々。あれっ、キャロルの前に立ってる可愛い男の子、誰?と思ったら、ハーレー・キーナーだそうです。やば……。
・ニュー・アスガルドはヴァルキリーにぶん投げ、ガーディアンズと自分探しの旅に出るメタボ・ソー。
相変わらず勝手に対抗意識を燃やしているクイルと、全く気にしていない(ボスの意味も分かってない?)ソー。
・スティーブは約束通り、ストーンとムジョルニアを戻しに過去へタイムトラベル。
ブルースは自分が指パッチンした時、ナターシャも戻すよう願ったが、叶わなかったと告白。
彼が何年かかってもこっちでは5秒くらい。
しかしスティーブは老いた姿で戻ってきた。真っ先に気がつくバッキー。うっ……。
失われた70年を謳歌し、悔いのない人生を全うできたスティーブ。ピカピカの盾はサムへ。その手には結婚指輪が。
回想、こじんまりした素敵なおうちで、約束通りダンスを踊る幸せそうなスティーブとペギー・カーター。
終わり。
エンドクレジットの後に映像は無し。
ただ、アイアンマンが最初にマスクを自作していた時のような、金属を叩く音が聴こえた。
アイアンマンに始まり、アイアンマンに終わったということだろう。
『エンドゲーム』における時空理論のルール
いきなりタイムトラベルものになるなんておいおい……と思ったけど、よく見たらキレイにまとめていて、広げまくった風呂敷をちゃんと畳んでいた。すごい。すごすぎるよルッソ兄弟。
マーベル作品はマルチバース方式で、パラレルワールドが分岐する世界ですが、それをそのまま適用すると今回は「じゃあサノスAを倒してもサノスBが来ちゃうのでは?」「他の世界線でもストーンを集めなくちゃいけないのでは?」という無限ループになってしまいます。
しかし今回の時空理論ルールは、タイムパラドックスが起きないよう、ちゃんと作中で説明がなされている通りです。
それは主に
1:過去を変えても未来は変わらない。過去に自分が行けば、その過去は自分の未来になる。
2:ストーンを持ち出すと時間の流れが乱れ、一つの世界線が分裂し始める。
という2つのルール。
ですから、ストーンを戻せば世界線は分裂しなくて済むので、『他の世界線のサノス』や『ストーンを奪われてしまう世界線』は発生しません。失敗する世界線は発生しないのです。ブルースが言っていましたね。
だからサノスAもサノスBも倒し、ネビュラは自分殺しをしても消えないで存在できるということですね。
サノスとストーンに関わった死も、取り消すことはできません。
ただ、ロキに関しては、今後何かで出てくる可能性はあるかもしれない含みを持たせていたと感じました。
ソーがあんな中途半端な状態でガーディアンズと共に宇宙へ旅立ったため、ロキが関連する可能性は高いですが、死んだままなのか、そうでないのかは、分かりません。
作中で「今までのSFモノは間違ってる」なんてセリフがありましたが、あれはSFオタクジョークです(笑)
SFモノはその作品内でのルールによって成り立っています。全て架空のことなのですから、あーだこーだと考察して、楽しみたいですね。
しかしスティーブといい、ネビュラといい、過去の自分と戦って打ち勝つというシーンが二箇所もありました。
過去を変えても未来は変わらない。過去に自分が行けば、その過去は自分の未来になる。
これが本作のテーマの一つだったんですね。
今後の展開について
気が早すぎるんですけど、あまりにも悲しいので妄想してないとやってらんなくて。
例えば13年後。ピーターが29才になると、モーガン・スタークが17~18才くらいになってて。
『キック・アス』のクロエちゃんみたいな、超絶美人の天才JKお嬢様ヒーローがニュータイプ・アイアンマンスーツでNYCを席巻してくれちゃうのでは!???
保護者が逆転してしまうのでは!!????見たいぞ!!!!!!!!!!!
ソーは中途半端になってしまったまま終わったので、しかも映画第三弾が待機しているというガーディアンズと共に旅立ったので、まだ彼の話は見られるのでしょう。
体だけではなく、心身共に成長して、雷神ソーとして完全覚醒してほしいです。
その話にはロキが必要不可欠だから、スペースゴーストでもなんでもいいから出てきてほしいな~。
ロキも兄上が「うちの弟がほんとすいませんでした!!」つって一緒にタイムストーンでアスガルドへ帰り監禁されるはずが、キューブ持ってどっか行っちゃったし。
ソーの世界線だけめちゃくちゃになっちゃったんじゃない……?だからメタボになったの……??ロキのせいで……???(希望的観測だけで話すな)
やっとウルヴァリン込みのX-MENをリブートできるっぽいので、新しいウルヴァリンと共に立ち上がるX-MENと、スパイダーマンを中心に展開していくのかなと期待しています。
デッドプールとヴェノムも関わってほしいけど、アベンジャーズにはならなそうな……(笑)
常識を逆転させ破壊した当たり前のヒーロー像
今回のヒーローたちの変化について、あるポイントから見ると、なるほど……と思ったので。
それは『逆転』と『今までのヒーロー像の破壊』。
・ソー→メタボでニートでアル中のマザコン。金髪碧眼の白人で鍛え抜いたボディを惜しげもなく晒し、戦い続けるヒーロー……の像を、これでもかってくらいに崩した。神なのに!
それでも稲妻パワーとストームブレイカーと二刀流で普通に激強なの、ほんとチートだよね……w
・ナターシャ→自己犠牲。これは普通、男性が多かった。子供を産み育てる側の女性が犠牲になるということは、ほとんどなかった。
・スティーブ→普通の人生を送る。ヒーローにはあり得ない人生。
・トニー→死亡。特にアイアンマンは、生き抜くことで始まり、戦い続けてきたヒーロー。それが今回は意外な結末。ただ、トニー・スタークはナルシストの面もあるので、納得させられもする。
・女子部隊→男性ヒーロー部隊の逆バージョン。分かりやすい。守られる側の女たちも戦い、結束している。
などなど……。
特にソーを中心に、メンタルの弱さを描くことで、人間らしさを表現しているように感じた。
監督たちや制作陣もアメリカのオタク男子たちの一員だと思うんだけど、自虐ネタも入っていたのかなぁなどと邪推。