エレクション

2023年7月15日

原題:黒社会 英題:Election
監督 ジョニー・トー
脚本 ヤウ・ナイホイ
イップ・ティンシン
撮影 チェン・チュウキョン
上映時間 85分
製作国 香港の旗 香港

ディー レオン・カーフェイ 堀内賢雄
ロク サイモン・ヤム 原康義
ジミー ルイス・クー 宮内敦士
フェイ ニック・チョン 三木眞一郎
ソー チョン・シウファイ 加藤亮夫
ダイタウ ラム・シュー 石住昭彦
トンクン ラム・カートン 咲野俊介

いやー・・・良かったー・・・。(しみじみ)

ノワール大好き、ジョニー・トー大好きですからね、
大喜びで行って参りましたラブラブ

ノワールといえば、先日の「あるいは裏切りの犬」も最高でしたけど、この「エレクション」も素晴らしいです。

「インファナル・アフェア」も大好きですから、「ディパーテッド」も行かなくちゃ~と思っていたのですが、インファナル大好きの友人に止められましたね。
行かないほうがいい、と。
「トニーが死んだときあんなに切なかったのに、デカプが死んでもちっとも切なくないの」
・・・・納得。この言葉に妙~に納得してしまいましたね。
ちなみに彼女はトニーの大ファンなんですね~。
そこまで言われて行く気にはなれず、もちろんDVDも買う気になれないし、いずれTV放映されたあかつきには、もしも忘れてなかったら観てみようかなと(笑)。

そんなことより、この「エレクション」は最高の出来栄えでした。
前回はねー、トー監督、「柔道龍虎房」という、柔道一直線もの、ちょっと脱力系だったで・・・ー。

今回はかなりマジに作ってくれてて(笑)、大感激ですよ!

香港最大の裏組織、和連勝会では、2年に一度の会長選挙が行われ、その候補者をめぐって内部では血なまぐさい争いが・・・。
すごく簡単に言うと、こんなストーリーです(笑)。

主役はサイモン・ヤムとレオン・カーファイ。
切れ味のいい刃物のようなクールなナイス・ガイの2人、ダークな魅力がたまりません。
うーん、やはり香港の、この暗い雰囲気はハリウッドでは出せないでしょう。
タランティーノの「今年最高の1本!」というベタ褒めコメントがありましたが、まさに彼の好みのスタイル。
とっても危険な男たちの香りがぷんぷんと漂い、緊張感の連続で、ドキドキしっぱなしでした。

いつものことながら、トー監督はカメラワークが素晴しい。
今回、思わず、おお~~~と見入ってしまったのは、おそらく自然光で撮ったのでは?と思わせるシーン。
人物の顔が逆光になってて真っ黒だったり、部分的にやわらかい光があたってたりするんですね。
いやー、すごい。
逆光がお得意と見えて、使いまくってましたね。
それも最高のカメラアングルで。
夜のシーンなんかも、やはり、いいですね~。
人物がシルエットになるところなんかも、すごく綺麗。
あと、俯瞰で撮るシーンも多用するんですが、これがまたうまい!
トー監督の映像センスは、毎度のことながら勉強させてもらってます。

それに、今回は脚本もすごくよくって、ラストまで息もつかせず連れて行かれたかと思うと、最後にまたうわあ~~~!っとやられました。
人物描写も押さえ気味の演出が渋い。
また、トー監督独特のユーモアというのか、悲しみと可笑しみとが入り混じった、なんとも表現しがたい人間の感情、あの微妙さを出すのがお得意ですね。

面白かったのは、会長になるためには「竜頭棍」というアイテムが必要なんですね~!
それをめぐってまた、激しい戦いが・・・。
それから、会長の儀式がまた興味深かったです。
17世紀に結ばれた秘密結社以来受け継がれているというから驚きでした。

それから、さすが香港、食事シーンの多かったこと。これは楽しかった。
しかし、弁当とレンゲで食べるんですねー(笑)。
大事な会議中に、静かにお茶をたしなむシーンもおもしろかった。
そういえばイタリア人マフィア映画も食事シーンが多いですが、なにやら共通点がありますね。

しかし、私が非常に気になった俳優さん、黒社会のドンであるタン役のウォン・ティンラムには参りました。あの貫禄。
本物のドンの風格でした。
こちらの、向かって左の方(笑)。
手をつないでいるように見えますが・・・それにしても、こう黒服で並ぶと、思いっきり香港マフィアですよね・・・

こちらは、香港版のDVDでしょうか?

しっぶーーーーい!!

どうやら「エレクション2」があるようで、早く観たいです。

ジョニー・トー、大好き♡