クリスマス・ストーリー

◆作品情報
  
 原題:Un conte de Noël
 製作:2008年フランス
 監督:アルノー・デプレシャン
 脚本:アルノー・デプレシャン、エマニュエル・ブルデュー
 撮影:エリック・ゴーティエ
 音楽:グレゴワール・エッツェル
 
 キャスト:カトリーヌ・ドヌーヴ
  ジャン=ポール・ルシヨン
  マチュー・アマルリック
  アンヌ・コンシニ
  メルヴィル・プポー
  エマニュエル・ドゥヴォス
  キアラ・マストロヤンニ


大好きなマチューがフランス映画で主役だなんて。どうしても行かなくちゃと思ってました。

とにかくクリスマス・ストーリー一番楽しみだったのは、マチュー・アマルリックが出ていることでした。
まさにこれは、マチューを観る映画でしたね。


後ろの席に、フランス人のカップルがいて、マチューがなにかやるたびに大笑いしていました。
確かにおかしくて、我々もクスクス笑いはしていたんだけど・・・、フランス的には大ウケだったらしい。
それかマチューのファンかな。


予告編観た時から気になってしかたがなかったシーン。
ワイヤー使っているのでしょうか。
ありえない倒れ方だし、あの格好でまともに倒れたら、顔が大変なことになりますよ~
あとでマチューは、絆創膏を貼って出てきたけど、あんなものじゃすまなくて、ものすごく顔がはれ上がるんじゃないかと・・・。


執事のようにこまめに働くお父さんも良かったなー。

隣はエマニュエル・ドゥヴォス。
「ココ・アヴァン・シャネル」では女優さん役でした。
今回はマチューの彼女役。

家族で「十戒」を観るシーンでは笑ってしまいました。


インテリアやクリスマスの飾りつけなど、とても素敵でした。
なんだか本当にどこかの家におじゃましているような気分でした。
アットホームな雰囲気の出し方がとても素晴らしいのです。

なにげない家族の風景を、さりげない演出で見せながら、それぞれの登場人物の内面に、じわーっと入っていくのが凄いです。

なにげない表情や言葉の美しさに引き込まれてしまいます。
表面的には決して仲良くしているわけではなくむしろ戦争やってるみたいな家族。
でも、血のつながりはふしぎ。そして、クリスマスという魔法・・・。

興味深く観ていたのは、負の感情や、負の出来ごと。
それを映画の中で表現していくことで、その逆の、プラスへと変わっていくところ。
それは、明らかに変わった!という感じではなくて、実に微妙な表現であるため、実に自然というか、リアルだなあと思いました。
現実の中では、気づかないうちに変わっていた、ということがほとんどだから。
また、一見マイナスに見えている出来ごとが、実は素晴らしいことだったりね。

そして、なにげないシーンで終わっていく。
ああ、フランス映画っていいなー・・・と思う。


「慰めの報酬」で悪役だった時には、なんてまあ可愛い悪役さんなんでしょうねえ、と思ったものでした。

今回もお茶目で可愛いマチューが観れて、大満足でした。
外壁降りるシーンなんか、最高でしたね。

きっと、毎年クリスマスになると観たくなるんだろうなあ・・・
そういう映画がまた1本、増えました。

マチューの監督作品も早く観たいなあ。