映画『パフューム ある人殺しの物語』の感想

作品情報

 時間:147分
 原題:Perfume: The Story of a Murderer
 製作:2006年ドイツ、フランス、スペイン
 原作:パトリック・ジュースキント『香水 ある人殺しの物語』
 監督:トム・ティクヴァ
 脚本:トム・ティクヴァ、アンドリュー・バーキン、ベルント・アイヒンガー
 撮影:フランク・グリーベ
 衣装デザイン:ピエール=イヴ・ゲロー
 音楽:トム・ティクヴァ、ジョニー・クリメック、ラインホルト・ハイル
 演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮:サイモン・ラトル

 キャスト:ベン・ウィショー(佐藤淳)
ダスティン・ホフマン(谷口節)
アラン・リックマン(五王四郎)
レイチェル・ハード=ウッド(世戸さおり)
ジョン・ハート(納谷六朗)

予告編

素晴しい「体験」でした(・∀・)!!

「香りを映像で表現」???

実はちょっと「えー?」と疑念を抱いておりました。

それに、原作も読み終わってないままに
公開されてしまい、なのにもかかわらずさっさと行ってきてしまいました(苦笑)。

なんたって前代未聞、ラトル&ベルリン・フィルが映画初参加だし、ティクヴァ監督はつい最近観た「ラン・ローラ・ラン」ですっごくいいお仕事ぶりを披露してくれてたし、
それに、主演は最近大・大注目のベン・ウィショーです♡

もう、これだけ好きなもの並べられたら、観る前から期待するなっていうのが無理というもの。

しかし、香りを映像で、ねえ・・・
実際、不安と期待が入り混じっていました。

それがまあ、なんと!!
期待どおり、いえ、期待以上の出来栄えでした!!

これは本当にすごい体験でした。
今まで観たことのない映画でした。

香りが、まさに画面から、音から、漂ってくる感覚なのです。

ずっとドキドキしっぱなし。
この感覚ってすごいです。

完璧な右脳型映画です。
左脳は、家に置いていったほうがいいですね(笑)。
感覚で観る作品です。
そして観るほどに、五感が研ぎ澄まされていく素晴しい感覚を味わうのです。

こんな快感があるでしょうか。

観終わったあと私の脳は、グルヌイユの作った香水にどっぷりと浸りきっていました。


ベン・ウィショー、素晴しかった~~♪
予告編で観た感じで、すごく期待していましたが、
天才変態っぷり、そして動物的なまでに敏感で繊細なグルヌイユの感性を、体中で表現していました。
凄い人です・・・こちらの内面をえぐられるような演技でした。


コチラ、ダスティン・ホフマン。
ちょっとコミカルな雰囲気がお茶目でした(笑)。
でもさすがに、雰囲気の出し方がうまい。最高!


アラン・リックマンも当然のことながら素晴しかった~
彼の雰囲気も、話し方も、顔の表情のつくりかたも、
ほんとに素晴しい。

重要人物であるローラ役、レイチェル・ハード=ウッド。
なんと彼女、「チーム★アメリカ/ワールドポリス」や「マシニスト」が好きだそうで!
お若いのになんという素晴しい感性の持ち主。
それにしても、美しい・・・キラキラ
「保存」しておきたい気持ちになりますね。危ない危ない。
この危険な美しさは、ホラー映画も似合いそうです。


衣装もすっごく良かった。
色彩感が素晴らしいです。
この、淡いグリーンのドレス、素敵でした。
あと、グルヌイユが最後のほうで着る、鮮やかなブルーの衣装にもうっとり、見とれてしまいました。
衣装担当はピエール・イヴ・ゲローで、色彩感覚に加えて、デリケートで美しいラインの出し方とか、ディティールの繊細な表現力に思わず見入ってしまいました。

最初から最後まで、息を殺すようにして見入っておりました・・・

ちょっと気持ち悪いかも?なシーンもあるのですが、この監督って、悪趣味じゃないんですね。すごくいいご趣味なんです。
シュールリアリズム的な美術感覚の人だなーと思って観ていました。
気持ち悪いものを悪趣味にならずに表現できるという人は、なかなか希少です。
このへんのさじ加減は、いいです。すごくいい感じでした。


こんなポスターもありました
わー変態ちっく(笑)

鼻が強調されていますね。
フランス語で、鼻のことを「nez (ネ)」といい、
調香師のことを「le nez(ル・ネ)」と呼ぶそうです。

ひとつだけ、ちょっとだけ不満だったのは、
公開前にさんざん、自宅の真空管アンプでサントラを聴きまくっており、BPO&ラトルの素晴しい音を、耳に記憶していたため、
劇場の音には「あれ・・?」と思ってしまいました。
オーケストラの、深みが再現されていない!
弦が響かない!
これって、THXの弱点かもしれませんね。
なんか、音がガチャガチャしてるんです。
爆発音とか、効果音にはその威力を発揮するのかもしれませんが・・。
この件については実は最近、私の友人K殿(クラシックオタク)が、THXについて不満だという話をしていたもので、今回はそれを確認できました。
他の音響でもいろいろ試してみたいと思います。
「ドリームガールズ」で頭痛がしたのも、THXのせいかもしれないなあ。。

まあ、とにかく!!「パフューム」は個人的に殿堂入り決定です
当然、公開中にまた劇場へ行きますし、
死ぬまでに(笑)きっと何度も何度も何度も観ることでしょう。

最高に脳が刺激される作品です。

あ~気持ち良かった~~

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