マッチポイント

2023年7月15日

ウッディ・アレン監督作品はいくつか、しか観ていませんが、マンハッタンの都会的な雰囲気の出し方とか、インテリ風のこねくりまわした言い回し(笑)とかがおもしろくって、結構好きでした。

監督はずっと、マンハッタンでの撮影をやってきて、今回初めてのロンドン・ロケを敢行したサスペンスということでした。
イギリスの上流社会を舞台に、野心家の男を、最近人気急上昇中のジョナサン・リース・マイヤーズが演じる(イケメンさんで、お気に入り♪)。
トントン拍子に地位と財産を手に入れるけれど・・・。てな感じ。
これ、ねたばれしちゃうと面白くないので、さらっと雰囲気だけ書きますね~。
なにしろ、先が気になって気になってしかたがなくって。
で、話が進んでいくと今度は、予想を裏切る、裏切る。
面白かったですね~~♪

舞台がマンハッタンでなく、ロンドンというのも新鮮でした。
ラルフローレンやカルティエといったゴージャスでセレブな店構えを初めとして(やっぱり上流階級だしね)、ロンドンの街並みをアレン監督の視点で魅せてくれて、それはやっぱり彼独特のセンスにあふれていて楽しかった。

冒頭でドストエフスキーを読んでいるクリス、意味深でした。
これは「罪と罰」に重ねているんですね。
上昇指向の強い人って、時々大きな過ちを犯してしまうんですよね~。
アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」なんかも思い出します。
悲劇は悲劇なのですが、アレン特有の軽妙なコメディセンスで、重くならずにさらっとしてるあたりは実に好印象。
時々、クスッと笑わせるところはあるけれど、これはコメディではないのです、決して。
観客をハラハラさせるのは、いつもの彼の得意技!
ああああ、あんな手つきで大丈夫なの?!とか、
あとバッグとかポケットの使い方に注目!
ポケットを使った演出、あれは最高にうまいと思ったところ。
そういった演出のセンスとテクニックの巧妙さにはさすが!と何度もうなりました。

あとはやっぱりアレン監督って、のめりこまない、一歩ひいたクールな視点がいいんですね。
ヒューマンでホットなんだけども、突き放したようなとらえかたがなんともブラック的で、いいなあと思います。

スカーレット・ヨハンソンもハマリ役でしたし、上流階級の家族の描き方も、なかなか良かった。
とくにハンサムな兄役のマシュー・グードが素敵。

最後は拍手喝采でした。是非是非オススメします。

監督 ウディ・アレン
脚本 ウディ・アレン
製作 レッティ・アロンソン
ギャレス・ワイリー
ルーシー・ダーウィン
製作総指揮 スティーヴン・テネンバウム
撮影 レミ・アデファラシン
編集 アリサ・レプセルター
公開 アメリカ合衆国の旗 2005年12月28日
上映時間 124分
製作国:イギリス、アメリカ合衆国

ジョナサン・リース=マイヤーズ(内田夕夜)
スカーレット・ヨハンソン(北西純子)
マシュー・グッド(髙階俊嗣)
エミリー・モーティマー(安藤麻吹)
ブライアン・コックス(稲垣隆史)