新国立劇場:「蝶々夫人」

2020年9月12日

プッチーニのオペラ「蝶々夫人」を鑑賞。

あまりにもポピュラーすぎて、CDも持っていませんでした。
そして通しで観たのは今回初めて。
日本人の視点からだと、例によっていろいろとツッコミどころ多し、なのですが、言わぬが花。

涙なくしては観れないですね・・・

特に、あの有名な2幕の蝶々夫人のアリア「ある晴れた日に」。
泣けます。

せめて、手紙の内容も知らず、子供と2人で死ぬまでピンカートンを想いながら待ち続けたほうが幸せだったのかもしれないなあ、、、などと考えてみたり。
でも、芸者生活をしながら子育ても大変だし・・・

彼女の真っ白な着物が、無垢な心を表しているようでした。

今日は主要キャスト以外は日本人だったので、着物を自然に着こなしていて、なんだかほっとするものがありました。
日本人て、いつの時代も着物が似合うものなんですね。
やはり、ちょっとした仕草などに和の心が自然と表れているもので、そういう部分にふれるとき、伝統とか民族的なものは我々の中にひっそりと息づいているものなのだな、と思うのです。
そんなことを思いながら私も着物が着たくなりました・・・
しまい込んでいるままの着物はどうなっているかしら・・・
かつてはお正月っていうと、家族で着物を着て過ごしたものでしたが、パン屋を始めて以来そんな余裕もなくなってしまいましたね。

着物を着て、身体を動かす時の布がふれあう音が好き。
草履を静かにはたはたとさせるのも。

話がそれてしまいました。

ところで今日の客層はいつもよりぐっと年齢層高めでした。
和風というとこういう客層になるのかしら。
客席に白髪が目立っていましたね。
おそらくほとんどが70歳以上なのでは、という雰囲気で、老カップル多し。
かなり場内は落ち着いた上品で静かな静かな、とても鑑賞しやすい環境で、良かったです。
前回のバレエの時は悲惨な思いをしたので、今日は平和に感謝。

プッチーニの音楽の美しさには、酔いしれるばかりでした。
しかし、着物でイタリアオペラって、プッチーニさんも大胆ですね(笑)。

ゴローさん役の松浦健さん、長い羽織にハンチング姿が可愛いかった!