コジ・ファン・トゥッテ

2020年9月9日

サントリーホールでオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」を鑑賞。

本作はモーツアルト&ダ・ポンテ三部作の3回目。
昨年サントリーホールでの「ドン・ジョヴァンニ」があまりにも素晴らしくて忘れられず、ずーっとずーっと前から楽しみで、今日の公演は気合い入りまくっての鑑賞でした。
なにしろチケットは発売と同時に購入し、最前列をゲット。
昨年は席に満足がいかず2度観ることになった、ということがあったため、思い残しのないように出来る限りの良席をとることにしたのです。

今日も本当に良い舞台でした。
特にお気に入りはバリトンのマルクス・ヴェルパ。
バスのエンツォ・カプアノも素晴らしかったし、それにすごく艶っぽい声のテノール、フランチェスコ・デムーロもすごく良かった。彼はとても注目されているようです。
コジ・ファン・トゥッテというのは、「女はみんなこうしたもの」といった意味で、恋に浮かれる若者たちに、現実を見て、人間の良いところも悪いところも受け入れていくのだ、といったようなことがこめられている作品です。

物語はまさにラブコメ仕立て。
ランラン♪と、思わず口ずさんでしまうようなウキウキとしたイメージのモーツアルトの曲にのせて、結婚前の男女2組のカップルの、恋愛劇が展開されます。

なごやか~に笑わせながら、実はかなり人間の深層までするどく語られるダ・ポンテの脚本は本当にお見事。
それと、人が騙されていく過程をはたから見てるのって面白いんですよね。
だますほうはどんな手法を使っていくのかとか、だまされる方の心の変化を見て行くのが楽しいのです。
必ず、変装が入ってくるから笑ってしまいます。
どうして気付かないのかしら~、なんて、苦笑しつつ見ています。
あああ、とうとう騙されちゃった・・・。
てな具合いに、2幕に入るとかなり引き込まれてしまいます。

物事のとらえかたは人によって様々だけど、良い方向に物事を考える人は、きっと良い人生を送ることができる・・・。
そんな感じのメッセージが心に残りました。

なんだか今日はふと
ああ・・・やっと、集中力が戻ってきた感じがするな。
自分が自分でいられる、と思えて嬉しかった。