メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬

ずっと気になってはいたのですが、まだまだやってくれるだろう、と思っていたら甘かった。
じゃんじゃん次の作品が控えているから、最近の上映期間は短い。
最終日の夜にあわてて、恵比寿までひとっ走り。
こんなにまでして来て、ハズレだったらどうしよう・・・と内心不安だった。
でも、そんな不安はすっとんで、実に面白かった!
トミー・リー・ジョーンズ、やっぱり只者じゃなかったのね。

女も出てくるけど、男の熱い友情物語。
男臭くて、すっごく渋い作品です。好きですねーこういうの。
ベタベタしてなくて、乾いてるのね。気候のせいなのかしら(笑)

前半は、メルキアデス殺人事件の雰囲気で、ちょっとサスペンスなんだけど、後半は、ロード・ムービーとなり、死体とともに旅の仲間、って展開(笑)。
何が何でも約束を果たすために、メキシコまで何日もかかって死体運ぶなんて、うっそーありえなーい(笑)
のですが、道中はその死体さんがかなり笑わせてくれたり、そんなブラックな部分もあり、本来はシリアスに終わる重いテーマを、笑いでなごませて、温かみのある作品に仕上がっていました。

そう、やってる当人たちは必死で大真面目なんだけど、はたから観てると笑ってしまうっていうのは、よくあることだけどやっぱり楽しい。

その昔、テックス・メックスっていうファッションが流行ったことがあって、なかなかイカしてた。
音楽とか料理もあるようですね。ようするにテキサス&メキシコなわけです。
こういう、異質の文化が混ざり合うところというのは実におもしろいと思うのです。
TVがよく出てくるのですが、メキシコ人たちが、英語全然わからないのに、アメリカのドラマ観てたり(しかも屋外で)、ヘンテコな宇宙モノ(?)観てたりするシーンが笑えた。

ジョーンズはクリント・イーストウッドに影響を受けているのでしょうか、馬に乗って、飄々と足場の悪い崖を行く姿、イーストウッドのマカロニ・ウエスタンを思い出しました。
ジョーンズ自身、テキサス州の生まれで、現在も広大な牧場を所有しているとあって、実にウエスタンのイメージになじんでるんですね。
自然体な感じで、観ていてほっとします。
彼の、力の抜け具合はとっても良かった。
あと、マイク・ノートン役のバリー・ペッパーも、良かった。
苦悩と人生の悲哀を身体で表現してましたねー。結構笑わせてくれるし。
それから、盲目の老人役が強烈に印象的!
もと、ザ・バンドのドラマーの方だそうで。すっごい渋かった~。
あの爺さんのエピソードはちょっと切なかったけど・・・。

終わり方も実にいい感じ。感動しました!

音楽もとてもかっこよくて、サントラを購入しました♪

メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 スペシャル・エディション [DVD]
トミー・リー・ジョーンズ (出演, 監督),‎ バリー・ペッパー (出演)