デイジー

さて、頑張って行ってきました(笑)。
なにしろ、前回、消しゴムの映画で散々な目にあって、もう2度と韓流は嫌だ!
と思っていたのです。
よくもまあ、あんなベタベタなので泣けるもんだと、私は世間に冷たいまなざしを向けていた。
しかし、監督の名を知って、突然行く気になってしまったのですねー。
結論として、行ってよかった。

さすが、アンドリュー・ラウ監督です。
時間軸が交差しながらパズル状にシーンが展開していくところ。
また、2人の立場の違う男の、対照的な描き方。
人物描写もすごくうまいなと思います。
人間の内面性を、男っぽい視点で見つめていくところとか。
そして、スタイリッシュでクールなカメラワーク。
アクションシーンも、緊張感があって、ほんとにかっこいい!
広場の銃撃シーンも良かったけど、階段を効果的に使った銃撃戦もすっごく良かった。
音楽の使い方、小道具などの演出。
ハードボイルドなドラマの中に、花というソフトな演出を巧みに使い、それがヒロインのイメージとも重なって、とてもよかった。
殺しの依頼にも花を使うところなんかも、おもしろい演出。
オランダの街もすごく美しくて、建築やインテリアのヨーロッパ的重厚さが、この作品に奥行き感を加えているように思った。
う~~ん、やっぱりさすがです。いろいろな角度から。

ハードボイルドなチョン・ウソンも堪能できましたし。
この殺し屋さんは、ほとんどストーカーです。
ガーデニングしたり、メチャへたくそな絵描いたり、クラシック聴いたりしてるという、人間臭いところがとても親しみを覚えるという人物。
でも、殺しの仕事はきちんとやってます。

ヒロインのファッションがとっても良かった!
ロハス風というか、すごくオシャレで、すぐに真似したいコーディネートばかりで、楽しませてくれました。
チョン・ジヒョンもおしゃれな人なのでしょう、着こなしがうまい。
このヒロインは戦わないけれども、結構強い、しっかりしたイメージがあって、良かった。

男の友情が・・・泣かせますねー。
イ・ソンジェはちょっと平田満似なところがあったりして一見優男ふうなのですが、すごくいい演技をする人でした。
いやあ、なかなかですよ、この人。

しかし、ファッションとかは全ておしゃれにまとまっているのに、チョン・ウソンの髪型は依然として寝起きヘアーでした。
なんとかならないのかしら・・・あの髪・・・。
この前の’70中村雅俊ヘアよりはましか?

一瞬、「うわー、きっとここで泣かないといけないところなんだわー」という、個人的にかなり激しく引いてしまったシーンがあったけど、数分で終わってほっとした(笑)。
でも、隣の人は泣いていたらしい。
しかし!
この作品は、はっきりいって泣きに行く映画ではなかった。
一歩間違えば、ベタベタなお涙頂戴のお安いドラマになりそうな内容なのに・・・、アンドリュー・ラウ監督の手によって、一流のドラマに仕上がっていた。素晴しい。
ラストまで目が離せません。
ラストシーン、すごく良かった。
いやはや、食わず嫌いはソンです。勇気出して行ってよかったわ~。

デイジー [DVD]
チョン・ジヒョン (出演),‎ チョン・ウソン (出演),‎ アンドリュー・ラウ (監督)