unknown~アンノウン
もう、観てから日にちがたってしまったのですが、書かなければならない映画がたまってきてるので、頑張って書きます~。
unknown。
誰?
え~と、まず、
ジム・カヴィーゼルと、バリー・ペッパーが出てるというので、それがそもそもの観に行った理由です(笑)
イケメンというだけでなく、すごくいい演技、緻密で繊細な表現力の人達。カッコイイです~♪
で、結構期待してました。
そして、期待は裏切られることはなかったです(^^)
すごーく、おもしろかったです。
まず、これが冒頭のシーン。
なんか「saw」みたい?
皆さん、倒れて意識失ってます。
5人の男たちが、気がつくと密室に閉じ込められていて、しかも全員が記憶をなくしているという設定。
デニム・ジャケットの男、作業着の男、鼻が折れた男、縛られた男、手錠の男。
そこへいきなり、電話がかかってきて、どうやら誘拐犯グループの一味が5人のうち3人、誘拐されたのは2人であるということだけが判るのです。
5人とも、自分が犯人なのか、被害者なのかわからない状況で、物語は進行していきます。
あまり書くと、ネタバレしそうなので、さらっと書きましょう。
そして時間が経つにつれ、だんだんと記憶が戻ってきます。
相手が敵なのかもしれないという恐怖感と同時に、なんとなく連帯感のようなものも生まれてきたりするのです。
面白いのはそのあたりの心理描写ですね。
お互い、腹の探り合いをしながら、なんとかしてその密室から脱出しようとするわけです。
しかし、ひとりではどうにもならないから、協力しあったりしちゃうわけです。
でもやっぱり裏切ったりとか(笑)。
相手は、敵かもしれないのに・・・。
さて、終わり間近になって、1人の男の話がきっかけとなり、彼らの心を動かします。
その話は、男と、5人の中にいる幼馴染みとの過去の話でした。
私がほんとうにおもしろいなと思ったのは、潜在的な善人と、潜在的な悪人の描かれ方です。
そして、だれの中にも存在する良心がどう動くのか・・・。
皆、自分は悪だとどちらかといえば思いたくない、というところもなかなか興味深いものがありました。
記憶をなくしているために、その人の本質的な部分が出てくるわけで、そこが非常におもしろいのです。
ジムとバリーの演技ももちろんですが、その他のキャストも皆、含みのある人物を奥行きを持った演技で表現していて、見ごたえはかなりのものでした。
なにしろ、ほとんどのシーンが密室であり、5人のうち2人は身動きが取れない状態ですから、動きが非常に少なく、演技がかなりの密度とクオリティでないといけないわけです。
しかし、5人の素晴しい表現力にはすっかり引き込まれてしまいました。
あと、この話、2重、3重にしかけがしてあるので、最後のどんでん返し、そしてまたどんでん返し、が面白かったです。
最後は若干、力ずくでまとめた感もありましたが、とても上質でよくできていたと思いました。
監督はサイモン・ブランドで、今までミュージック・ビデオ製作でキャリアを積んできた人です。
数々の賞を持つ、とてもセンスと才能にあふれる人。
今回の作品は初長編映画を監督とのことです。
映像感覚もとてもよかったですね~。
ここにあげた画像でも少しわかるかと思いますが、構図がすごくいいし、見せ方のアイディアにはいちいち感心してました。
記憶が少しずつ戻るところの映像表現とか。
とても地味なのに、すごくインパクトと深みがあるシーンを展開してくれます。
このセンスの良さは大いに刺激を受けました。
不安や緊張感がほんとうによく表現されていると思いました。
再度観たい作品です。