ホリデイ
◆作品情報
原題:The Holiday
製作:2006年アメリカ
監督:ナンシー・マイヤーズ
脚本:ナンシー・マイヤーズ
撮影:ディーン・カンディ
音楽:ハンス・ジマー
キャスト:
キャメロン・ディアス
ケイト・ウィンスレット
ジュード・ロウ
ジャック・ブラック
とてもさわやかな作品でした。
とにかくメイヤーズ監督は脚本が素晴しいです。
「恋愛適齢期」の脚本も、すごく良くって、その小粋で大人のセンスにあふれた知的ユーモアと恋愛観に非常に共感するところが多いのです。
女性監督らしい視点が、優しく、温かみのあるセリフが心にしみます。
‘50年代や‘60年代の古き良き時代のエッセンスがちりばめられていて、
きっと監督はそんな愛すべき映画、そして映画がイキイキとしていた時代が大好きなのだろうなと思います。
映画音楽への熱い思いや、脚本の大切さ、時代とともに失った大切なもの、などがメッセージとして盛り込まれていて、流行の俳優さんを起用して大衆向けで軽めの作品かと思いきや、実はかなり映画好きのために楽しめる作りになっていたのでした。
かつてハリウッドで脚本家だった90歳のおじいさん、すごく良かった~~
それにしても、完璧に善良な老人が「続・夕陽のガンマン」で悪党だったイーライ・ウオラックだったなんて!
すごい衝撃でしたわ。。。
ファッションやインテリアも、すごく良かったです。
明るくてゴージャス、物質的に豊かなL.A.に対し、
童話的アットホームなロンドン郊外の家のインテリア、対照的でしたがどちらもとても素敵でした。
「恋愛適齢期」のインテリアも、とってもおしゃれで、メイヤーズ監督の洗練されたセンスはとっても勉強になります。
俳優さんたちは、それぞれがいかにも「はまり役」で、観ていて実に楽しい。
いかにも、な雰囲気を持ちながらも、いつものイメージとは違う感じを出していたり、
意外なセリフを語らせてみたりと、そんな監督さんの遊び心が楽しい。
ジャック・ブラックの恋人役、シャニン・ソサモンは「恋する40DAYS」ではジョシュ・ハートネットを相手に「本命」役を演じていたのが、
今回はすっかり「悪女」に変身していて、まったく正反対の役柄で面白かったですね。
2つの全く違ったタイプの恋愛が、遠く離れたロンドン郊外とL.A.で同時進行していくのが面白いのです。
失恋から始る、この物語。
昔からよくあるパターンとはいえ、別れがあるからこそ、出会いがあるわけで。
何かを手放したり、失ったりすると、必ず何かがやってくるもの。
だから、切り捨てる勇気が必要なのですね。
捨てる勇気がないと、本当に必要で大切なものには出会えないかもしれません。
たとえ、出会っていても、通りすぎてしまったりしてね。
悪気がない風?な「悪女」に「ダメ男」。現実にも存在していますね~ほら、そこにもあっちにも(笑)。
そしてなぜだか、そういう困った相手を選んで、振り回されてしまっている人も。
そう、それは、自分の中にあるものが混乱を引き寄せてしまっているんですね。
自分が変わることで、すべては好転していくのですね~
ところで、ダメ男のルーファス・シーウェルは、目の演技が楽しかった。
あ、あと「10日間で男を上手にフル方法」で、ケイト・ハドソンの同僚役だった、キャスリン・ハーンが出てましたね~
出番少しでしたが、彼女の豊かな表情はとても印象的なのです。
また、ダスティン・ホフマンがチョイ役で出てきたりと、ちょっとした演出が心憎い。
そうそう、ジェームズ・フランコのアクション映画の予告編が最高に笑えました。
ひとつひとつのシーンが、ほんとうに素敵な作品でした!