タブロイド

2018年3月30日


舞台は、南米、エクアドル。そう、あの、ガラパゴス諸島を領有する赤道直下の国。
連続殺人犯と、TVレポーターのからみを描いた作品。
5年間に140人を殺害したという人物と、少女71人を殺害したという人物の、実在した2人をモデルにしているとか。
(それにしても、どうしてそんなに捕まらないのか・・・?南米って、凶悪犯罪の温床なのか)



とても若い監督なのですが、映像テクニックなどの表面的な部分のみに偏ることなく、人間の内面に焦点をあてて、深層に迫ってくる。
真実と嘘。表と裏。
人間の弱さ。二面性。
善人が悪人なのか、悪人が善人なのか。
ひとつ、歯車が狂ったために、全体が噛み合わなくなる・・・。
実は、こんな己の弱さといつも共存しながら人は生活しているのでは・・・。
内面に潜む、悪の部分。
皮肉にもそれは、そのとき最も「悪」である人物によって引き出されてしまう。
緊張感のある、ドキュメントのようなリアルさの映像表現。
こういう映画、とっても好きですね。と言っても、犯罪ものが好きなわけではありません。
この作品に関しては、心理描写の手法が、すごく面白かったのです。
一般的には重たいと感じるのでしょうけれど、私にはこのくらい暗くて重いほうがちょうどいいかなあ(笑)。逆に、軽すぎるといごごちが悪くなってしまう。
面白さでいうと、「ミュンヘン」より面白いかも。
俳優さんたちも、かなり実力派のひとばかりで、観ていてすごく引き込まれます。
皆さん、本当にいい味出してます。

終わったあとは、すっきりさせてはくれません。
だけど、強烈に心に残ってしまう。いやでも。
悪と悪とが共鳴する。そこが面白い。

あと、音楽の使い方がすっごくセンスいい!ギターがとても印象的で、心に残っています。

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ジョン・レグイザモ (出演), レオノール・ワトリング (出演), セバスチャン・コルデロ (監督, 脚本)

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