ボビー
原題:Bobby
監督 エミリオ・エステベス
脚本 エミリオ・エステベス
撮影 マイケル・バレット
編集 リチャード・チュウ
上映時間 120分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ジョン・ケイシー アンソニー・ホプキンス 石田太郎
ヴァージニア・ファロン デミ・ムーア 勝生真沙子
ミリアム・エバース シャロン・ストーン 高島雅羅
ウィリアム・エイバリー イライジャ・ウッド 浪川大輔
ダイアン リンジー・ローハン 木下紗華
サマンサ ヘレン・ハント 深見梨加
ティモンズ クリスチャン・スレーター 檀臣幸
ポール・エバース ウィリアム・H・メイシー 納谷六朗
アンジェラ ヘザー・グラハム 宇乃音亜季
エドワード・ロビンソン ローレンス・フィッシュバーン 乃村健次
フィッシャー アシュトン・カッチャー
また群像劇か~・・・と思ってしまった私は、いけない人かしら・・・。
最近やたら多い気がする、群像劇。
嫌いじゃないけど、同じ手法のものをこうもやたらに見せられると、あーまたか、と思ってしまいますね。
それにしても、この作品は登場人物がものすごく多いんです。
で、「うわあ、覚えられるかなあ・・」
と、見始めはあせったのですが、
キャラクターがどの人もハッキリしていて、似てる人もいないので、
ちゃんと覚えられた(笑)!
脚本がよくできていたせいかもしれません。
’60年代の雰囲気、ファッションや髪型、車、インテリアと、
すごくいい感じに仕上がっていたように思います。
監督はオシャレなセンスの良い人なんだなと思いました。
おしゃれが、まだとてもエレガントだった時代。
政治家だって、ダンディーでオシャレだったのです。
ヘレン・ハント演じるサマンサが、
「ドレスにあわせる黒い靴がない」と言って、
わざわざ靴を買いに行くところなんかね。
で、黒い靴を「見た目で」買うのだけど、痛くて歩きにくいのにガマンしちゃったり。
髪型は機能的ではなく、不自然(笑)ともいえるほど造形的だったり。
私が一番気に入ったキャラクターは、このお話の主役ともいえる人物、ホセ。
(「レディ・イン・ザ・ウォーター」に出てた!)
厨房内というのはいつでも騒然としていて、緊張感があって、
そしてドラマがあって、ワクワクさせてくれる。
この厨房が、最後にはとても重要な舞台となるわけで、
そのことも含めて厨房内でのことは、とくにじっくり観ておくと良いですね。
壁に書かれた言葉とか・・・。
大体において、こうした群像劇は、
始めはバラバラに展開しておいて、最後にうわっとまとめる、というのがお決まりのパターン。
で、今回も結局そうなるんだけど、最後のまとめかたはとても感動的だった。
とくにボビー、ロバート・F・ケネディの最後の演説が最後にずっと流れ続けるのだけど、これは実に今のアメリカにとって皮肉な内容でした。
暗殺場面のシーンは、すごいと思いました。
カメラワークがとにかく最高でした。
一瞬にして騒然となり、その中にほんの数秒ずつ、それまで登場してた人物が実に巧妙に織り込まれていて。
ずっと群像劇に徹して話を展開しておいて、最後に演説でしめくくったところに、観る人に何か考えさせるものを投げかけているようでした。
暗殺に関しては、CIAやマフィアとの関係があるらしいのですが、この作品では裏事情についてはほとんど触れていませんでした。
この、左の人がエミリオ・エステヴェス監督。
デミ・ムーアの夫役として登場します。
しかしデミ・ムーア、綺麗です・・・
個人的に、一番受けたキャラ。
デミの夫、アシュトン・カッチャー!
この、妖しいドラッグ中毒のヒッピー姿には参りましたね(笑)。
あと、ニック・キャノンが出ていて嬉しかったですね。
「ドラムライン」以来、注目してる人です。
アンソニー・ホプキンスも、出番少ないのに、やはり印象的でした。さすがです。
なかなか、よく出来た秀作でした!
監督のインタビューで、
「ボビーが死んだ日、アメリカの持っていた夢と品格も死んだ。」
と言う言葉が印象的でした。
とくに「品格が死んだ」という言葉が。