レポゼッション・メン

2023年5月27日

原題:Repo Men
制作:2010年アメリカ

キャスト:
ジュード・ロウ(森川智之)
フォレスト・ウィテカー(木村雅史)
リーヴ・シュレイバー(東地宏樹)
アリシー・ブラガ(斎藤恵理)
カリス・ファン・ハウテン(日野由利加)

 

とっても面白かったです。
それにジュード・ロウがすごくカッコ良くって、以前観た時よりもぐっとパワーアップしていたように思われました。
もともとの素材(という表現は失礼かしら)が良いので、鍛えると磨きがかかって宝石のように光り輝きます。

しかもそのジュードの相棒役はフォレスト・ウィテカーです。「ラストキング・オブ・スコットランド」でアカデミー主演男優賞受賞、あの壮絶なアミン役の演技はまだ記憶に新しい。イーストウッドファンとしては「バード」のチャーリー・パーカー役がとても強烈でした。ジュードはついこの前素敵なワトソンを見せてくれたかと思えば、今度はキリリとクールなアクションで楽しませてくれました。嬉しいですね♪今回、ぐっと引きしまってて、顔の表情も違うなあと思いました。とにかくカッコ良かった。

レポゼッション・メン=人工臓器回収人。20年後ぐらいの世界を描く、SFです。人工臓器を大量に製造販売できる世界になっていて、一般的に普及しているのだけども、その人工臓器はおそろしく高額で、普通の人が払いきれる額じゃない。のようにローンで支払いをすることになってる。でも、ローンの返済ができないと、臓器を回収するという契約になっているから、たとえ臓器回収で死んでもOK。うむ~、これって詐欺っぽい?けど、現代社会の闇をSFというかたちで描いているんですね。未来とはいえ、微妙に現代と共通し、おそらく観るものに共感するところがあります。レポメンたちにとっても、かなり危険なんですよね。回収の際に顧客が抵抗したり反撃したら怪我したりする可能性もあるし。手早く回収しないといけません。・・・というか顧客を”合法的に”殺すことになるわけだけど。とか、いつになく真面目に考えつつ観てしまいました。なんでかな。

レミー(ジュード)とジェイク(フォレスト)は危ない回収人の仕事仲間で仲の良い相棒ってわけなのですが、レミーが回収中の事故にあったことから、どうも今までとは違う展開になってくるんですね。レミーの感情が変化するところから、面白くなってくるというか、緊迫してきます。

人工臓器のポスターが面白かったので並べてみました♪お値段も入ってます。こちらは腎臓です。その人の気持ちに、本当になったとき・・・、心には大きな変化が起こり、またそれによって運命が大きく変わっていく・・・この作品の、そんなところに惹かれました。

こちらは心臓。意外にコンパクト。ところでこの映画の作り自体もすごく上質だと思ったのですが、その効果をさらにアップしていたのが音楽。音楽好きの友人も、音楽が良かった、と言っていたくらい。レミーの恋人の歌ってた「クライ・ミー・ア・リヴァー」が、観終わってからやけに気になってしまい、うちにあったジュリー・ロンドンのCDを聴いていました。音楽担当は「ハートロッカー」でアカデミー賞ノミネートだったマルコ・ベルトラミだったんですね。大納得なのでした。

人工臓器いろいろミックス。これだけ使っていると、サイボーグみたいです。映像的にも楽しませてくれて、例えば街の景観なんかはまるで「ブレードランナー」みたいでした。それにしても、近未来というとなぜだか東京とか香港っぽくなるのはなぜなのでしょうね?なにかこう・・・ビジュアル的にも怪しい感じが漂っていますね。レミーがタイプライターを使うのも良かった。ああいった懐古趣味的な小道具を印象的に使ってくる監督のセンスが素敵です。それから、スーツ姿の人達が、全員銃でなくナイフで戦うシーンとかも良かった。二刀流とか、もう大好きだし♪(全然関係ないけど実はチャンバラ劇が大好きで、大昔になるけど夏休みに一日中時代劇を観ていたことがあったのです。時代劇チャンネルを観ている友人がうらやましいけど、クラシックチャンネル同様の理由で未加入・・)

キャスティングが興味深いのです。というか凄い人ばかりです。こちらはウルヴァリンの兄をやっていたリーヴ・シュレイバー。
彼が登場するのはいつだって大歓迎。嬉しい。

あと、レミーの恋人ベス役はアリシー・ブラガで、「プレデターズ」に出てるそうで・・・まだ観に行ってないので行かなくては。
また、レミーの妻役キャロルは「ブラックブック」で凄い演技を見せてくれたカリス・ファン・ハウテンでした。
劇場で映画を観る楽しみのひとつには、映画のパンフレットを購入して読む、といいうのもあるんですね。
レポメンの脚本担当エリック・ガルシアのあとがき、すごく面白かったです。

 

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