ラストデイズ

2018年3月16日

’94年人気絶頂の中、自殺した”ニルヴァーナ”のカート・コバーンの最期の数日間にインスパイアされた作品。

ところで、本題とは関係ないけど今BGMにはなぜかローリング・ストーンズがかかってます(笑)。
なかなかクールな音でございますね。

さて、映画のほうですが・・・。
この作品はかなりアート系なので、一般向きではないですね。
友達とか誘っても、爆睡されちゃうかもね。
だけど、私はこういう作品がとても好きなのです。
観ていて、イメージがジャームッシュ作品と重なるなあ~と思っておりましたが、監督は影響受けているのでしょうか?
どうなのだろうか。
独特の間のとりかたとか。
好きですね・・・。

って言いながら、ガス・ヴァン・サント監督作品を観るのはこれが初めて。
でも、すごく気に入ったので、過去作品を早速観なくては。
特に「エレファント」「ドラッグストア・カウボーイ」くらいは観ないといけないなあ~と思っていたところでした・・・(汗)。
それにしても、マイケル・ピット、素晴しい!
前からちょっと気にはなってましたが、今回でかなり只者ではないということが判明しました。
すごくいいセンスしてますね!
この、セリフのほとんどない、そして淡々とした時間の流れとメリハリのないテンションという、過酷な(?)スタイルの中で、強烈な存在感と身体で表現する内面性・・・。
ひたすら、孤独で悲しい。
一番すごいと思ったシーンは、マイケルがギターを弾きながら歌うところかな。
なんだか血が騒いだ(笑)。あれは彼の作った曲らしい。
ストーリーは、あるような、ないような・・・なのですが、確実にグサリときました。
うまく言葉で表現できない、この不思議な感覚。・・・。

マイケルのインタビューの言葉が印象的でした。
「僕は貧乏育ちでお金のありがたみを知っているだけに、実は大作のオファーを断るのは難しいんだ。いつも葛藤があるよ。つまらない大作には出たくない。でも、そんな自分を『何様のつもりだ』という自分もいて・・・。」
この言葉が、彼のアーティストとしての姿勢なんだなーと、とても共感するところがあり、この作品を観るきっかけになったのでした。

なにげないシーンの連続なのですが・・・。
すっごいおしゃれ。

あと、インテリアがジャンクですごく良かった。
基本はクラシックなんだけど、壁紙がはがれたままだったりとか、漆喰が落ちて、中のレンガが見えてたりとか。活けた花が枯れてたりとか。
高級家具や調度品の置かれた室内と、破れたシャツ姿、ボサボサヘアのマイケルのかっこ良さ。
たまらないミスマッチ感。
狭いキッチンで、マイケルがマカロニを茹でるシーンも良かった。
(インスタントなんだけど)
なんだか、あそこでほっとするものがあったのですが・・・。
ああ、ちゃんと料理とかして、食べてるよ、生きてるって実感が伝わってくるよ、みたいな。
・・・泣けます。

この作品を観ながら、「死」ということについて考えずにはいられなかった。
結局のところ「生き方」はイコール「死に方」なんだ、と思うのです。

ところで私は、孤独が大好きです。孤独が友達です(笑)。
年をとればとるほど、この傾向が強くなってきてるな・・・。
最近はひとりで行動するのが、何よりも楽しい時間です。
子供の頃の私の家は、兄弟4人と両親2人という6人家族のほかに、父の仕事の関係でしょっちゅういろんな人が出入りしていたり、親戚も大勢出入りしていて、それはそれはにぎやかというか、いつもいつもうるさくてしかたがなくて、「ああ、ひとりになりたい」とか「静かに暮らしたい」とか思って暮らしてきたのでした。
なので、今は孤独を満喫できて、幸せ(笑)。

全然関係ない話で終わった、今日の映画の感想。

マイケル・ピット、今後要注目!<話題を無理やりもどす。

ラストデイズ [DVD]
マイケル・ピット (出演),‎ ルーカス・ハース (出演),‎ ガス・ヴァン・サント (監督)