ベルリン国立バレエ団「シンデレラ」
とっても楽しい舞台でした!
ロマンチックでカラフルで、そしてコミカルで。
芸術監督のマラーホフの振付で、曲はプロコフィエフなのですが、ストーリーは全然違うんですね~。
従来のシンデレラをおおまかになぞってはいるけれど、舞台は現代で、バレエ団のダンサーたちのお話なのです。
まず、主役のシンデレラよりも、大柄な2人の女性ダンサー役に目が釘付けに。
アルコール依存症と甘いもの中毒の2人を踊るのは、なんと男性ダンサー。
アル中のほうは、背の高いフェデリコ・スパリッタ。
甘いもの好きのほうはウラジーミル・マラーホフ。
びっくりしたのなんのって(笑)。
ピンクのチュチュにトゥシューズ。髪にはリボン。
フェデリコさんの胸の詰め物は、わざと下のほうに下げてあって妙なシルエットに・・・
オカm・・・いえ
女装・・・じゃなくて女役!
というか・・・どーみてもドラッグクイーン?!
という見た目に驚き!
ぬいぐるみのついたバスケットにはお菓子が入っていて、舞台の端で本当に食べているし!
2人の動きも存在感も、ありすぎで、面白すぎでした。
リピートしたいくらいだわ・・・。
マラーホフさんは、カーテンコールの時までキチッと役に徹していて、本当に可愛いというかお茶目でした。
その風貌から、クールな印象を持っていたのですが、かなり面白い方なのだなあと、ますます好感度アップですね~これは。
シンデレラのポリーナ・セミオノワはもともとすごく美しくて可愛い人なのですが、あの2人の強烈さのおかげで一段と美しく見えました~笑
シンデレラは、この作品ではとても自立した女性として描かれていて、夢の中のことは次の場面で現実化するという展開。
男性との出会いと結婚によって幸せになるという昔話ではなく、とても現実的な物語になっていて、共感するものがありました。
自立していて、自分の道をしっかりと歩きそして上昇していくシンデレラ。
王子に選ばれるかよわき女ではなく、自分で人生を選んでいく姿に描いているのは、素敵だった。
もとのシンデレラの話は好きじゃないけど、マラーホフ版のシンデレラは好きだなあ。
ところで先日、DVDで「インセプション」を観直していたのですが、夢って本当に面白い。
数多くのおとぎ話には夢が登場するのは、興味深いこと。
人は、現実世界と非現実世界を行ったり来たりすることで自己の可能性を高めていくのかもしれない。
今回の「シンデレラ」でも夢が効果的に表現されていて、マラーホフさんのシンデレラの解釈はすごくいいなーと思いました。
「チャイコフスキー」とガラ公演も行く予定で、楽しみです♪