クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル2010
今日は、サントリー・ホールでのツィメルマンの演奏会に行ってきました。
演奏された曲はすべてショパン。
CDでは何度も繰り返して彼の演奏を聴いていましたが、生では初めて。
CDで聴くのとは、ずい分印象が違うことに驚き、また、こうした驚きはありがちなことだし嬉しいことでもあります。
だからコンサートは楽しいんです。
あたりまえすぎて誰も気にもしていないことなんだけど、人の人生の、その瞬間は2度とやってこない。
ピアニストが指をピアノに置く、その瞬間・・・
その瞬間は、
2度と来ない。
彼の演奏を目の当たりにしながら
その、あたりまえの驚きに感動していました。
その瞬間の、一音は、2度と繰り返されないし、仮に録音してあとで聴いても、機械をとおしたそれは”同じ音ではない”し、
すでに”今”ではない・・・
・・・今日はなぜかその”2度と来ない瞬間”が
やけに心に響いてしまって、どうにもたまらなかったのです。
ツィメルマンが、きっとそれを想いながら一音一音に全身全霊、本当に魂を込めているのだろうと深く感じ入るのでした。
彼は「今」を音楽のなかで最も重要としているとか。
あとでインタビュー記事を読んで、そうだったのかと、感じた音の響きを思い出していました。