イザベラ・デステ

2021年6月20日

小さいのですが、かなり希少なコンサートでした。
というのは、イタリアの弦楽器製作者の巨匠であるマリオ・ガッダが、マントヴァ公爵妃“イザベラ・デステ”の名を冠したカルテット・・・・・すなわち、ヴァイオリン2台、ヴィオラ、チェロをひとりの人物が製作したのです。

その4台の楽器はつまり、兄弟というわけです。

さらに、そこに“イザベラ”の“父上”にあたるヴィオラも加わったりして、非常に貴重な音体験でした。

楽器自体の音も、ものすごく美しく、素晴しいのですが、カルテットの音の一体感が普通じゃない。
4台の楽器でありながら、まるでひとつの楽器のような感じなのです。
こんな音は初めてでした。凄いです・・・。

生の音はいいです。実に・・・
耳だけでなく、皮膚や、身体のあらゆるところで“聴く”という感覚を楽しむことができる幸せ。
今日はそれに加えて、楽器の魂の音、エネルギーまで感じとれるような、そんなコンサートでした。

演奏や曲もよかったのです。地味ながらも、じっくり聴けて。
最近はクラシックを大衆的にしようという試みなのでしょうが、やたらに解説やおしゃべりの長いのや、パフォーマンスを加えていたりするものが増えていますが、個人的には今日のようにじーーーーっくりと演奏そのものを味わうコンサートが好きです。