イングロリアス・バスターズ

タランティーノの映画を観ていると、とても親近感がわきます。
たぶん、似たような時代に同じような映画を観て喜んでいたような、そんな感覚があるんですね。

もちろん、観ている映画の数は到底、タランティーノには及ばないし、どのシーンがどの映画のオマージュかなんて、全てがわかるわけではないけど、それでも監督の趣味の世界はすごく一致する部分があって、だからわからなくても雰囲気でじゅうぶんに楽しめてしまうのです。


なんといっても、大納得したのは、監督自身のフェイバリット映画が「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」だそうで、マカロニウエスタン大好きというわけ。
その部分で完全に私と一致しているのです。
気持ちがわかるのも当然です・・・

今回は、マカロニ戦争映画、という実にすばらしい作品です。
こんなのはタランティーノしか作れないですね。


タランティーノのやることなすことのひとつひとつが、
その元ネタがわからなくても、どのあたりに彼がツボなのかっていうのがわかるから楽しいんです。

作り手の気持ちがわかると、本当に楽しい。

どこに情熱を傾けていて、
どこに喜んでいるのか。
って。

イーストウッド主演のの「戦略大作戦」とか、昔の痛快な戦争アクション映画を思い出しました。


それにしても、あまりにもたくさんの種類のポスターが存在していて、本当に驚きました。

こんなに色々なヴァージョン作っちゃって(笑)。

アイディアはさらに膨大にあって、これでも絞りこんだんだろうなあ・・・
なんて想像するとおかしくて。


どれもこれも、デザインのポイントの持って行き方が素晴らしいので、
私のほうも選べなくて(笑)、
ついつい、たくさん並べてしまいました。

公開する大分前からこの作品は楽しみでしかたがなかったのです。
だって、タランティーノが第二次世界大戦ものだなんて、いったいどんなものなのか気になるにきまっています。

一番初めに見つけたのは、一番上の、血まみれバットのもので、
本当にどんなのだろう・・・と思っていました。


ブラッド・ピットの演技はあちこちで絶賛されていましたが、
本当に素晴らしかったです。

あの、顎を強調したスタイルは、彼自身のアイディアだそうです。
それにしても、彼は「バーン・アフター・リーディング」でかなりおバカな役をしっかりこなしたり、本当に演技の幅が広い人です。

あと一番印象的で強烈だったキャラクターはハンス・ランダ大佐役のクリストフ・ヴァルツですね。
上手いなあ~~凄いな~と思いながら、彼の演技にすごく引き込まれてしまいました。もう、冒頭の、木の家の中での会話シーンから、恐れ入ってしまいましたね。
監督の演出力に加えて、彼の目線や表情や話し方、そしてセリフの絶妙なこと。流石!と思いました。
あの、最高の間合いはまさにレオーネ監督へのオマージュでしょうね。


こちらはタランティーノ監督の弟子(?!)とも言える、
イーライ・ロス。

バット持って登場した時は、怖いというか笑ってしまった。
かなり凶暴。
というか、戦場で凶器がバットって、今まであったのかしら。


無口なティル・シュヴァイガーが笑えました~!

彼はかなり久しぶりに観たので、大感激です。

この映画、大好きなドイツの俳優さんがたくさん出演していて、
その使い方の感覚も最高に面白かったです。

しかしティル、出番少ないしセリフも極端に少ないしで、もっと観たい!と思ってしまいましたよ。


このポスター、すごくカッコイイ!

文字の入れ方や、赤と黒の使い方、
それに白い部分も良いです。

なんか昔、こういうのがあったなあ~って思う懐かしさに嬉しくなるんですね。


このポスターが、この中では一番好きかな。

こういうイラストのポスターって、いいですよね~
昔は写真ではなくて、映画館の看板も絵だった。

高校生くらいの頃は、よくこういうタッチを真似して描いていましたっけ。
イーストウッドの西部劇のポスターを模写したりしてた。


ダニエル・ブリュールのドイツ軍制服姿が観れて、良かったですね。

しかしこのポスターの絵!
文字といい、色塗りといい、表情といい、レトロ感がよくできてます。


この、劇中で使われたナチスのプロパガンダ映画「国家の誇り」が実によくできていて、
感心していましたら、イーライ・ロスが製作担当だったんですね。

彼は「デス・プルーフ」の時、あのものすごく面白い架空の予告編を作った人なんですね。

ダニエル君の演技も良かった。
彼は出番が多くて嬉しかったですね。


こちらはアウグスト・ディール。
親衛隊のお衣装がよくお似合いで、それと、オールバックと眉毛の薄さに思わずル・シッフル(マッツ・ミケルセン)を思い出してしまいました。

彼も久しぶりにスクリーンで観れて、嬉しかった!


ゲッペルスの人が「わが教え子ヒトラー」でもゲッペルスでしたが、偶然なのか意図的なのか。

タランティーノの頭の中には、まだまだアイディアがいっぱい詰まっていそうで、次はどんなものが飛び出してくるのか、すごく楽しみです。

しかし、ヒトラーが・・・!
最後はびっくりしましたよ(笑)。

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