ブーリン家の姉妹

豪華絢爛、綺麗な作品でした~。

大変美しい映像美に満足。
美術館か博物館へ行って、芸術鑑賞したかのような気分になれて、悲しい人間ドラマも歴史の壮大さとともに、ずっしりとした重さの感じられる見ごたえでした。

エリザベス1世関連の作品はいくつも観たので、このあたりの歴史にちょっとは詳しくなったかしら?
きっと英国ではそれはそれはたくさんの作品が様々に作られているのでしょうね。
日本でも例えば織田信長を大勢の俳優さんがやってきたように、エリザベスやヘンリーも、それはそれはいろいろなパターンがあるんでしょうね~きっと。

ついこの前「エリザベス・ゴールデンエイジ」を観たので、ちょうどその前の時代にさかのぼったお話でしたので、そういう意味でも楽しめました。

とても残酷な人のイメージのヘンリー8世ですが、今回のエリック・バナはやはり残酷というよりは優しげな雰囲気でした。
彼としては、かなりクールに演じていたように見えました。
ただ、ヘンリー8世という人物はあらゆる高水準の教育を受けて育ち、また音楽や文筆などの芸術面でも優れていたそうで、エリック・バナの感じだとその知的で高貴なイメージがよく出ていたかなと思いました。
何もかも持っている人であったのに、だた、男の子には恵まれなかったのですね。


アンとメアリーは、とても対照的な性質を持つ姉妹で、光と影のよう。
姉妹の描き方は興味深いものがありました。
この時代の女性にとっての幸せとは、あるいは人間として、女としての幸せとは・・・?と考えさせられるのでした。
現代に比べると本当に女性の自由はなくて、結婚によって人生が決まるという、運命は常に自分以外のところで決まっていくような感じでした。
周囲に利用されながらも、なんとかして道を切り開こうとしたり、強く生きようとする女性たちの姿にはどこか共感するところもありました。
きらびやかな世界だけど、みんな愛には不器用だったり一生懸命だったり・・・。


姉妹は、性格が違うけど対のように仲が良いのです。
いつも色違いの服を着ていて可愛い!

ナタリー・ポートマンは野心家の姉を演じていましたが、持前の芯の強さがよく出ていて素敵でした。
噂では彼女、オタクな男性に人気があるのだとか?
私も娘も彼女のことは大好き。
可愛いし知性があるし、そして何よりもヴィーガンというところが大いに共感するのです。9歳のころからヴィーガンだそうです。
彼女は最近、動物由来のものを使わないヴィーガン・シューズのデザイナーまでこなしており、話題になっていましたね。
スカーレット・ヨハンソンの演じる妹は優しくふんわりとした雰囲気の女性。アンが陽でメアリーが陰という感じでしたね~。
スカーレットはいつものイメージと違っていて意外でしたが、この役をとてもうまくこなしていて、彼女の才能に奥行きを感じました。見た目でふっくらしたイメージがあるので、このやわらかな感覚の役はよく似あっていました。
とにかく2人の女優対決、という感じで終始しており、熱演ぶりはすごい迫力でした。


さて衣装担当は「恋に落ちたシェイクスピア」などで有名な、サンディ・パウエル。
大変お見事な仕事ぶりです。
細部まで本当によく調べて、デザインして作ってあることが一見してよおくわかりますね。
一着にどれだけの手間がかかっているんだろうかと考えてしまいます。生地も上質そうです~。
アンは力強く、メアリーは優しい色合いで姉妹の性格の違いを表現していました。

ヘンリー8世の衣装の豪華さは、威厳を表していていかにも王らしく、きらびやかでした。

それにしても、女性たちのあのギュウギュウを胸やお腹を締め付けているコルセットは苦しそうです。
あれが難産の原因にならないのかなあ・・・なんて思いましたが・・・。


ロケーションも素晴らしく素敵です。

こちらはレイコック修道院の画像。13世紀の建物とか。すごい・・・。
宮殿の回廊として使われていました。
他にもイギリス各地の教会や城、邸宅などでロケをし、宮殿内の雰囲気にリアルさと格調を作りだしていました。
もちろん豪華で手のかかったセットも使われていて、壁に絵が描かれている部屋とか、気になるところがたくさんでした!

映像がものすごく鮮明で綺麗なので気になったのですが、歴史ものではあまり使われないHDでの撮影とか。なるほど~。
くっきり鮮明かつ新鮮な新しさのあるイメージの映像のわけがわかって大納得。


さて今回の大注目はエディ・レッドメイン。
この前観た「エリザベス・ゴールデンエイジ」でも出番少なめながらもとても印象的でした。
今回はすごくいい役で、お衣装も素敵に似合っていて、嬉しかった~
このシーン、背景がすごく美しい。
屋外のシーンも多かったのですが、どれも自然が本当に美しくて見入っておりました。

あと忘れてならない、ジョージ・ブーリン役のジム・スタージェスも悲劇の役でしたが、素敵でした。彼のコスチューム姿が観れて満足!
他には母のレディ・ブーリンを演じたクリスティン・スコット・トーマスの知的な美しさ、とても気になりました。
以前に「キング・オブ・ファイヤー」でレイ・ウィンストンが演じたヘンリー8世が強烈な印象でした。
それに肖像画を見ると、レイさんによく似てるなーと思いました。
私が所有しているのはBOXセットなのですが、たぶんレンタル屋さんではバラで貸出ししていると思います。ヘレナ・ボナム=カーターがアン・ブーリンの役でした。
私はこのお話を観たときは、なんでこんなにも難産だったり男の子が生まれないのだろうかという理由が気になってしかたがありませんでしたね。
まっ先に気になってしまうのは食べ物なのですが、薄暗い石造りの館も、なんとなく健康に良さそうでないなあと思ったりもしました。


ブリティッシュ・キングダム DVD-BOX
映画仲間の間ではジョナサン・リース・マイヤーズのヘンリー8世が話題になっています。
たいへん素敵です。

「THE TUDORS」公式サイト

チューダーズ <ヘンリー8世 背徳の王冠> DVD-BOX1

史劇

Posted by miniaten