素粒子

忙しい忙しいと言いながらも、映画は一生懸命、観に行っています。
映画を観ないと、生きていけません(笑)。

しかし、感想を書く時間もとるのが難しく、この「素粒子」も観てから1週間以上過ぎてしまった気がします。。

実は最近ちょっと、ドイツ映画にはまっています。
(家でも立て続けに数本のドイツ作品を観ました)

端正で硬質な雰囲気がとてもいい感じです。

この「素粒子」もまた、クールで、客観的な視点で追いかけていくところが、とてもいいのです。

とりあげているテーマは、実際、すごく重いんですよね。
生と死、命の軽さ、重さ、そして愛の喪失、探求、温かい人間関係と残酷なまでに冷たい関係と・・・。
主人公は、幸福を求めてやまず、どこまでも探求しようと必死にもがくのですが・・・。

ところが、こうした重いテーマを淡々と冷静に描かれると、
なるほど、人生というのは常に、客観的な姿勢でいることで
ものごとがより明確に見えてくるものだなあと、この作品を観終わって、
帰る道々、考えていました。

なんというか・・・、頭がスッキリしました。
とても興味深い感覚です。


主役は、「ラン・ローラ・ラン」のモーリッツ・ブライトロイ。
彼は、この作品でベルリン国際映画祭の最優秀男優賞を受賞しています。

今回、かなり難しい役のように見えましたが、非常に素晴しい演技でした。
心をえぐられるような、彼の、重い悲しみに満ちた表情は、深く深く、しみわたるのでした。

彼が「ミュンヘン」にも出演していたというのですが記憶になく、DVDを出してきて観直してしまいました。
そうしたら、比較的はじめのほうにちょこっと登場していました。

ところで、このポスターの、背後で黒い下着姿の女性。
彼女はなんと「マーサの幸せレシピ」のマーサ役、マルティナ・ゲディックなのです。

感想を書く機会を逃してしまいましたが、
「善き人のためのソナタ」での彼女もとても素晴しかったです。
今回もほんとうにすごい演技力でした。
特に終盤の、モーリッツとマルティナの2人の、ほとんどセリフなしの場面があるのですが、とにかくガーンと引き込まれてしまいました。
いや、お見事です。


こちらは異父兄弟という設定のふたり。
はじめはキャスティングが逆だったそうです。
でも、あまりにもこのふたりはハマリ役だたので、それを知って意外でした。
弟役のクリスティアン・ウルメンも、とても上手い俳優さんでした。


こちらは、フランカ・ポテンテ。
「ラン・ローラ・ラン」の時とは全然まったく違う印象だったので、一瞬、彼女だとは気がつかなかったくらいでした。

とにかく、登場する役者さんたちは端役の人達まで、皆さん独特の雰囲気を持っていて、ものすごく達者な演技を見せてくれました。

監督のオスカー・レーラーは、この作品全体の、クールでそして非常に残酷でありながらコミカルなイメージを実に巧みに演出しており、ほとんど完璧な作品だと思いました。
あとから考えてみると、実にたくさんの要素が盛り込まれた物語なのに、ものすごくよくまとまっているんですよね。すごいなあと思いました。

私は何を書いているのやら・・・。
まったくまとまりのない感想になってしまいましたが、とても良い作品でした!!
DVDで再度、じっくりと観賞したいと思っています。
原作も、読み始めたところです♪

ドイツ映画、とても好きです。