おしゃれな大人のラブコメ『恋するベーカリー』

2023年6月7日

ところで今年のアカデミー賞授賞式、すごくおもしろくって、3回も観てしまいました。時間があったらまだ観てるな(笑)
「カール爺さん~」が作品賞にノミネートされたり高評価されていたことが嬉しかったです。
アニメというジャンルを超えて、普通の映画作品として肩を並べている感じでした。
今まで、アニメ作品は別枠な感じだったのですね。
この勢いで、アメコミものももっと評価されるようになるといいな。
いつもは光の当たらない、裏方のスタッフ達が受賞して舞台に上がって、そういうのを見ていてとてもなごやかになりましたね。
皆、自分の好きなことを仕事にして成功していて、だから、笑顔がすごく素敵だったしスピーチの言葉も勉強になることばかりでした。
特にピクサーのスタッフの人達って、本当に笑顔がキラキラしているんですよね。
作品にもそうした人間性が表れているのがよくわかります。
「創造的なことはひとつも無駄にならない」っていう言葉、最高でした。
……っと、オスカーの話はこのぐらいにしないと。

なぜオスカーの話から入ったかというと。
授賞式の時の司会が、「恋するベーカリー」で恋の宿敵同士となる、スティーブ・マーティンとアレック・ボールドウィンだったのです。
私は本作を劇場で観たあとにオスカー受賞式を観たので、なんとも楽しかったですね。
オトボケなオヤジ2人組の会話が絶妙の間合いで、落ち着きもあって、大人の雰囲気で良かったです。いろいろとブラックなジョークもアリで……。
字幕版も観たのですが、英語が達者でないとわかりにくい高度なジョークもありました。

私は本作の上の↑ポスターの画像をかなり前に見つけて、「良いデザインだな」と思うと同時に「是非観たい!」と思いました。
「メリル・ストリープとアレック・ボールドウィンの組み合わせ?絶対観なくちゃ」って感じでしたね。
しかも、アレック・ボールドウィンのラブコメってのも絶対見逃せないと思いましたし。
はっきりいって、メリルが主役ならハズレなし、ってところでしょうか。
彼女は常に完璧だから、彼女についていけばいいだけ、なのです。
メリルがスクリーンの中でやってること、仕草、表情、話し方、顔色まで、その全てが完璧に物語を創り上げているのです。
主人公ジェーンの心の、感情の移り変わり、それをメリルが表現していくところが最大の見どころ。そして、それを追っていくとこの作品の意図が見えてくる。
ひとりの自立した女性。それも、人生の熟成期に入った女性の生き方と、仕事と、愛と、選択。
メリル、アレック、スティーブの3人で、本当に楽しい大人のラブコメでした。
かなり笑って観てましたね。R-15な笑いも多くて、そこは苦笑でしたが(笑)。
ジェーンの元夫のジェイク(アレック・ボールドウィン)は、かなり迷惑な男。
周囲を巻き込み、振り回す……、でも同時に自分の人生に振り回されているんですね。
でも、一番面白かったかな~アレック。絶妙でしたね。
ものすごく迷惑な人なのに、なぜか拒否されないタイプっていう人柄の出し方も上手。
余談ですが、アレックの弟であるスティーブン・ボールドウィンはWOWOWで放送していた「アプレンティス/セレブたちのビジネス・バトル」に出演していたのですがすごく面白いコンセプトの番組で、かかさず観てました。ビジネスの勉強にもなりました。

広々としたベーカリーがうらやましいですねえ。しみじみと。
野菜や各種食材を販売してたりもする、普通のパン屋とは違う、グルメな食品店という感じ。
全部セットなんですよね。
この作品はとにかくインテリアも見どころです。
プロダクション・デザイン凄いです。
ナンシー・マイヤーズ監督ってインテリア好きなのでしょうか。
「ホリディ」のときも「恋愛適齢期」のときも、すごくインテリアに凝っててオシャレでしたね。

こちらはジェーンの自宅のキッチン。
これもすごく素敵なインテリアでした。
しかも、それを改装するっていうんですからびっくり。
で、建築家がスティーブっていうわけ。
スティーブの演技も良かったですね~。
もともとシャイで、過去に嫌な目にあっているため、臆病になっているけど、ジェーンとは自然に打ち解けていきます。
彼の仕事場のインテリアも素敵でした。

ジェーンの子供たち、3人兄弟がとても爽やかで、皆、素直で可愛いのです。

長女の婚約者役のジョン・クラシンスキーが良かったですね。
エレベーターの目撃シーンとか最高におかしかった。

こちらは末っ子のルーク。
ハンター・パリッシュ、とても美形で印象に残りました。

今回はとーっても素直でさわやか~な良い子でしたが……

ハンター・パリッシュは、「17アゲイン」でザック・エフロンをいじめてました(笑)
でも、あの時も綺麗な子だなーと思って、印象的でしたね。

というわけで、オシャレで楽しい大人のラブコメでした♪
あとこの作品の音楽担当はハンス・ジマー。
観てる間じゅう、うーん、音楽の使い方がいいな~!と思っていたので、あとから知って、やはりそうか~と大納得でした。
音楽の入り方、ほんとに絶妙でした。