新国立劇場「神々の黄昏」

2020年9月9日

「神々の黄昏」鑑賞。

とにかくニーベルングはどの作品もめちゃくちゃ長いのです。
休憩含み、6時間。
それで、体力的にかなりきつかったです・・・
観るほうもだけど、演奏者や歌手はもっと凄いですね。

が!最後は疲れも吹っ飛ぶくらいの感動でした!!!

これでようやくオペラパレスでのワーグナー4部作を全て鑑賞し、その達成感もあってか、特に3幕の終盤の感動はすごくて。

泣けたなあ・・・

なんたってこのワーグナー作品は、オーケストラの醍醐味をとことん堪能するという感じです。
2階席だったのでオーケストラピットがよく見えました。
まず、中央後方にハープが4台並んでいることに驚き。そしてコントラバス7台に感激。さらに、ティンパニが2人。これだけで、どれだけ迫力あることかがわかっていただけるかと。
オケ(東京フィルハーモニー交響楽団)は、聴きごたえがあり、大満足でした。
カーテンコールの時、指揮者とキャストが何度もハグしてたのが印象的でした。
とうとう終わった~~!って感じだったんでしょうね。

鑑賞側としましても、いや~~~なんかもう感無量でした。

私にとって「指輪」というとトールキンの「指輪物語」にかれこれ30年ほど前に出会ったことにさかのぼります。
(ニーベルングは「指環」って書きますね)
当時の私はファンタジーものはどうも入っていけず、読めなかったのですがトールキンの「指輪物語」は別物。
どっぷりはまってしまい、夢中で読みました。
思えばあれが初版本だったらしく、それからずっと指輪ファンだったので、まあ、いろんな想いがあったんですね。
その後数十年たって製作された映画の「ロード・オブ・ザ・リング」にもはまり、そしてワーグナーへと、そのような道を歩んできたわけです。
オペラ自体も長いけど指輪との付き合いも長いのね・・・って意味ないか。

ワーグナーってハマりだすと底なしに入り込んでいきそうです。

というか、これで一応4部作観たけれど、半分も消化しきれてない感じだし、何度も観たり、理解を深めていきたいという思いが強いです。
客層も、ほとんどが白髪の老紳士で、コートにハット、ステッキの人も多い。
ワーグナーとの付き合い、長そうな人ばかりという雰囲気でした。
帰り際、鼻歌の人もいましたね~♪

ジークフリートという英雄が主役だけど、単純なヒーロー物語では決してなくて、愛と暴力という、相反するかのようでいる人間の内面を、まるでコインの裏表のようにとらえ、
描かれていることろが凄いなと思いました。
コインというと「ダークナイト」を思い出してしまいます。
善悪ということをこんなにも壮大で美しいファンタジーなオペラに仕上げたワーグナー。

本当に光と闇は表裏一体だと、あの時代にそんな話を、こーんなにやたらに長いオペラ作品にしちゃって、一般受けしなかっただろうなあ。。。
ワーグナーは当時、とても生活が大変だったそうです。
多くの芸術家たちがそうであるように・・・

さらに「指輪」との理解を深めていきたいです。

それにしても、過激と言うか斬新なキース・ウォーナーの演出。
1作目から出てきてたジグソーパズルのピースが気になっていたのですが、最後の最後でその意味がわかるしくみ。スッキリしました~(笑)。
いやあ、すごい演出でした!