イタリア式、恋愛マニュアル
かなり面白かったです。
イタリア映画祭のときに知って、即前売り券を購入し、公開を待ちに待っていたのです。
イタリアっぽい雰囲気にあふれているところがまず、良いんですよねー。
全面的にイタリア~って感じがたまらなく楽しい。
やはり、先日のフランス映画も良かったし、ヨーロッパ作品の人間的な深みのある作りにはホッとしますね。
ちょっとした立ち居振る舞い、話し方などに歴史的文化の深さを感じたり、そんなところもヨーロッパ作品の楽しみです。
「アモ~~レ~~」
って・・・言いながら帰宅するんですねえ(笑)。
さすが恋愛の国です~
この作品、イタリアではすごくヒットして、自分のことのように共感した人が大勢いたのだとか。
しかし、日本人にはウケないのではないかと言われて(まったく誰がそういうことを決め付けるのか)公開されないかもしれなかったという作品。
でも、イタリア映画祭での観客の反応が非常によかったため、公開されることになったようです。
産業廃棄物のようなのが山ほど上映されているってのに、何でそこで弱気になるかな。
何はともあれ、公開されてめでたしめでたしです。
特に、日本で有名な俳優さんは出てきませんが、皆さんとても魅力的で達者な方ばかり。
非常に残酷ではあるけれど、人が真剣に悩んでいるところがコミカルに見えてしまったり、本気でジタバタしている様子、大真面目にやってることが本当に馬鹿馬鹿しかったり。
そんな感じで、かなり笑えました。
客層は銀座という場所柄もありますが、落ち着いた女性やご夫婦が多かったですね。
場内は、特に女性の笑い声が響いていました。
私の隣のオシャレな中年紳士もかなり笑っていました。
でも、大爆笑、という感じではなくて、クスクス・・・ぷっ。。。というニュアンス。
あ、皆さん結構、身に覚えあり!?
遠い国の人たちのことなのに、私自身すごく身近に感じてしまいました。
同じようなことで悩んだり、困ったり、喜んだりしてるんだなあって、
こういうことを確認するとなんだかほっとさせられます。
一番印象的だったセリフ。(2話目)
若い警官「あのふたり、もうだめだな」
中年の婦警「大恋愛かもしれないわよ」
この短いふたつのセリフの中に、深ーいものを感じました。
エピソードは4つなのですが、
どのお話も、わりとありがちなのではないでしょうか。
ありがちですが、退屈ではないのです。
それはおそらく、あたりまえの日常の、ごく普通な人間たちの視点から、愛という不思議でおもしろくてそしてとってもあったかいものを語っているからなのかもしれません。
あと、「恋愛マニュアル」という物が書店で販売されていて、
それを購入して自宅で聴くシーンがあるのですが、かなりインチキっぽい内容(笑)。
意味不明の体操とか・・・。
まー何事も、実践ですね!
1話めの彼、トンマーゾ(上の画像の人)、失敗を恐れないでどんどん実行するところに好感が持てました。
しかしね、
「この映画を見たあとは恋をしたくなる!」
ってチラシにありましたが、ズレてるわ~。
監督が読んだら苦笑するのではないでしょうか。
恋というのはしたいとかしたくないとかいう次元のものではないのです。
気がつくと・・・
恋に落ちている。
理由もなく、ね。