新国立劇場「ムチェンスク郡のマクベス夫人」
こんなオペラがあったということに衝撃を受けました。
不貞、殺人、流刑、そして裏切り・・・
なんという暗い物語。
とことん悲劇です。
さらに、ショスタコーヴィチの音楽で、かなりハードル高め。
でも、おそらくめったに観れない作品と思われるので、今回出会えてよかったです。
しかしこれって、マクベスというキーワードをタイトルに使ってしまうと誤解が生じるかもしれません。
マクベスとの直接的な関係はなくて、比喩として使われており、確かにヒロインの悲劇的なかたちは、まるでシェークスピア劇のようでした。
しかし、根底にはやはり舞台がロシア、つまりスターリン抑圧の中で書かれた、1930年代という時代の中で芸術の意味や価値を問う作品なのですね。
それと、リチャード・ジョーンズの緻密に計算された演出には驚くやら感心するやら。
特に、途中で舞台装飾を観客に見せながら変えてしまう演出にはびっくり!これは凄いアイディア。
しかも、手際よく流れるように綺麗~にやってのけてくれ、そこにも正確な計算が表れていました。
TV画面を使ったり、舞台を分割したりと、本当に様々なアイディアに刺激を受けました。
それにしてもオペラパレスって、他では観れないオペラを上演してくれるので貴重です。
たまにショスタコーヴィチのCDを聴いていると、家族から苦情(?)が出るので(苦笑)、
ひとりでいる時に時々聴いてます。
この、オペラのCDは持っていなかったので、探してみようと思います。
ちなみに、よく聴いてるのはこの、ラトル指揮のもの。