新国立劇場「リゴレット」
実は新国立劇場は初めてでした。
別に避けていたわけではなく、たまたまいつも上野になってしまっていただけのこと。
綺麗で素敵な劇場でした。木をふんだんに使っているのが良いですね。
歩くと、コツコツと靴音が響いて、歩いているとなんとなくレトロな雰囲気に浸って、勝手にうっとりしてしまう(笑)。
公演は最高に素晴らしかった!
新国立劇場は、毎月、次々と演目を変えてオペラを上演してくれるので、通おうかな~と思っています。
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さて「リゴレット」は今回初めての鑑賞。
まったく、なんという悲劇なのだろうと、衝撃を受けました。
これは、ある男の復讐のお話です。
・・・でも、いかなる理由であれ、その復讐は、その人にとって最も悲劇的なかたちで自分に返ってくるのです・・・。
「呪い」という表現が使われていました。
呪いにはどのみち、対価が生じるのでしょうか。
そして東洋的に考えるならこれはいわゆる「業」というものではないのだろうかと思いました。
この作品の初演当時(1851年初演)は検閲がうるさくて、上演にこぎつけるまでが大変だったようです。
それでも作品への情熱を失うことなく、信念を曲げなかったヴェルディは素敵だ~!!と感動しました。
ひとの人生は、単純ではないと、善悪は簡単に分けられないものだ、そして幸せも不幸も、愛も憎悪も、美しさも醜さも・・・と、かなり複雑で考えさせられる深い内容のオペラです。
そういえば、一人で来ている男性客が多かった。それも、年齢層高めの。
アルベルト・ファッシー二演出の舞台は豪華で美しくて、美的感覚を大いに刺激してくれて、ビジュアルの満足度はかなり高かったです。
ファッシー二氏はヴィスコンティ監督のアシスタントをされていたそうで、それをあとで知って納得でした。
舞台でありながら、まるで映画のシーンを観るような気分に自然となっていたのです。
幕間の休憩20分ほどの間に、ものすごく豪華で大がかりなセットができていて、幕があがるたびに目をみはりました。
衣装もそれはそれは豪華で、うーん、もうちょっと前の席を取りたかった!と悔やまれました。
3幕のジルダの男装が素敵で、真似したくなって困りました・・・。
黒いヴェルヴェットの上下に茶のスエードのブーツといういでたち。
リゴレット役のラード・アタネッリ、素晴らしかったですねー。
お顔立ちがどことなくセルジオ・カステリットに似ていて素敵でした~。
ありとあらゆる要素がつまったオペラの世界は、本当に勉強になりますし、五感を刺激し、活性化してくれるのです。気持ち良いのです。