あるいは裏切りという名の犬

2018年5月10日

制作:2004年フランス 110分
原題:36 Quai des Orfèvres

監督:オリヴィエ・マルシャル
脚本:フランク・マンクーゾ、ジュリアン・ラプノー、ドミニク・ロワゾー、オリヴィエ・マルシャル
音楽:エルワン・ケルモンヴァン、アクセル・ルノワール
撮影:ドニ・ルダン
編集:アシュデ

レオ・ヴリンクス:ダニエル・オートゥイユ(菅生隆之)
ドニ・クラン:ェラール・ドパルデュー(銀河万丈)
ロベール・マンシーニ:アンドレ・デュソリエ(小川真司)
カミーユ・ヴリンクス:ヴァレリア・ゴリノ(山像かおり)
ユゴー・シリアン:ロシュディ・ゼム(咲野俊介)
エディ・ヴァランス:ダニエル・デュヴァル(金尾哲夫)
ティティ・ブラッスール:フランシス・ルノー(加瀬康之)



すっごく良かったですラブラブ
全然予備知識なしで行ったのと、単館上映だということで、それほど大きな期待をしてなかったんですよね。

ところが!
予想外。とにかく、その出来栄えの良さにびっくりしました。
で、最後まで息もつかせず、ストーリー展開の面白さもあって、大興奮状態でした。
ハードボイルド好きには絶対のオススメです!!

インファナル・アフェアのパリ・オヤジ版(笑)か、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・パリか、はたまたマイアミ・バイス・パリ版って感じで家族愛とか、友情がゆがんでいく人間関係などは「ゴッドファーザー」の雰囲気も。
潜入捜査官のお話ではなくって、二人の警視が主体になっていて、善と悪を対比させて描いていくんですね。

かなりひねった邦題がついていますが、原題は「36 QUAI DES ORFEVRES」で、「オルフェーブル河岸36」です。
パリ警視庁の場所のことだそうで、日本でいうと”桜田門”。
私は「オルフェーブル河岸36」のほうが良かったな。
「あるいは~」なんていうタイトルで、ちょっぴり引き気味だったんです、実は。
原題のほうがシンプルでカッコイイと思います、はい。


この作品は実話がもとになっているらしいです。
しかも、デ・ニーロとクルーニー主演で、ハリウッドリメイク決定なんですって~知りませんでした~~。
知らないで観ていても、主役のダニエル・オートゥイユが、どことなくデ・ニーロに似てるなあ~と思ってました。
クルーニーは、ジェラール・ドパルドューとはかなりイメージ違うけど、なんかすごく似合いそうで、どんな演技してくれるのかと、楽しみ。

最初から最後まで、ハラハラドキドキのハードボイルド、「じわ~~」っと泣けるシーンもあったり。
とにかく、渋い。渋すぎるんです。
あらためて、中年男の魅力にホレボレでした。
深く刻まれた顔のシワとか、コートの衿を立てて佇むその背中とか、なんともいえない雰囲気ですね。
あれは演技とかでどうこうするものじゃなくって、長い年数を生きてきた人のかもしだすものなんだなあ。。
勉強になりますわあ。

監督さんは、もと警察官だそうで、さすが、リアルな現場の描きかたがこの作品に深みを与えているのでしょう。
映像のかっこよさ、カメラワークの巧さ、複雑なストーリーのまとめかたの巧さとビシビシ決まるセリフが泣かせるし、音楽の使い方も最高に決まってて、人物の内面描写もすばらしく、それに、次々と登場するフランス人俳優&女優の美形&カッコイイこと(あ、でも、これって個人的に偏った美意識かも☆笑)
なにもかもが素晴しく完成度高くて、満足感と充実感。感動です~~。
さすがフランス映画の貫禄です。
ジャン・ギャバンなんかが出てくる、伝統的なフィルム・ノワールの雰囲気があります。
こういう雰囲気はアメリカ映画では出せないのねきっと。
終わり方も、ハリウッド的だともっと派手にするんだろうなというところですが、これがまたかなり渋い終わり方。
いいなあ~~。

パリの街並みや車が、オッサンたちのダークでハードなイメージとなぜか合っていて、すごくオシャレ
レオ・ヴリンクス警視の乗ってるのは、アルファロメオですよ~。
オヤジの乗る車なんですか、これって。なんておしゃれなの。
あとBMWとかミニ・クーパーとか、車がみんなおしゃれでした。
お話がインファナル・アフェアみたいに結構複雑なので、観終わってすぐに色々と確認したくなりました。もう一度観に行くつもりです。いけるかなあ~~

しかし、「おまえのような奴は、駐車場で撃たれて死ぬ」とかいうセリフがあるんですが、それってインファナル・アフェアのサムのこと~?
なあんて思いながら観ていて、クククと笑っていました。。。


ほとんど満席。どうも連日満席らしい。
客層はほぼ全員が、中高年で、オジサマが多かった~。
私の好きな映画って、どうしてこう、オジサマ嗜好なんでしょーか(苦笑)


あと、イケメン1名発掘しましたフランシス・ルノー(ティティ役←この役がまたいいのよ~~)っていう人。
早速、出演作を探しに行こう♡
この写真は別の作品のときので、今回の雰囲気じゃないんですが。。
今回の彼は、スキンヘッズで、あとから長髪になるんです~~。