ネタバレ感想:神映画『モービウス』の納得いかない点

2022年5月31日

作品情報

時間:108分
原題:Morbius
製作:2022年アメリカ
監督:ダニエル・エスピノーサ
脚本:マット・サザマ、バーク・シャープレス、アート・マーカム、マット・ホロウェイ
原作 ルイ・トーマス&ギル・ケイン『モービウス・ザ・リヴィング・ヴァンパイア』
撮影:オリバー・ウッド
音楽:ジョン・エックストランド

キャスト:
ジャレッド・レト(中村悠一)
マット・スミス(杉田智和)
アドリア・アルホナ(小林ゆう)
ジャレッド・ハリス(佐々木勝彦)
タイリース・ギブソン(楠大典)
アル・マドリガル(牛山茂)
マイケル・キートン(大川透)

公式サイト
https://www.morbius-movie.jp/

『モービウス』予告編

『モービウス』あらすじ

スパイダーマンの敵役として登場するマーベルコミックのキャラクター、モービウスが主人公。
血に飢えたバンパイアと人々の命を救う医師という2つの顔を持つ主人公マイケル・モービウスを、オスカー俳優のジャレッド・レトが演じる。
天才医師のマイケル・モービウスは、幼いころから血液の難病を患っている。同じ病に苦しみ、同じ病棟で兄弟のように育った親友のマイロのためにも、一日も早く治療法を確立したいマイケルは、コウモリの血清を投与するという危険な治療法を自らの肉体を実験台にして試す。その結果、マイケルの肉体は激変し、超人的なスピードや飛行能力、周囲の状況を察知するレーダー能力が身につくが、代償として血に対する渇望に苦しむこととなる。
自らをコントロールするために人工血液を飲み、薄れゆく人間としての意識を保つマイケル。そんな彼に対し、マイロも生きるためにその血清を投与してほしいという。同じころ、ニューヨークの街では次々と全身の血が抜かれるという殺人事件が頻発する。
マイロ役はテレビシリーズ「ザ・クラウン」や映画「ラストナイト・イン・ソーホー」のマット・スミス。監督は「デンジャラス・ラン」「ライフ」のダニエル・エスピノーサ。

『モービウス』の豪華すぎる声優陣

まず、豪華すぎる吹き替え声優陣に驚愕。(そっから?)
主演のジャレッド・レトが中村悠一さん、そして親友役を演じるマット・スミスが杉田智和さんって!!!???どーゆーこと?????いやーもうなんて事!嬉しすぎて小踊りしてしまいましたわ。
そもそも中村さんと杉田さんは大親友ですもんねー。まさにピッタリの配役♪よくぞ選んでくれました。
私はお二人の大ファンでもあるので、劇場公開された時、字幕に行くか吹き替えに行くかで、直前まで悩みに悩んでしまいましたね…。結局、ジャレッドの生声を優先することにして、吹き替えは後日改めて鑑賞ということにしました。
まーちょっとね、字幕版観ながら脳内で、声の妄想変換やってしまいましたが…

さらに小林ゆうさんとか、あと脇役だけど牛山茂さんとか。

しかし今更だけども、マイケル・キートンの吹き替えが大川透さんって!!!いい声すぎやしませんかー!?…と思ってしまいました。

とにかく、実に楽しい楽しい吹き替え声優キャストなのです。

『モービウス』は神映画だ

とうとうジャレッド・レトがヴァンパイアに!!!!
簡単に言うと、コウモリ版のハルクです。

神映画だ!と思う理由は、50歳になったジャレッド・レトの美貌と肉体、演技を、108分間じっくり堪能できるからである。
シワ一つない端正な顔だけ見ても、マジで不老不死なのでは?と疑ってしまう。
『ハウス・オブ・グッチ』では、ジャレッドかどうか分からないほどのメイクと体型で、本人曰く「肉体改造は得意なんだ」と言うのだが、一体どういう体をしているのだろうか……。

オスカーで助演男優賞を受賞した時は『ダラス・バイヤーズ・クラブ』で激痩せ姿でゲイのエイズ患者を演じていました。そうれはもう壮絶な激痩せ状態でしたね。

本作『モービウス』では3つのパターンを演じている、とレトはインタビューで語っていました。

まずは初期の弱々しい病弱な医学者のマイケル…この時は痩せていて表情も気弱な感じで、優しい性格が滲み出ている。

次の段階は、コウモリのパワーで元気はつらつ、エネルギー満々なマイケル。病弱で痩せ細っていたはずの肉体は、いきなり筋肉マッチョに変身。この段階では、自制心があり、まだ人間の心が残っている状態。

3つ目は、血に飢えた怪物となり人間性を失っている状態。

というように、本作でのジャレッドは、3つのキャラクターを演じたというわけです。

彼はインタビューで「肉体改造は得意なんだ」と語っていましたが、なんであんなにも簡単に痩せたり太ったりできるのか?不思議でなりません。

オスカー助演男優賞を受賞した『ダラス・バイヤーズ・クラブ』でのジャレッドは、体重を劇的に落として、別人のような体になっていました。あの時も本当に凄まじい肉体改造でしたなあ…

どうしてあんなことができるんでしょうか。あまりの体の細さに、「健康状態は大丈夫なのだろうか?」と心配してしまいましたよ…

でもオスカー助演男優賞受賞して、努力が報われたな!と思ったものでした。

 

逆に『チャプター27』の時は、激太りで世界中を驚かせていましたね…

しかしあの時はさすがに、痛風になったとかで、健康に問題が生じてしまったようでした。ハラハラさせてくれます、本当に全く!

激しい肉体改造をして健康も損ねたというのに、作品自体はあまりパッとせず、ジャレッドの努力が報われなかった作品でした。

ところでマイケルという名前から勝手な想像をすると、アメリカ人の定番的イメージがある。けど、ジャレッドの外見や雰囲気は、かなり個性的だし定番的マイケルって顔じゃない気がする……。

『モービウス』の納得いかない点

上記のように、色々な視点から神映画だと思う点もあった。

けれども、納得いかない点もあったので、以下へ書き留めておく。
①二人分の毒薬
マイケルはいつ心変わりしたのだろうか?
親友を己の手で止める代わりに、自分も後を追うと見せかけて、なぜかその後も生きている。
かなり身勝手に見えてしまうのだが、生きようと考えを変えたのなら、その理由が見えてこない。カノジョも死んじゃったし(あの時点では)。

②”ダークヒーロー”?
あくまでも今回は誕生を描くストーリーなので、ヒーロー的な活動は一切ない。
それは仕方ない。
しかしマイロは唯一の親友なのだから、もう少し説得できなかったのだろうか?と思ってしまう。
自分も人殺しをしたという罪悪感で、思考が極端になっていたのだろうか?
マイロはマルティーヌへの嫉妬も相まって意固地に?
だとしたら、すれ違いが悲しすぎる……。

③他のヒーローは?
FBI捜査官のおっさん二人が頑張って現場に駆けつけ、容疑者を逮捕、収監までしていて大変お手柄だったが、他のヒーローについては一切言及がなかった。
一言「スパイディも居ないし」とかいうセリフがあってもよかったのにと思ってしまった。

 

『モービウス』の見どころポイント

モービウスの見た目がコワイ!!!(笑)

船内で傭兵たちが襲われるシーンは、ほとんどホラー映画。
私はホラー大好きなので、楽しく見ていましたが。

うーむ、やはりタイツなんですねー(苦笑)。昔のマーベルは、こういう感じのぴちぴちタイツ系のコスチュームが定番でしたね。

今回の映画『モービウス』は現代の設定だし、どっちみちジャレッドはこういうぴちぴちなタイツは着ないと思いますが・・・、今後は、何か定番の衣装になっていく可能性大。
今のところ、終盤で着用していた、裏地がパープルのやたらセクシーな黒いスーツしか思い当たりませんが・・・まさかあれが定番衣装じゃないよね。

 

Mobiusって、Möbius band……メビウスの輪から来ているのでしょうか。
だとしたら面白いなあと思いました。
生と死の連鎖や、不老不死……血液で変化してしまう、ヴァンパイアの特性。

 

本筋とは関係なく面白かったのが、マイケルが自分の体で危ない人体実験を実施する場所が、船の上だということ。
「国際海域ならセーフだから」みたいな会話をしれっとしていたが、そうなの!?何してもいいの!?
確かにどこの国が取り締まるんだって話になりそうですが……。

そーいえばダン・ブラウン原作の映画『インフェルノ』でも、船の上で活動している怪しい組織が出て来ましたねー。
現実世界でも、そういう感じで、人知れずどこかの海の船上でヤバいことがたくさん起きているのかもしれないのねーと思うと、また一つ闇が深まった気がしました。

 

トムホになってからのスパイダーマンが、『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』でひとつの区切りとなったようです。
そこで、新たな展開として、『モービウス』というダークヒーローを投入したようなのですが、悪役なのか、それとも・・・?というところが、非常に気になっています。
今後スパイダーマンとどのように絡んでくるのかが楽しみ!!

それと、ヴェノムとは関係するのだろうか、しないのだろうか?そのあたりも気になります。
今回のセリフの中に「サンフランシスコで・・・」どーのこーの、っていうのがありましたが、ヴェノムにさりげなく振ってきてました。

ドクター・ストレンジの話とのつながりとしては、ほんの数秒ですが、空に例のアレが出ました。「あ!例のアレだ!」と思いました。スパイダーマンで確認してください。

時系列は何となく整理されたかも。

さて次は5月4日公開の『ドクター・ストレンジ マルチバース・マッドネス』だ!
一体どういう展開になっていくんでしょうか。


ジャレの肉体美がたいへんすばらしかったので、描いてみました。
楽しかった~

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