バレエの神髄

2021年6月20日


ファルフ・ルジマトフの2010年公演「バレエの神髄」を鑑賞しました。

今年のゲストは完璧に日本向けになっていて、しかも豪華キャストでした。
ただ、ロバート・テューズリーが直前の怪我で出演できなかったのが残念でした。
早く怪我を治して、元気になられることお祈り申し上げます。

まず、「眠りの森の美女」よりローズ・アダージョ。
4人の麗しき王子に囲まれるオーロラ姫って、いつ観てもなんであんなにモテモテなのかしら~?と思うのね(笑)。
アラベスクが素敵な振り付け。とってもロマンチックな幕開けでした。

「侍」
岩田守弘さんのソロ。すごくカッコ良かったです。
振り付けはラブロフスキーが岩田さんのために作ったもの。
「和」の美と精神世界を力強く表現していて、端正な美しさの岩田さんの踊りをじっくりと堪能できました。
腕一本で体全体を支えるポーズとか、そういうところも東洋的、と思いました。
それにしても凄い技がたくさんでした。

「海賊」よりパ・ド・トロワ
フィリピエワ、シドルスキー、イシュク
これは、何度観ても楽しい演目です。
奴隷役のイシュク、すごく細~くて、だからとっても軽やか。
回転が早い!華奢な奴隷さんでした。
シドルスキーは手足が長くてスラリと長身で、なんとも見栄えのいい海賊さん。

「阿修羅」ルジマトフのソロ。振り付けは岩田守弘。
これを観るのは2度目です。この振り付けって、ほんとに阿修羅の特徴がよく出ていてすごいなあと思うのです。
そしてとにかく、ルジマトフは手の動き、表現が美しいのですが、それがいかにも阿修羅の手の造形そのもののようで、あまりにも綺麗でした。
あれだけの手の表現力というのも、他にいないのではと思います。
静なる美しさの踊りです。

「ディアナとアクティオン」
ドムラチョワ、岩田守弘
侍のカッコイイ岩田さんと、今度は優雅でロマンチックな岩田さんと、2種類も観ることができて楽しかったです。
とても綺麗な踊り、そしてきちんとしてて、観ていてほっとさせられます。
なんというのか、あのただならぬ安定感というか安心感に癒されてしまう。

「ライモンダ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
吉田都、テューズリー→(変更)シドルスキー、キエフ・バレエ
第一部の終わりは再びロマンチックにまとまっていて、綺麗でした~。
思わず、全幕観たくなりますね。


第2部は、「シェヘラザード」
ルジマトフ、フィリピエワ、キエフ・バレエ
舞台セットもちゃんとしてあって、華やかで本当に素敵でした。
ルジマトフの雰囲気にぴったりなんですね。
官能的で野性味もあって、けど、優しくて癒し系な感じもあって・・・そして美しい。
コルプの金の奴隷の鮮烈な印象も思い出しつつ・・・崇高な美しさのルジマトフ奴隷に見とれていました。

カーテンコールの時、やっぱりすごい花束の嵐。
ルジマトフはしっかりと全部、受け取っていました。
抱え切れないほどたくさんなのに、ひとつひとつ大切にしていて。
観客は立ち上がりそして前に押し寄せていました。
何度も何度も幕が降りたり上がったり。

レニングラード国立バレエのサイト
http://www.leningrad-ballet.jp/index.html

岩田守弘さんのブログ
http://ibashika.exblog.jp/