仮面ライダー THE NEXT

いやーなかなか楽しかったです。
最近はちょっとした懐古趣味的特撮ブームのようで、私もすっかりはまっています。
ちょっと困るけど・・・(笑)

私はパチンコはやらないのですが、「パチンコ仮面ライダー」のサイトが面白くって、隅々まで見てしまいました。

さて映画を観るときには、観客層もついついチェックしてしまうんですよね。映画によって見事に客層が分かれているから面白いです。
今回は、30~40代くらい?な男性のひとり客がほとんど。それも、ちょっと落ち着いた雰囲気のオシャレな人が多い。しかも普段スーツ着用の人が休日にカジュアルを着てきたというどこかぎこちない感じはなく、普段からカジュアルを着こなし身体になじんでいるといった雰囲気の人。
クリエイター系の人が多かったのかしらと思いました。いわゆるチェックの綿シャツに大きなリュックというスタイルの人(この場合はたいがい男性ふたり連れが多い)は、少なくともその日にはいなかったですね。
あとは小学生低学年の男の子と、つきそいの若いおかあさん。しかしこの作品は決してお子様向けではなく、また一般の女性向けでもない。どうみたって、大人の男性向けな仕上がりになっています。私はそういうところがかえって好き。

石ノ森章太郎先生の原作をよく研究して作っているなあというのが第一印象。
石ノ森先生の作品は私もとても好きで、「サイボーグ009」なんかは本当に何度も読んだのでひどくボロボロになって、紙がすり減って角がなくなったりしてるんです。本がバラバラになりそうになるまで読んで、今はそれを大切にしまってあります。
で、仮面ライダーの原作のほうは当時の連載を時々読んだだけなのですが、ああ、やはり石ノ森調のダークな雰囲気なんだなあと確認してなるほどなあとひとり納得していました。

実はその日(もうかなり前になってしまいました)、仮面ライダーを観る前に「バイオハザードⅢ」でミラ・ジョボビッチのすんごいアクションを観てしまったせいもあって、ライダーたちの華奢な体型やアクションに、う・・ショボイ・・と一瞬困ってしまったのですが、そこは素早く頭のモードを切り替えて、ココロは畳に座って弟たちとワクワクしながらTVでライダーを観ていた「あの頃のワタシ」にタイムスリップ状態。(昭和だなあー)
こんな最高の設備のシネコンで、大きなスクリーンで、仮面ライダーが観れるなんて・・・と、もうストーリーとか特撮がショボイのなんかどうでもいいんだ~と、すっかり昔なつかしなノスタルジー世界に浸ってしまいました。
しかも1号2号とV3が3人そろってね。これは嬉しいです。
やはりV3のあとは少々引いてしまった感がありました。あの3人は特別ですね。

無理やりにお母さんの趣味につきあわせた娘も、とりあえず喜んでいたので安心しました(笑)。

最近、昭和時代へのノスタルジーを意識したものが多く目につきますね。
子供時代に帰りたいなどとは、1ミリも思ったりしないけれど、あの頃熱くなった記憶のせいなのか、思い出が楽しかったりしますね。

ハリウッド映画に洗脳されているかな・・と自分に苦笑してしまったけど、てっきり冒頭は「エクスマキナ」みたいなイケイケのアクションシーンでガーーっと盛り上げてくれるのかとばかり思い込んでいたから、意外な始まり方にはちょっと戸惑ったのです。
「え?これって始まってるの?」みたいなえらくテンションの低い冒頭シーンには驚きましたね(笑)。
で次に「これってホラー映画?」なシーンが結構あって、それもウワサで聞いてはいたものの、実際観るとかなり怖い感じに作っていました。
でも私としては仮面ライダーはもともと、TVのほうでもかなりホラーっぽくて、しかもB級臭いノリが何ともいえない味でした。
今回はそういうB級ホラーのテイストをうまく現代調に再構築したところが良かったですね。でもサダコ?な少女には思わず笑ってしまいました。

1号と2号は「ナイトヘッド」なご関係かと誤解させることを意図的に演出してるようだったし、V3はシスコンだし、大体1号の本郷はへタレないまどき風。
一文字は・・・そういうキャラでしたっけ??な夜の街の貴公子(?)だし。
そしてなぜかそれらのベタなキャラ設定が妙にツボにきてしまい、あとで娘と盛り上がってしまいました。
昔、TVの時の本郷は藤岡弘さんで、メチャクチャ濃い人だったわけですが、その時代を代表するキャラクターである、というコンセプトで考えれば、今回の本郷のキャラも納得がいくかもしれません。あと風見志朗(当時はカツラだったらしい)の髪型なんかは、一生懸命ブロウして、風になびいているかのようなあのイメージをよく再現しているなと非常に感心しました。

変身ポーズをやらなかったのは意外でしたね。ベルトがブーンとなって、即変身です。
時間短縮が現代的~(笑)

バイク・アクションも豊富。足技もじゅうぶんに見せてくれて、実に楽しかった。
チラシにもあるようにV3の炎のシーンはまるでゴースト・ライダーでしたが、かっこよさに感動しました。

車とか、コスチュームのデザインも良かったですね。昔のイメージをできるだけ尊重しつつ、現代調になっているんですね。
ショッカーの怪人チェーンソーリザードの右手はチェーンソーになっていて、チェーンソーに「ショッカー」ってロゴが入ってるとこなんかイカシてるわ~なんて思いました。

ツッコミはあえてしないで観たほうが正解かと思いました。
というか、いろいろ言い出したらキリがないですね、きっと。
それにしても特撮ものって、どうしてこんなに面白いんでしょうね・・・