イルマーレ
いきなりですが、これは「ある愛の詩」という作品。
なあ~~んか、韓流っぽくないですか?(笑)
結局、コレを繰り返し繰り返しやってるだけなんじゃーないのかと思うんですよね。韓流って。
で、「ある愛の詩」で号泣したという友人を、さんざん馬鹿にしまくってしまいました。
で、とどめに私は言いました。
「まともな恋愛したかったら、そういう胡散臭い恋愛物は観ないほうがいい」
周知のことではありますが、ベタな恋愛物には引きまくりの私です。
本物のラブ・ストーリー?なんだか胡散臭いなあ・・・。
でも、予告編で観た演出のセンスの良さと、キアヌ・リーヴスのかっこよさにひかれ。
娘も行くというので、2人で観に行きました。
ええ、もちろん軽い気持ちで。
ストーリー展開のスムーズで嫌味のない運び方、映像や演出のセンスの良さは実に心地良かった。
というか、こういう無理やりな設定のラヴストーリー展開にはひとつも心が動かされない。
ましてや涙など、出るはずもない。
そんなことより、時間が行ったり来たりするのについていくのが大変で、かなり混乱しました(笑)。
まあ、それでも主役の二人の顔立ちがクールで甘くないので、
ベタベタした恋愛ドラマにならず、スッキリとしていて、
うん、これなら私でも結構いけるなあと思えた。
なんといっても、脚本がとてもうまくできているので、ふたりの出会うシーンや、心情の移り変わりなど、よく理解できて、さすがと思った。
様々なエピソードの組み込みかたにしても、無理なくしかも印象的にうまくできているなあと思った。
ロケ地はシカゴ。
主人公が建築家の一家というのも良かった。
父が建築のウンチクを語るところなんか、すっごいツボで、1時間くらい父上の講義聞きたいくらいでした(笑)。
やっぱりフランク・ロイド・ライトとかル・コルビジェの名前なんかが出てくるとワクワクして嬉しいですね。
兄弟の会話にライトがジョークで使われるセリフとか、いかにもアメリカの建築家とか学生にありがちな雰囲気でした。
そんな細かいところがとてもいいなあと思う演出でした。
フィリップ・ジョンソン設計の彼の自邸、グラス・ハウスを思わせる湖畔の家とか、
イームズの椅子がうわ~っと置いてあるカフェとか、とても素敵でした。
建築を題材にしたらアメリカはやっぱり強いなあと思いました。
ひとつだけ不満だったのは、サンドラの服の着こなしがイケてなかったこと。
コーディネートもいまひとつ。
女優さんの服の着こなしがダメだと、視覚的満足度が下がる。
映画における衣装の重要度は個人的に、全体に対してのかなりの割合をしめるのですね。
衣装がいいだけでDVD買うこともあるし。
演技はとっても良かったんだけどなあ・・・。残念。
父親役のクリストファー・プラマーのダンディさには惚れ惚れ!
それだけでDVD買う気になっちゃいますね。
頑固で偏屈な一流建築家という役が素晴らしく似合っていて、嬉しくってたまりませんでした。
蝶ネクタイとか、まるでコルビジェ風で、すっごく素敵に上品に着こなしていて、さすがと思いました。
蝶ネクタイをダンディに着こなすのって、かなり難しいと思うのですよ。
一歩間違うとコメディアンになっちゃうしね。
彼のおかげで、観に来て良かったと思えました。
弟クン役のエボン・モス=バクラックもなかなかイケメンで、気に入りました。
今後もっと出てきてくれることに期待。
で、スカパーで丁度「イルマーレ」韓国版のほうをやっていたので、
元ネタをチェックしなくちゃ~と、これも娘と2人で観てみた。
そしたら・・・・。
大爆笑大会になってしまいました。
だって、韓流のベタな演出はクサすぎて、もう、笑うっきゃないでしょう。
主役の俳優はのっぺりした顔だちで、キアヌのNGにしか見えず、
しかもヒロインがチョン・ジヒョンだったので、時々「デイジー」のチョン・ウソンに見えるし(爆)。
キアヌ版のイルマーレの韓国パロディ版にしか見えなくって、安っぽさが情けないの・・・。
キアヌの表情が最高にいい、駅のシーン、とても美しいシーンのはずが・・・。
ショボイ場末の駅って雰囲気。
駅で手袋を売ってる、しかもワゴンで。
あと建築ですが、韓国版のほうはなんと海辺に家を建てている。
はっきりいってあんな地盤の悪い土地に、家なんか建ててることが信じられないし、普通はやりません。
湿気がすごいと思うので、身体にも良くないし、家の傷みもそうとう激しいです。
ってここで専門的な話になっても意味なしですが。
それにしてもこのアプローチ、細くて手すりもなくて、つい踏み外しそうなんですが。
なんかバランスが変。
とにかくすべてが嘘臭くって、バカバカしくって、安っぽいから、これで感動するのは不可能。
映像がきれいだとかいう評判なのですが、この程度の映像で??と思いました。
そんなことよりも美しくない町並みだとか建築デザイン、インテリアのセンスの古臭さが映像のレベルを下げていて、観るに耐えない。
ショボイ喫茶店(カフェとは言いたくない)で元カレとお茶してるシーンとかも、全然絵にならない。
しかもその元カレのダサいことといったら、なんであんな男に未練があるのやら理解不能です。
そういうところでもヒロインの女レベル下げまくりで、もうどうしょうもない。
ポストのデザインは赤くて、コテコテした飾りがついてて、嫌に韓国風で、モダンなデザインの家とまったく合っていないし。
なんで必ず犬とか魚とか飼うんですか?
犬がちっちゃくて存在感薄い(笑)。
名前がコーラ???趣味悪すぎ。センスのなさをそこまで演出しなくても。ああ・・・。
そんで、ストップモーションとか、やめてほしいです・・・最高に大爆笑。
ガラスのコップが割れたりするのも必ずあるよね・・・。
遊園地でデートとかも、もうやめて~~!
自分に気のある男に、元カレの話して愚痴る。
で、男のほうはストーカーか?っていうしつこさに比べ、女は二股だし。
こういう恋愛はしたくないですね。
ヒロインにしても、サンドラ・ブロック扮するケイトは、医師という職業の自立した女性であるのに対し、韓国版のほうはフリーターで、いったいどういう目的の人生観を持って生きようとしているのかが、不明。
いくらなんでも、女の子が立て膝でラーメンっていうのは(- -|||)
(あ、男でもやってほしくないです。立て膝で食事は。)
どちらかといえばモテない女にしか見えない。
女優のファッション・チェックには余念のないこの私が、彼女が何を着ていたのかまったく印象にない。
だいたい、ストレートのロングヘアというワンパターン。
耳あても信じられないくらいダサい小道具だが、紐つきの真っ赤なミトンも恐ろしい。
ただこの「赤」は最後にヒロインが着用する赤いコートにリンクしているんですね。
上のほうの画像でも、サンドラさんが赤いコートを着用していますが、ここはお揃いにしたわけですねー。
さらに、娘が、主役の男の後輩を「中井貴一に似てる」
とか言うもんだから、カツラつけてメガネかけた
「ニセモノ中井貴一」にしか見えなくなり、またまた大爆笑。
リメイク版では最高に素晴らしく印象的であった父の存在感も、こちらは非常~に薄くて、息子とツーショットの写真も、ダサくて大笑い。
はっきりいって、真性ギャグでした。
死ぬほど笑いました。
「ドリームシップ」より笑っちゃったよ・・・あー面白かった(笑)。
ちなみに、
「新オバケのQ太郎」2巻の93ページ、
「Qちゃんが死んだ!」をあわせて読むと、さらに死ぬほど笑えます。
ああ、思い出すだけで腹筋が痛くなる・・・(T▽T)
というわけで、イルマーレ、リメイク版のほうが圧倒的に良かった。
というよりも、実にうまくリメイクしていたと感心したのでした。
グラスハウス余談ですが、これは先ほど書いた、フィリップ・ジョンソン設計の彼の自邸、グラス・ハウス。
広大な敷地の中に建てられ、浴室やトイレなどのほかはすべてシースルーになっていて、建築の存在感をなくし、景色と一体になるように設計されたもの。