ドリームガールズ

2018年5月10日

制作:2006年アメリカ 131分
原題:Dreamgirls

監督:ビル・コンドン
脚本:ビル・コンドン
原作:トム・アイン
音楽:ヘンリー・クリーガー
撮影:トビアス・シュリッスラー
編集:ヴァージニア・カッツ

カーティス・テイラー・ジュニア:ジェイミー・フォックス(咲野俊介)
ディーナ・ジョーンズ:ビヨンセ・ノウルズ(北西純子)
エフィ・ホワイト:ジェニファー・ハドソン(米倉紀之子)
ローレル・ロビンソン:アニカ・ノニ・ローズ(斉藤梨絵)
ジェームス“サンダー”アーリー:エディ・マーフィー(山寺宏一)
マーティー・マディソン:ダニー・グローヴァー(宝亀克寿)




とってもお金がかかっていて、ゴージャスな気分になれる・・・かもしれない作品でした。

でも、退屈です。
監督の視点が甘いんですよね。

それと、美術のセンスがいまひとつ。
衣装デザインとか、セットとか、監督のこだわりが希薄に思えました。

やっぱり映画作りっていうのは、監督の個性が出るもので、
なにかしらクリエイティブなこだわりみたいなものがないと、
つかみどころがないままに終わってしまう。

だから、右脳人間の自分としては、ちっとも刺激にならず、
ちょっと退屈してしまったのでした。

ストーリー展開にも、とくに新しさも面白さもなく。

あと、人物の内面描写ももっと追及してほしかったですね。

全てが浅く感じてしまう作品。

黒人音楽は嫌いではないのですが、この作品の中では、
大音量で怒鳴ってばかりいる歌い方しか登場しないところに不満。
終わり頃には頭痛がしてきました。

こうして、1960年から1970年にかけて、黒人音楽は大衆路線をつっぱしって、
本当に大切な、音楽の心とか、
スピリットを失ったんだなあ・・・ということがよくわかりました。

チラッと出てきた酒場のジャズメンたちの演奏なんかが印象的でした。
ああいうところにひっそりと、本物が息づいているのかなあ・・・と思ったり。

ジェイミー・フォックスの演じたカーティスのような、
お金儲けしか追求しないタイプの人が、
とりあえずは成功するわけですが、
人間として大切なものは、何も手にすることがないんですね。
このあたりはビジネスと人生の教訓ですね。

しかしジェイミー・フォックスは、マイケル・マン監督作品ではもっとずっとかっこよく撮れていたのに、今回は彼の良さがちっとも引き出されていなかったですね。

女優さんたちはお人形のようにきれいだったし、歌もそれなりにお上手ではありましたが、底が浅く感じました。
女優はあくまでも女優で、アーチストではないから、しかたがないのだろうか?
だけど、演技もひとつの表現であるから、それだって芸術になりうるだろう。

私が最も印象に残ったのは、ジミー役のエディ・マーフィ!
過去にジェームス・ブラウンの物真似をしていたそうですが、
その熱唱ぶりと演技には引き込まれました。
なにしろ私は、エディ・マーフィの出演してる作品をほとんど観たことがなくて、
「シュレック」のロバとしか思ってなかったものですから(笑)、
今回ですっかり彼を見直してしまいました。
また、ジミーというキャラクターにも惹かれました。
彼は、大衆路線の音楽をやり続けて、大成功するのですが、
本当にやりたかった彼の音楽は、そうじゃなかったんですね。
メッセージ性のある、人間味のある、心に訴える音楽。
そんな曲を録音して、カーティスに聴かせるシーンが、
この作品で一番印象に残りました。

売れているものは、必ずしも良いものとは限らない。

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ドリームガールズ
ジェイミー・フォックス (出演), ビヨンセ・ノウルズ (出演), ビル・コンドン (監督)

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